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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

腎臓疾患のサイン



2006.11.10

vol.41 腎臓のサインを見逃さない

腎臓の多様な役割

Vol.41 腎臓のサインを見逃さない 腎臓の役割は?…と聞かれたら、「血液をろ過して、尿をつくること」と答える人が多いでしょう。もちろん、それも大切な役割ですが、腎臓にはあまり知られていない重要な働きがたくさんあります(下記参照)。

<腎臓の主な働き>(※1)
1. 血液中の老廃物をろ過し、尿として排泄
2. 体内の水分と電解質(ナトリウムなど)の調節
3. 血液の酸性・アルカリ性の調節
4. 血圧を調節するホルモン、赤血球をつくるホルモンの分泌

腎臓は尿だけでなく、血液や水分、ホルモンなどを通して、体内環境を全体にわたって調整する役割をしています。それだけに、もし腎臓に異常が起こると、からだのさまざまな部分にいろいろな障害が生じます。
腎臓そのものの病気には、腎炎(腎臓の炎症)、腎結石(結石ができる)、腎臓がんなどがあります。このうち腎炎は、血液をろ過する腎臓の糸球体に炎症が起こり、ろ過機能が低下する病気です。とくに中高年に多くみられる慢性腎炎は、気付かないうちに進行しやすい腎臓病の代表的なものです。
また最近は、腎臓病が高血圧や糖尿病などの生活習慣病とも、非常に密接な関係にあることが注目されています。
そのため日ごろから、腎臓の状態に気を配る必要がありますが、困ったことに腎臓病はかなり悪化しないと、はっきりした自覚症状がみられません。気が付いたときには、尿毒症を起こしていたり、人工透析を必要とするなど、重症化していることが少なくないのです。
しかし、自覚症状がまったくないわけではありません。尿の色やからだのむくみ、トイレが近くなったなど、私たちでもチェックできる小さなサインがいくつかあります。腎臓病の予防のために、それらを見逃さないポイントを知っておきましょう。

(※1)腎臓の働きにはこのほか、タンパク質代謝物の排泄や骨をつくるホルモンの分泌などがあります。

腎臓からのサイン 1…尿の色

腎臓からのサインで、最もわかりやすいのが尿の色です。尿の色は、体調によって変わりますが、通常は黄色っぽい澄んだ色をしています(ビタミン剤を飲んだときや疲労時などに、一時的に濃い黄色になることもあります)。
腎臓などに異常があると、尿の色が変わります。とくに注意したいのは、タンパク尿と血尿です。

<タンパク尿>

腎臓のろ過機能が低下すると、本来は出てこないはずのタンパク質が尿に漏れ出てくることがあります。すると尿の色が濁った感じになり、泡立ちが目立つようになります。
ただし、運動をした後や高熱が出たときにも、一時的にタンパク尿が出ることがあります。

<血尿>

腎臓のろ過機能に障害が起こった場合、赤血球が尿に混じって排出されることがあります。すると褐色のような濃い色味の尿が出ます。膀胱や尿道に出血がある場合は、鮮やかな赤い色が混じることもあります。
血尿というと、腎臓がんを心配する人もあるでしょう。血尿は、急性腎炎などさまざまなケースで起こるので、すぐに腎臓がんと判断することはできません。しかし、腎臓にしこりや痛みなどがある場合は、早めに検査を受けましょう。腎臓は、背中側の腰より少し上の両側にあります。

タンパク尿や血尿は、ふだんから自分の尿を見ていると、変化に気付きます。しかし、もう少し正確に知るには、市販の尿試験紙を利用するといいでしょう。
尿試験紙だと、腎臓の健康状態だけでなく、糖尿病や肝臓病、膀胱炎、尿路感染症など、ほかの病気の可能性についても知ることができます(※2)。もし尿試験紙で異常がみつかったら、自己判断せず、必ず病院を受診して原因を突き止めることが大切です。

(※2)尿試験紙による検査では、比重、pH、タンパク質、ブドウ糖、潜血、白血球、細菌、ビリルビン、ケトン体などを調べることができます。

腎臓からのサイン 2…からだのむくみ

からだのむくみも、腎臓の機能低下を示すサインのひとつです。
まぶたがはれぼったくなる、指輪が入らなくなる、靴下のゴムの跡がなかなか消えない、靴がきつく感じるようになる…などの症状があったら、むくみが起きている可能性があります。
なんとなく太ったと思っていたら、むくみだったということもあります。
むくみの原因はいくつかありますが、例えばタンパク尿が出ていると、血液中のタンパク質が減り、水分保持機能が低下します。すると血液中の水分が血管の外にしみ出し、これがむくみを起こすことがあります。
とくに血糖値が高い人は、腎臓の機能低下に伴って、むくみの症状がみられやすいので注意しましょう。

腎臓からのサイン 3…トイレが近くなった

中高年になると、トイレが近くなる人が増えます。とくに寒い時期には、飲み物をとるとすぐにトイレに行きたくなったり、短時間のうちに何度もトイレに行くケースもみられます。
あなたは、1日に何回くらいトイレに行きますか。
1日の排尿の回数は人によって、また季節によっても異なりますが、3~10回程度なら正常とされています。10回を超える状態の場合には頻尿を疑って、検査を受けるようにしましょう。
頻尿の原因には、腎臓病のほかに、糖尿病や過活動膀胱などの影響もあります。慢性腎炎や糖尿病の場合には、尿の量が増え、トイレの回数も多くなります。
また過活動膀胱というのは、膀胱の柔軟性が低下し、少量の尿でも尿意を感じ、我慢できなくなるものです。飲み物をとるとすぐにトイレに行きたくなったりしますが、尿量が少なく、なかなか出ないこともあります。最近になって知られるようになった病気ですが、中高年にはかなり多くみられます。

高血圧と腎臓

「高血圧は腎臓の病気」といわれるほど、高血圧と腎臓病は密接な関係があります。
腎臓は、血液中の塩分(ナトリウム)を調節する働きをしています。私たちが毎日の食事から大量の塩分をとると、それを処理する腎臓には大きな負担がかかり、腎臓の機能低下を招きやすくなります。
さらに加齢などに伴い腎臓の機能が低下すると、塩分や水分の調整がうまくいかなくなり、その結果、血圧が上昇します。また腎臓は、血圧を調節するホルモンの分泌も担っているため、血圧をコントロールする働きも低下してしまいます。
高血圧になると、腎臓の血管にも負担がかかるため、腎臓の機能がさらに低下し、より血圧を上昇させる要因となります。
こうした悪循環を起こさないためには、日ごろから血圧の管理をしっかりして、腎臓の機能をできるだけ低下させないようにすることが大切です。
とくに高血圧によって、腎臓の細い血管がダメージを受ける腎硬化症の場合には、タンパク尿や血尿のほかに、頭痛、めまい、吐き気などを伴うこともあります。悪性の場合には、けいれんや意識障害を起こすこともあるので注意が必要です。
すでに血圧が高めの人は、自分でも毎日血圧測定をし、自己管理をしっかり行いましょう。塩分の多い食事を控える、肥満を解消するなど、生活全般にわたって見直すことも大切です(高血圧の改善については、「生活習慣病基礎知識・高血圧」をご参照ください)。

糖尿病と腎臓

糖尿病を悪化させると、腎臓のろ過機能が低下しますが、最近とくに増えているのが、糖尿病性腎症です。
血液中に糖分が増えすぎると、それを処理する腎臓には大きな負担がかかり、ろ過機能がうまく働かなくなります(糖尿病性腎症)。さらにろ過機能が低下すると、腎不全に陥り、人工透析や腎移植が必要となります。現在、人工透析を受ける原因の第1位は糖尿病で、しかも人工透析患者は毎年1万人もの規模で増え続けています(※3)。
そのため糖尿病性腎症の予防には、血糖値の管理が非常に大切な要因となっています。
糖尿病性腎症になると、アルブミンというタンパク質の一種が尿に出てきます。これは目で見てもわかりませんが、重要な初期症状のひとつです。糖尿病で、血糖値のコントロールがうまくいっていない人、あるいは家族に糖尿病の人がいる場合には、糖尿病性腎症を起こしやすいので、検査を受けるようにしましょう。
さらに症状が進行すると、先ほど紹介したタンパク尿が出るようになります。また、からだのあちらこちらに、むくみがみられるようにもなります。
糖尿病の人はもちろん、血糖値が高めの予備軍であっても、こうしたサインを見逃さず、早めに検査を受けることが大切です(糖尿病の改善については、「生活習慣病ガイド・糖尿病」をご参照ください)。

(※3)人工透析を導入する原因となる病気は、 1.糖尿病(39%)、2.腎炎(32%)、3.高血圧(8%)、4.不明(8%)、5.その他(13%)となっています(2002年度)。糖尿病は 1998年から原因疾患の第1位となり、糖尿病患者そのものが増加していることから、糖尿病性腎症による人工透析患者の増加も大きな課題となっています。

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浮腫(むくみ)について







実は病気のサインかも?いろいろなむくみ

むくみとは

「むくみ」は、医学用語では「浮腫(ふしゅ)」と言います。多くの場合、病気ではありません。身体の中の水分の分布が変化した状態と考えてください。人間の身体の60%は水分でできていて、そのうち細胞の中に3分の2、細胞の外に3分の1(血液と細胞間質液※1)の割合で分布しています。血液が流れる毛細血管の壁には微小な穴があり、細胞間質液には毛細血管からしみ出した酸素や栄養素を細胞に届け、細胞の代謝によってできる二酸化炭素や老廃物を毛細血管に戻すはたらきがあります。むくみは何らかの原因によって、毛細血管からしみ出す水分量が増える、または細胞間質液から血管に戻す量が減り、細胞間質液が多くなることで起こるものです。このように、細胞と細胞間質には常に水分が存在しているため、足の場合「靴下のあとが少しつく」くらいの状態は正常です。また、細胞間質液はリンパ管にも液体を送り込んでおり、リンパ管が手術などによって詰まることがむくみの原因になる場合があります。

※1 細胞間質液: 血管外の細胞間のすきまを満たす液体

<皮膚の断面図>
むくみのメカニズム

むくみはなぜ起こるのか?

原因である体内水分の分布のコントロールには、①血管内の静水圧(血管内の水分量)②血管内の浸透圧③血管の透過性④リンパ管、が関与しています。その他に外的な要因として⑤長時間同じ姿勢でいること(特に下肢のむくみの場合)があげられます。それぞれについてみていきましょう。

1 血管内の静水圧の上昇
むくみは血管内の水分が多くなりすぎたとき、もしくは静脈がどこかでせき止められ、静脈血圧(血液が流れる圧力)が上昇し、血管からしみ出す水分量が増えることで起こります。水分や塩分(摂取すると水分を多く取り込む性質があるナトリウムとなって体内へ運ばれる)を摂りすぎたときにむくむのは血管内の水分量が多くなり、静水圧が上昇するためです。

原因となる病気
心不全(心臓が血液をうまく巡回させられない)
・腎不全(腎臓がうまく水分を尿として排泄できない)
下肢静脈瘤(下肢の静脈に水分が貯まりやすくなる)
・深部静脈血栓症(静脈の中に血栓ができる)や、子宮筋腫(腹腔内の腫瘍)で、血栓や腫瘍により血管が圧迫されたときなど

2 浸透圧の低下
血液内の栄養が少なくなると血管内に水分を保つための力(浸透圧)が低下するので、水分を血管内に保っておくことが難しくなることがあります。そのため、血管の外に水分や塩分が増え、身体がむくみます。

原因となる病気
・栄養失調(消化管の病気で血管に水分の吸収ができない)
・ネフローゼ症候群(腎臓からアルブミンが漏れてしまう)
肝硬変(肝臓でアルブミンの生産が低下している)など

3 血管透過性が高くなる
血管透過性とは、血管と血管外の物質の出入りのことです。何らかの疾患で、血管自体が血液を保っておくことが難しくなり、水分が血管外に出てしまいむくむことがあります。

原因となる病気
膠原病(リウマチ関連疾患)
・内分泌疾患(主に甲状腺疾患)など

4 リンパ管の閉塞
手術でリンパ節を取り除いたり、放射線治療によって、リンパの流れが停滞することで起こります。(リンパ浮腫)

5 長時間同じ姿勢でいること
長い間立ちっぱなしや座りっぱなしでいると、重力の関係で下肢に水分が貯まり、むくみの原因になります。長い間歩行した場合はあまりむくみません。これは筋肉のポンプ※2を使って血液が循環しているためです。

※2 筋肉のポンプ: 筋収縮による静脈血循環促進のこと

こんなときは病院へ

長時間座りっぱなしでむくんだ場合や、1日寝て引くようなむくみは病院まで行く必要はありません。しかし、むくみの中には危険な病気が潜んでいる場合もあります。下記のような症状が出た場合は病院を受診してください。

救急車で病院へ行くべき場合
・食事や服薬の直後にむくみが出現した(血管運動性浮腫)


できるだけ早く病院へ行くべき場合
・数日の間で局所にむくみが出現した
・薬を飲み始めた、もしくは変えたタイミングで出現した(薬剤性)

【むくみとあわせて起きる注意すべき症状】
・夜に息苦しくて横になれない(心不全)
・一週間ほど前に熱がでたあとにむくんできた(溶連菌感染後糸球体腎炎)
・尿が泡立つようになった


1カ月以内に病院へ行くべき場合
・関節の痛みをともなう(膠原病<リウマチ関連疾患>)
・下肢の静脈瘤(足の表面にある静脈が拡張し浮き出た状態)に気づいた
・肝臓がわるいと言われている人がむくんできた

【むくみとあわせて起きる注意すべき症状】
・疲れやすい、脈がとてもゆっくり(もしくはとても速い)、暑がりで汗をかくようになった(もしくは汗をかかなくなり寒がりになった)、急に体重が減った(甲状腺疾患)など

むくみは、なんでもないものから重篤な疾患まで様々です。上記の緊急性の高いむくみが出現した場合や、むくみに加えて突然身体が変調をきたした場合は病院を受診するようにしましょう。

予防のポイント

ポイント1

適度な運動

下肢の筋肉がつくとむくみにくい体質になります。ウォーキングやランニングなど、日々の適度な運動を心がけましょう。また、弾性ストッキングの使用も血液の流れを促進します。

ポイント2

塩分を控える

塩分の摂取量が多すぎると、むくみに直結します。心不全や腎不全がある人は必須ですが、持病がない人の場合も塩分を制限することは重要です。

ポイント3

アルコールを控える

アルコールを飲むと喉が乾き、水分を余分に摂ることによってむくみやすくなります。アルコールを飲む際は一度に多量を飲むことを避け、少しずつ飲むようにしましょう。


睡眠時間について

短時間睡眠についての某スレコメントの一部だが、なかなか示唆的なコメントもある。特にコメ1は面白い。体があたたまると言うか、脳が温まって活動し始めるのではないか。確かに、私も夏場は睡眠時間が短い(早く目覚めやすい)ように思う。
もうひとつの要因として、血圧と睡眠時間の関係をちゃんと調べると面白いだろう。高血圧というのは寝ている時以外は常に「臨戦態勢」であるわけで、高血圧の人はたいてい寝起きがいいはずだ。起きて即座に脳や身体が働く。低血圧の人の寝起きの悪さは有名だ。そして、寝起きがいいということは、いつも起きる時間になると身体が自然に「起きろ」というサインを出して活動し始めるわけで、寝た時の時刻と無関係に起床時間が決まっている。私の場合は、目覚まし時計をセットして寝ても、それが鳴る寸前に起きるのが常だった。体内時計で起床時刻が決まっていたのである。これが高血圧の人間すべて、あるいは大半に共通する特徴かどうかは分からない。





    1. 1 驀進する名無し 2019年07月19日 02:26 id:NjaSpYCI0
      夏場は朝に体があったまってしまうからなのか、すぐに目が覚める。だから夏だけ5時間前後やな。冬場はいくらでも眠れるのに
    1. 2 驀進する名無し 2019年07月19日 02:37 id:uEJOz4R70
      普段は4,5時間睡眠
      それでスッキリというわけではなく睡眠時間関係なく眠いから短くしてるだけ
      眠いので休みの日は14時間くらい寝る
      今も当然眠い おやすみなさい
    1. 3 驀進する名無し 2019年07月19日 02:48 id:A3ZGrNT00
      トイレに起きたらもう眠れん
      4時間で一区切りされる
      頻尿ってわけではないが絶対4時間で膀胱パンパンで眼が覚める
      仕事は頑張る
    1. 4 驀進する名無し 2019年07月19日 02:51 id:DqHcGIaU0
      酒やめたらそんなに寝なくてもよくなったわ
      こんな時間に起きとるくらいやし
    1. 5 驀進する名無し 2019年07月19日 03:02 id:oQRziYGV0
      習慣やろ、長い時間寝るほうが寝起きしんどいから
      4時間で起きるようにしてたら勝手にそのタイミングで目覚めるようになったわ
    1. 6 ななしさん@スタジアム 2019年07月19日 03:09 id:Hey9zUIl0
      放っておくと、10時間は軽く寝てる。
      身体にも良くないんだが…
    1. 7 驀進する名無し 2019年07月19日 03:13 id:suQfIkzy0
      >>3
      それがまさに頻尿よ
      あなたの膀胱はまだパンパンじゃない もっと溜められる子のはず
      膀胱を甘やかしていると「いつもすぐ出してくれるから、出してって言ってみよっと」ってな感じで合図が頻繁になる
      無理はよくないけど、我慢できるときは我慢することが大切
    1. 8 驀進する名無し 2019年07月19日 03:18 id:ZPW9MLTy0
      >>7
      横からだけど似たような症状だから参考になったわ
    1. 9 驀進する名無し 2019年07月19日 03:36 id:2rjy40BN0
      ショートスリーパーってみんなハゲてない?
    1. 10 驀進する名無し 2019年07月19日 03:51 id:A3ZGrNT00
      >>7
      なるほど膀胱が可愛く思えてきたよ
      そっか我慢か〜我慢自体は難しいかな…
      そもそもの生活習慣として酒を抑えたり睡眠前には水摂らないとかなにかしないといけないかな…
      まずは寝酒を抑える意識を持って臨んでみるよ、水飲まないと起きた時喉カラカラで変な菌喉に居着きそうで怖いから
      返信してくれてありがとうね(^^)
  1. 11 驀進する名無し 2019年07月19日 04:04 id:nru0GO4h0
    ワイは学生の頃学校通いながらバイトをびっしり入れてた名残で2~3時間睡眠なんて時も普通に生活できるが
    これはもちろん体に良くないらしいし、無理矢理にでも時間が作れるならしっかり寝た方がええで

寝づらい時に頭(脳)を冷やすこと

寝るのにも体力が要る、と昔聞いたことがあるが、年を取ると眠るのに苦労するようだ。とは言っても、私の場合は、いつも寝る時間に横になると簡単に眠りには落ちるのだが、4時間くらいで目が覚めることが多く、起きても少々頭が重い感じで、寝た後の爽快感がほとんどない。これが睡眠の悩みだ。そして、本を読んだりテレビを見たりしているとすぐに眠くなるが、そういう時に寝床に入っても眠れない。まあ、隔靴掻痒という感じである。
おそらく、日中にほとんど体を使わないため、肉体的疲労が無く、そのため「体は睡眠の必要性を感じていないが、脳だけは必要としている」のだろうと思う。どれだけ寝れば、脳の回復に十分なのか、知りたいものである。私の予測では、深い眠りなら4時間くらいでいいような気がする。できれば、30分くらいの睡眠で済ませたいところだ。実際、「寝ている時間は死んでいるのと同じだ」、というのは私の若いころからの思想である。これはジェローム・K・ジェロームの「ボートの三人男」というユーモア小説の中に出てきた言葉である。

下のツィートは、「冷えピタを貼ることで脳の活動を抑える」というのが合理的に思えるので、メモした。動物の冬眠というのも、脳の活動を低下させないとできないだろう。冬眠している間、脳がフル回転していたら、おちおち寝ていられないわけだ。すべて活動というのは熱による分子の活発化だ、と仮定したら、頭を冷やせば脳の活動も低下する可能性は高いのではないか。
怒っている人に「頭を冷やせ」と言ったり、「頭寒足熱」という言葉があったりするのも、昔の人の本能的知恵のような気がする。


以前、病院で「冷えピタ貼って眠るといいです。寝ているあいだに脳が動き過ぎているので」と言われたのを思い出し、貼ってみたら4時間は眠れるようになりました。不眠症で悩んでいる方におすすめ。冷えピタ。

癌と脳卒中とどちらがいいか

前にも載せたかもしれないが、「プレジデントオンライン」記事の一部である。
私の父方の家系は高血圧家系で、ほとんどが若いころから、あるいは中年以降はたいてい高血圧であり、脳梗塞や脳溢血で倒れたり死んだりした人間も多い。ところが、ひとりも癌になった人間はいないのである。つまり、高血圧と癌は両立しないのではないか(降圧剤使用者は別)、というのが私の説である。血圧が高いと、癌細胞が一か所に滞留して根を張るのが難しい、というのがその仮説の一部だが、いずれにしても癌患者で高血圧でもある人間は案外少ないのではないか、と予測している。
では、その仮説が正しいなら、A:癌で死ぬ B:高血圧(脳卒中など)で死ぬのとどちらを選ぶか、という問題になる。
私は、癌治療もいやだし、癌によるQOLの低下もいやだから、即死できるなら脳卒中による死を選びたいが、脳梗塞の半身不随で長々と生きる可能性も高いわけで、やはり交通事故などによる即死が一番いいかな、と思う。







「(降圧剤で)がんになりやすくなる」

脳出血が減ったのは、人々の栄養状態がよくなったからだ。細胞を丈夫にするコレステロールの摂取量が増え、血管が破れにくくなっている。それなのに「血圧が高いと脳卒中になる」という思い込みだけは昔のまま。

「脳梗塞とは、血の塊が脳の血管に詰まる病気です。血の塊を吹き飛ばすには、血圧を高くして血が勢いよく流れたほうがいいはずです」(松本医師)

しかし薬で血圧を下げているので、かえって脳梗塞を患う人が増えているのだ。浜医師も次のように警告する。

「体は酸素と栄養素を血液から得ていますが、それを取り込むためには一定の血圧が必要です。それなのに降圧剤で血圧を下げすぎてしまうと、それが取り込めなくなる」

さらに怖いのが、薬そのものがもたらす副作用だ。降圧剤には種類がいくつかあり、現在の主流は前出のARBやカルシウム拮抗薬だ。これらの薬剤には炎症を抑える作用がある。

「免疫反応は、病原体や体内にできた異物から体を守るための防御システム。炎症は、免疫反応の重要な要素で、体にできた傷を治す働きです。ARBやカルシウム拮抗薬は炎症を抑制するので、これを飲むと炎症が目立たなくなり、一時的に健康になったかのようにみえる。しかし傷を治すための反応が起きないということは、傷を放置しているということですから、いろいろと不都合なことが起きます」(浜医師)

その1つが「がん」である。

「がんとはいわば体内にできる異物。免疫が正常に働いていれば、仮にがん細胞が生まれても小さいうちに排除できる。しかしARBやカルシウム拮抗薬を飲んでいると免疫が抑制されてしまうので、がんになりやすい」(浜医師)

感染症が全身に広がって死に至る「敗血症」も、免疫不全によって起こる。さらには高齢者が血圧を薬で無理やり下げた場合、脳に栄養や酸素が行きわたらず、認知症になりやすいという説もあるのだ。

浜 六郎(はま・ろくろう)
医師、医薬ビジランスセンター理事長
1945年生まれ。大阪大学医学部卒。大阪府衛生部を経て阪南中央病院に勤務。97年医薬ビジランスセンター設立。2000年NPO法人認証。著書に『高血圧は薬で下げるな!』など多数。
 

松本光正(まつもと・みつまさ)
医師、サン松本クリニック院長
1943年生まれ。北海道大学医学部卒。医療生協さいたま浦和民主診療所勤務、同所長などを経て現職。著書に『高血圧はほっとくのが一番』『検診・手術・抗がん剤の前に読む「癌」の本』など。