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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

ドイツの大統領

国会の解散権を持つというのは結構大きな権力だと思うが、ドイツの大統領ほど影の薄い存在は無い。そして、解散権を行使したことはこれまで無いはずだ。何のために置いている役職なのだろうか。


  1. 竹熊健太郎《地球人》‏ @kentaro666 12時間12時間前
  1. ドイツ大統領は、儀礼的存在という意味で日本の天皇にも近いが、国会の解散権があり、議会によって選出され、5年の任期制があるから、もちろん天皇とは違う。
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  1. ナチスが政権を掌握する以前、ドイツはヒンデンブルグ大統領が任命する内閣により運営されていたが、ヒトラーはヒンデンブルグの死語、大統領と首相を兼任する総統になることで独裁者となった。ドイツの場合、大統領の政治権限を弱めることで、再び総統が生まれないようにしている。
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  1. 調べたら、ドイツの国家元首制度はナチスへの反省から、大統領は国家元首であるがその職権は儀礼的なものに限定され、行政権は内閣総理大臣に任されている。総理大臣は元首としての序列は三位(二位は連邦議会議長)なのだが、実際に行政権を持つため国際会議には首相が出席するのだな。
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  1. ドイツの国家元首は? と聞かれてメルケル首相と即答する人は多いと思うが、シュタインマイアー大統領、と答えられる人は少ないのでは。私も検索する前に名前が出てこなかった。
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権限と権原

メモである。「権限」と「権原」の違いもそうだが、「権利」と「権限」の違いも私はよく分からない。
私の印象では、「権利」とか「権限」と書くべきところを「権原」と書いている人が多いような気がする。つまり、そのほうが「法律に詳しそうに見える」からだろう。
下の「権原」の例も、「権限」の用例にしか見えない。
「植栽すること」が「権原」なのではなく、その行為を正当化する法律が「権原」なのではないか。



(以下引用)




「権限」 と 「権原」 の違いは?

「権限」は、広く用いられる法令用語で、国、地方公共団体、各種法人又は個人の機関(又は代理人)が法律上若しくは契約上なし得る行為の能力又はその範囲をいいます。
[例] 知事の権限に属する事務 代理人の権限

「権原」とは、ある法律行為又は事実行為をすることを正当とする法律上の原因をいいます。民法上、所有権者に対し、地上権・賃借権などを有する者の法律関係を表す場合の用語として多く用いられます。
[例] ある土地の上に樹木を植栽することは、植栽者がその土地の所有権者や
土地の利用権者(地上権者・賃借権者)の場合には、それは正当な権原である。

(追記)「権利」と「権限」の違いを説明した、次の文章の前半はよく分かる。しかし、後半は「本当にそうか?」という気がする。

「権利」とは、自分の利益を享受したり実現する手段としての能力・自由です。
「権限」とは、一定の立場にあることで、法・規則・契約などに付与される能力またはそれらの職権・権能の範囲です。

権利と権限の違いは、自分の利益のための能力か自分以外の人・組織の利益のための能力かの違いです。







「経常」の意味

単なるメモなのだが、私は「経常何とか」という言葉を聞くと、隔靴掻痒の感が起こるのである。何となく分かるが、自分が正しく理解していないだろうというのも分かるので、イライラする。
経常黒字とか経常収支とかいうのが、ただの黒字や収支とどう違うのか、説明を読んでも心底から納得し理解できた感じがしない。
とりあえず、「経常」の意味はウェブ辞書にはこうある。まあ、ある程度は分かる。1は漢字から推定できる通りである。2が世間で使われる「経常」だが、分かるような分からないような感じだ。「例年の会計年度で発生する」なら、「経常黒字」という言葉はおかしいのではないか。毎年黒字になるわけではあるまい。もちろん、それは意地悪い言い方で、「経常収支で黒字になった場合、それを経常黒字と言う」のだろうとは分かる。さらに言えば、「例年不変の会計勘定項目を前提とした勘定の仕方」が「経常何とか」の意味だと思う。


経常

出典:『Wiktionary』 (2012/02/13 05:22 UTC 版)

名詞

けいじょう

  1. 常に一定の状態で継続して続くこと。
  2. 会計例年会計年度発生すること。

関連語

翻訳





コリオリの力

前の記事に関連して「コリオリの力」の説明である。まあ、ベクトル(力の平行四辺形)の物理版だ。
我々自身はまったく意識していないが、我々は地球の自転と共に、もの凄い速度で空間を移動しており、その力(慣性力)を絶えず受けているわけである。その所持する物体も同様だが、その物体は我々の手を離れた途端に我々の体とは無関係に、地球の自転の力を個別に受け、物体が投棄されたその速度と地球の自転の力との両方の力を受ける結果、極方向に投棄された物体の進行方向は力の平行四辺形によって右に曲がるわけである。

(以下引用)

 地球の自転のもう一つの証拠は、地球では運動している物体に対してコリオリの力(転向力)というものが働いて、北半球では運動している物体が進行方向に対して右へ右へと曲げられていく(南半球では左へ左へと曲げられていく)という現象である。これも、理解が少し難しい。

 いまV2という速度(速さと向きを考えた量)で動いている電車の中から、電車に対してV1という速さでボールを投げる(本当にやってはいけない)。ここでは簡単にするために、電車の速度に対して直角方向に投げているが、本当はどの向きにボールを投げても、V1とV2が作る平行四辺形の対角線の向きに斜めに飛んでいく(地上から見た場合)。これは力の平行四辺形と同じである。

 ここで、平行して同じ向きに同じ速さで等速直線運動をしている2台の電車を考える。下図の下の電車の速度VT2>上の電車の速度VT4とする。いま、下の電車のAから上の電車のBに向けてボールPを投げる。ボールはつねにAの真ん前を飛んでいき、ある時間後にはP’に到達する。しかし、目標であったBはまだB’の位置にまでしか来ていない。ここで、電車の姿やまわりの景色はまったく見えず、電車が動いているときの振動もなく、目標のBだけしか見えないとすると、ボールPを投げた人にとっては、なぜか目標であるB(B’に移動している)にボールが当たらず、ボールは目標の右に自然にそれてしまったように思えるだろう。

 逆に、上の電車Dから下の電車Cに向かってボールを投げても、Dにいる人にとってはボールは目標であるC(C’に移動している)には当たらず、同じように目標に対して右にそれることがわかる。

 地球を下の図のような円盤として考える。地球の自転による回転の距離の大きさ(つまり速さ)は赤道で最大、北極に向かってだんだん小さくなり、北極で最小(0)になる。だから上の図のように、赤道から北極向かってボールを投げようが、北極から赤道に向かってボールを投げようが、いずれにしても目標に向かってまっすぐには飛んでいかず、なぜか右へ右へと曲がっていってしまうことになる。

 このように、回転している地球の上では、物体の進行方向を曲げようとする力が働いているように見えるので、これをコリオリの力(転向力)という。でも、これは“本当の力”ではなく、どのような立場で運動を見ているか、その立場の違いで生ずる“見かけの力”なのである。ここではそれについては深入りしない。コリオリの力の大きさの見積もりは下を参照

 コリオリ:フランスの物理学者(1792年~1843年)。

 ともかく、実際地球上で、例えば運動場でボールを思いっきり投げても、そのボールが必ずすべて右へ右へと曲げられていくことはない。もし、日常生活でもコリオリの力の影響が見えるなら、古代の人も地球の自転に気が付いていただろう。コリオリの力は、気象現象(高気圧・低気圧の風など)の大規模なスケールでないと、その影響が見えてこないのである。

 低気圧の渦が、北半球では必ず左巻き、南半球では必ず右巻きになるのは、コリオリの力のせいである。これは今日では、気象衛星の写真を見ると一目瞭然であり、これこそが地球の自転の証拠なのである。高気圧・低気圧などの風の吹き方はこちらを参照。どのような場合にコリオリの力の影響が現れて、どのような場合は無視できるかは下を参照

大気の大循環

ネットの、たぶん高校地学学習用サイトだと思うが、最近の気象状況を考察するための基本確認のために転載しておく。



1.大気の大循環と地球の自転

 地球のエネルギー収支をみると、赤道付近で熱の供給過剰、極地方で放出過剰となっている。そこで、熱が余っている赤道付近から、熱が足りない極地方へと熱が移動する。それを担う一つが大気である。もし地球が自転していないとすれば、それは単純に赤道で上昇して極で下降する大気の対流となる。地上では極地方から赤道に向かって吹く風、すなわち北半球では北風、南半球では南風となる。

 しかし実際には地球は自転しているのでコリオリの力が生ずる。このために対流は3つのセルに別れてしまう。

 まずコリオリの力の弱い程度では、赤道で上昇し、中緯度で下降する比較的単純な対流になっている。これをハドレー循環という。この対流により下降気流が降りてくる場所が亜熱帯高圧帯であり、雲が発生しにくいので、そこに陸があると砂漠地帯になっている。両半球の亜熱帯高圧帯から赤道に向かって地上を吹く風は、コリオリの力によって北半球では北東の風(北東貿易風)、南半球では南東の風(南東貿易風)となる。貿易風は太平洋の東側、大西洋でははっきりしているが、太平洋の西側、インド洋では季節風により乱されている。

 両半球の貿易風が衝突するところが熱帯収束帯である。熱帯収束帯は夏には北半球より、冬には南半球よりになる。この熱帯収束帯のとくに海上では大規模な積乱雲が発達しやすい。また、台風が生まれる場所でもある。下の衛星画像では熱帯収束帯上に並ぶ積乱雲を見ることができる(夏なので赤道より少し北側。小笠原近海には台風も見える)。

 帆船時代には、この安定した貿易風を利用して大洋を横断していた。なお、貿易風(tradewind)の“trade”は貿易ではなく、「ネットで百科@home」(日立システムアンドサービス)によると、「trade の本来の意味は〈道〉 〈通り道〉 であることから,繰り返し往復しよく知られている航路のことになり,転じて,このようなことが可能になるほど,一定の方向に吹く風のことを trade wind と呼ぶようになったものである。」とある。


2005年6月28日03時(世界標準時)の気象衛星ひまわり6号の画像
気象庁:http://mscweb.kishou.go.jp/panfu/general/outline/image/gms6.htm

 

 中緯度ではコリオリの力が強くなり、上図のようなはっきりとした対流(フレネル循環)というよりは、大きな蛇行した西よりの風(偏西風)として動いている。これをロスビー波という。高緯度側から低緯度側に向かって吹くときは冷たい風として、低緯度側から高緯度側に吹くときには暖かい風となっている。中緯度ではこのロスビー波、さらにそれに付随する渦である低気圧や高気圧によって、低緯度から高緯度へと熱が運ばれている。

 中緯度の偏西風と、極から吹いてくる冷たい東よりの風(極偏東風)が衝突するところには前線が生じて、低気圧が発生しやすい。とくに大陸が少ない南半球では、南緯40°から60°あたりはいつも天気が悪く暴風圏ともいわれる。

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2.ジェット気流

 ハドレー循環の中緯度側の上空では強い西風が吹いていて、これを亜熱帯ジェット気流という。

 これは低緯度では小さい風速でも、緯度が高くなると地球の自転が遅くなるので、その差の分だけ対地球(地面)の速さが速くなるのである。例えば赤道での地球の自転の速さは40000kmを24時間で1周=1700km・h-1(460m・s-1)、北緯30°では35000kmを24時間で1周=1400km・h-1(400m・s-1、北緯30度では赤道での速さのcos30°=0.87倍)である。赤道上空で(の対地速度が)1m・s-1の弱い西風でも、その空気塊はもともと地球と一緒に動いているので、北緯30°にまで北上すると地球の自転の速さの差(この場合は60m・s-1)だけ速くなる。つまり、61m・s-1の猛烈な風となってしまう。

 もう一つ、中緯度上空のロスビー波の圏界面付近でも強い西風が吹いている。これを寒帯前線ジェット気流という。寒帯前線ジェット気流は偏西風の蛇行に従って大きく蛇行している。また、冬に強く、夏にはやや弱くなる傾向がある。

  亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流が合流して一本のジェット気流になることもある。また季節によって大きく南北に移動する(北半球では夏に北よりに、冬に南よりになる)。また、ジェット気流は低気圧・高気圧梅雨などとも関係が深い。

 亜熱帯ジェット気流も寒帯前線ジェット気流も、ちょうど長距離の航空機がとる高さに近い。すなわ西から東に飛ぶときはできるだけジェット気流を利用するように、逆に東から西の飛ぶときはできるだけジェット気流を避けるようにした方がよい。このジェット気流のため東京-福岡便は20分程度、東京-ハワイ便は行きと帰りで2時間程度の差ができる。