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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

俳句の「音数破壊」行為(承前)


もっとも、そういう、突っ込みさせつつセルフ納得もできる「微妙な線」を狙うのはなかなか難しい。だから、それを実現させるために作者は2つほど仕掛けをしてる。

一つは「真っ赤な夏の花」だ。これ、普通なら夏に咲くそ花の名前を入れる部分だよな。たとえば朝顔ならアサガオ向日葵ならヒマワリ……だいたい花の和名なんてそんな長いものじゃない。少なくともただ花それ自体を指すのに9字も使うのって、俳句始めたての人の句なら真っ先に直されそうな部分だ。でも、その上でだ。聞いてみるけど、この花何だろうな? 日本の、ハイキングで行くような野山に、真夏に「真っ赤」な花なんて咲いてるか? あとで「たつ」という言葉がある以上、人の背丈程度には高さがあってすっと伸びた草花だ。さて何だろう? 作者の答えは「知らん!」だよ。知らないから「真っ赤な夏の花」なのだ。おいおい、そりゃねえだろ、と読者に突っ込ませておいて、そこで作者はぬけぬけと「だからここで飯にするんだ、悪いか?(ニヤリ」とやってくるわけだ。無責任適当にやってるように見せながら計算もあり、でも基本的楽天的天衣無縫な語り口の句だ。それが初句の「のんびり」加減と相まって、この句に独特の雰囲気を醸し出していることは否定できない。なんだったらここで笑い出しちゃうような面白みがある。

二つ目は「佇つ」だ。学のある人をこれで引っ掛けようという腹だ。この字、音数から考えれば「たつ」と読ませているのだろう。だがこの字に原則として「たつ」の読みはない(少なくとも家にある広漢和辞典(全四巻)でみる限りはない)。一般的な読みは「たたずむ」で、じーっと立っている、という意味だ。「たつ」に宛てたのは、その意味を合わせて感じさせたかたからであろう。花はいつまでもじーっと立っているのだから人間が「立つ」のと同じ字でない方がいいんじゃありませんか、というか、「佇む」には途方に暮れて立ち止まる、みたいなニュアンスも漂う。何か、その夏の花が所在なくじっと立っているので、仕方なくしばしのひと時を一緒に過ごす、みたいな感じだ。なんだろう、ひょっとしてこの「真っ赤な夏の花」というのは、山道を歩く途中で一緒になった、真っ赤なサマードレスを着た女性か何かの比喩なんではないだろうか、みたいな、そんなちょっと色気みたいな解釈深読みが(実際、俳句読みはその手の暗喩創作をよくやる)この「佇」一字から立ち上ってくるのである。そうなると、花の名前が特定できなかったことも、何だかそのための仕掛けであるようにすら見えてきて、うーん、と悩まされるのだ。当然、そこまで考えての、このルール違反用字である

結果、山歩きの途中花の下で飯食うかあ、というだけの句が、俄然ストーリー性、物語性、ロマンスの色彩まで帯びてくる。が、もちろん現実にはそんなことはないのであって、実際ただ飯をくっただけなんですけどねー、という緩い種明かし(そもそもそんなロマンスが勃発したら俳句なぞ作っている暇はないので)を前提に、その幻想を楽しむ、そんな句ということに落ち着くわけだ。

そんな風に、この俳句はなかなか外連味(けれんみ)のある、仕掛けとイメージてんこ盛り、物語調の俳句で、実に面白いと言えば面白い、一般的俳句の目指すところとはちょっと外れた句だ。一般的俳句もっと、瞬間的、即物的、断片的に風景を切り取るのが基本なので、まあ普通は「季語感情」でつくるとこから始めるのが適切だろう。この句も、山道で赤い花に出会った瞬間の感情を句にしてると言えなくもないが、それにしてはいろいろな仕掛けが人を食っていて、また、無用物語調で独特だ。一般的俳句なら、たとえば「握り飯ハイビスカスの色に染む」とかでいいわけだが、この句はその瞬間の風景以上に、遊び、のんびり感、山道を歩いてきてよいしょと腰を下ろすそのしぐさ…からああ花がきれいだな、という一連の感情を全てこの一句に込めようとしてるのだ。これを17字でやるのは、本来かなり無理筋なので、普通はもうちょっとワンショットに切り分けようとしたりするか、あきらめて短歌にいくかするだろう。その無理をやってる(そして、そこそこ成功もしてる)のがこの句の面白いところで、たぶん短歌増田が感心したところなんじゃないか

まあ、こういう句、狙って作るのはなかなか難しい(ちなみにこの作者・中村草田男は、こういうのをやたら作るのだが、ひどい失敗も多いので有名な人だ)。そういう意味でも、まあなかなかない句ではあると思う。あと、何も知らずにいろいろ書き飛ばしたので、もっと知ってる人から突っ込み入れてもらえたら感謝する。

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俳句の「音数破壊」行為

「増田匿名ダイアリー」記事で、かなり俳句を理解しているコメンターのようだ。まあ、セミプロ級だろう。
で、私はこの俳句、やたらに気取っていて気持ち悪いと思ったのだが、中村草田男の句だと知って驚いた。ど素人の作だろうとばかり思ったが、この句の「仕掛け」の説明を、下のコメントで読んで、なるほど、「悪達者な句」だと理解した。

要するに「ここで昼餉。真っ赤な夏の花立つ(元の句では「佇つ」)ゆえ。」という2文を俳句にしたわけだ。それを「5、7、5」の区切りで読むと非常に気持ち悪いリズムになるのが、私がこの句を「気持ち悪い」と感じた理由だろう。
ちなみに、最初は字余りの6音だとしても、次を「7,5」で読むと「真っ赤な夏の・花佇つゆゑ」となり、「真っ赤な夏」とは何だよ、と私なら怒りたくなる。つまり、あらゆる意味で俳句の「5・7・5」という大原則への反逆であり、この程度の内容の俳句でそんな大それたことをするというその図々しさに呆れる。これが西東三鬼の「算術の少年忍び泣けり。夏」なら、ただただ凄いと思うのだが。(つまり、最後の「夏」の一語で、小さな家の小さな部屋の片隅で泣いている小さな少年の姿から、世界が「夏」一色に広がるわけだ。)

(以下引用)長い文章なので、2回に分ける。

anond:20240506115921

ここで俳句解説するとボロクソ言われるのが落ちなので、リアル相談した方がいいよ。

…というのは、俳句は滅茶苦茶コンテクスト文脈)に依存する芸術からだ。短歌31文字が対決的な文化(歌合せとか)を成立させてきたように「向き合う他者」に言葉を届ける能力もつのに対して、俳句は仲間内のような座の中で成立してきたように「コンテクストを共有する仲間」の間で盛り上がるタイプの道具であり、背景となる文化文脈を共有していないことが多い現代社会特にネット上)では、説明したところで、「そうとは限らないのでは?」みたいな突っ込みが山ほど入るのが目に見えてる。「なんでそう言い切れるの?」「必ずしもそうとは限らない」etc……いやうるせえわ。俳句ってそういうモンなんだから仕方ねえだろ。

それを踏まえた上で、可能な限りの解説をするぞ。長いので暇人向けだ。ちなみに、調べて作者名見て「あー」(嘆息)と声が出そうになってあと調べるのはやめた、から、ほぼ推測のみで書く。まあ、ちょっと古い昭和俳句だわ、くらいに思いながら聞いてくれ。ちなみに、俺はこの句、一読して「短歌的な俳句だ。それだけに、短歌増田が感心したのは分かる」と感じた。俺自身は、こういう俳句は作らないと思う。理由は後述する。

「ここで昼餉(ここでひるげ)」

初手から6字で字余りだ。字余りについては今更説明しないが、基本的にはあんまりやらない。なぜなら、基本的にはリズムを壊したり重たくしたりしてしまうからだ。わず17字でつくる詩で、およそ1/3のリズムが崩れかねないというのは、かなりオソロシイことだ。逆に言えば「その危険を押してでもやりたい」と作者が判断したときだけ、リスクを背負ってやる。素人にはあまりお勧めしない手法だ。さて、作者はわざわざ字余りをして、「さあ、この辺(の場所)で昼飯にしようかな」というメッセージを伝えているわけだ。何とも人を食った話だが、昼飯の場所が決まっていないということはこの人が日常の中にいるわけではないことを暗示してる。まあ、単に定年で暇になって毎日あちこち公園やらデパートやらで飯を食ってる爺さんという可能性もゼロではないが、後で出てくる夏という季節にそんなことをする爺さんもあまりいないだろうから、ここで作者はそれなりに若く、夏の最中に野山を歩き回っていると推測される。これで一気に「作者の年齢、場所、状況」に関する情報が得られるのだから、字余り使った値打はあると言えばあるが、それ以上に作者がここであえて句のリズムをもったり重たくさせたのは、「いい年したおっさんが夏の昼間にハイキングしてる」という「のんびり感」を演出しようとしたためであるかもしれない、とも推測される。その意味では、この初句、のんびりして見えて人を食ったような、それでいて計算もあるやり手の初句だ。ちなみに、この初句、体言止めで切れる。俳句はやはりどこかで「切れる」ことが推奨されるが、それは句の焦点をはっきりさせるためだ。句切れの前に焦点があるか、後にあるかはケースバイケースだとしても。

ただ、それにしても「ここ」が山とか自然の中、は分かったが、どんな場所なのか、また、ここで昼飯にしようと思ったのはなぜか、作者はいまどんな気分なのか、とかは分からない。それは、続く部分で種明かしされる。(よって、ここでは句切れの後、つまり「種明かし」パートが句の焦点だと考えられる。)

「真赤な夏の/花佇つゆゑ」

最後に「ゆゑ(故=理由)」とあるが、普通に考えたらこれまた俳句では普通やらないおきて破りである。句の中でこういう「理由の明示」みたいなこと、ダメだろ普通。なぜかというと、基本的にカッコ悪いからだ。たとえば「閑けさや岩にしみいる蝉の声」を、「蝉の声岩に染むゆえ閑かなり」とかやったら、なんかいろいろ台無しだろう? ネタ晴らしというかなんというか、たとえそういう意図を込めていたとしても、言わずにそこを感じさせて感心させるところがさあ、まあ句の仕掛けなんだから、答え言っちゃったらもう何かダメじゃね?とふつうはまあ思うんだよ。でもこの句はもう少し進化した句で、理由を言っちゃった上で「え?それが理由になるん?」と読み手に突っ込ませることを狙った作品なのだな。突っ込みさせた上で、「え……理由…?………になるんか、…ならんこともないか、うーん、なるほど」みたいな。最初のんびり路線がここで効いてくるわけだ。作者は「それが理由なん?」という突っ込みに対して"のんびり"という姿勢をとることで「それが理由ですが、何か?」と返してきているわけだ。そうやって自信満々に言われるとなんかこっちが間違ってる気もするし、そう言い切られたらそうかなあ、と少し納得感がないでもない……と思わされた時点でもう作者の術中に落ちているのだ。この作戦、小難しく解釈しようとする人であればあるほどハマる。

(続く)

囲碁のルール

全部コピーできるかどうか分からないが、いずれ参考にするために保存する。




【画像】囲碁、めちゃくちゃわかりやすいゲームだったwwwww

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1: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:21:56.07 ID:CGPzUaY80
これがわからんやついるとか嘘だろ?
no title



2: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:22:08.78 ID:CGPzUaY80
>>1
これに勝てないやつとかいないよな?
https://puyogo.app/



193: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:39:20.69 ID:oHSVRPcU0
>>2
AIに全消しされたんやが



199: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:39:41.63 ID:Wd21Cljz0
>>2
これ15回目くらいで勝てた



4: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:22:39.52 ID:2tgPzUQr0
全然わからん



6: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:22:53.88 ID:CGPzUaY80
わかりやすい
no title





16: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:23:52.88 ID:I89UoiNy0
>>6
どっちが勝ってるのかさっぱりわからない



19: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:24:23.03 ID:CGPzUaY80
>>6をわかりやすく可視化するとこうなる
no title




28: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:25:15.98 ID:2tgPzUQr0
>>19
んでどっちが勝っとるんや



36: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:26:16.23 ID:CGPzUaY80
>>28
黒の2目勝ちや



33: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:25:35.96 ID:rQYfzAT20
>>19
左下黒の塊って白で囲われてるから白の領土ちゃうん?




42: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:27:10.31 ID:CGPzUaY80
>>33
その内側で黒が生きてるから黒の領地や



47: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:27:25.33 ID:rQYfzAT20
>>42
なんでや囲ったら勝ちちゃうんか



81: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:29:50.59 ID:rQYfzAT20
>>47
誰かこれに答えろ



90: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:30:42.71 ID:CF0YQqKzM
>>81
黒は白がどうやっても目が二個できて生きて取れないから黒の領地や



97: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:31:28.58 ID:rQYfzAT20
>>90
中にある白2つは関係ないんか?



これマジ?
めっちゃ流行りそう



8: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:23:13.13 ID:7xLzYje+0
じゃ端から並べってたらええやん



9: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:23:13.97 ID:xBFaAgkYM
同じように黒に囲まれてるのに安泰なやつと青ざめてるやつがいるのがわからん



13: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:23:33.35 ID:wdrXAkIL0
>>9
これ




17: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:24:01.36 ID:CGPzUaY80
>>9
お目々が2つあると絶対にとられない無敵の状態になるんや
左上の白はそれ




32: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:25:34.58 ID:vc9ZXR7a0
>>17
絶対目の部分に白がいた方が強いじゃん、おかしいよこのゲーム



41: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:26:53.36 ID:CF0YQqKzM
>>32
全部囲まれたら取られるんや
二個目があると絶対に全部囲まれないから究極相手の陣地に侵入して二個の目作るゲームや



50: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:27:40.90 ID:Mul2HJe80
>>32
目は空気穴だから無いと死ぬ



24: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:25:04.03 ID:CGPzUaY80
>>9
no title

基本的に囲碁において石は眼(空間)を2つ持たないと最終的に取られてしまう
○で示した地点が眼を作るための重要点

no title

ここに相手に先行されてしまうと、もう眼を作ることはできずその時点でジエンドとなってしまう

no title

しかし眼が2つあると、打てない地点(着手禁止点)が2箇所できるため
相手はそれ以上ダメを詰めることができず、絶対に取られない最強の石となる



116: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:32:59.53 ID:xBFaAgkYM
>>24
なんとなくわかるけど最終的にどこが生きててどこが死んでるのか分けようとしたとしても分けられる気がしないわ…



12: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:23:32.86 ID:rAcIaXRS0
わからん



14: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:23:35.94 ID:od9oa2ts0
わかりづらすぎて草



15: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:23:39.28 ID:FbomIQBia
プロもイマイチ理解してへんらしいな



18: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:24:22.74 ID:PGvsdAAT0
抽象度が高すぎる



20: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:24:27.02 ID:YVtPeQaRd
もうぷよぷよの方が分かりやすいじゃん



21: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:24:40.59 ID:KSHhm89Q0
生き死にすらよくわからん



25: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:25:09.76 ID:jH/cShn9M
見てる分には結構おもろい



26: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:25:10.08 ID:54AGobvN0
ようはオセロやろ?



27: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:25:15.50 ID:od9oa2ts0
そもそも切れるとか切れないの話より先に二眼の概念説明せなあかんやろ



30: 以下、ニュー速クオリティでお送りします 2022/03/06(日) 00:25:26.00 ID:Ubth3oCJ0
ルール覚えてから何してるか理解するまでに時間がかかりすぎる

水彩画での光の表現

水彩画での「光の表現」についてはネットでもいろいろあるようだが、そのひとつを転載する。
私の苦手な具象画だが、「にじみ」を活かすなどは私の素人絵と共通している。

1:はっきりとした光は「黄色」を使う。
2:「青」、または「赤を混ぜた青」で影を与える。
3:「白」でハイライトを作る。

といったところがポイントだろうか。(一番最初の白黒コピーが一番、光が表現されているのが皮肉だがwww)
ただし、私の主張する「絵の楽しみ」は、こうした「プロ的技術」などまったく知らなくても、色を塗るのが面白ければ十分という思想である。そして、「失敗というものは存在しない」と考えればいい。描く時間など、1分でもいいのである。

(以下引用)

センスを磨く 12の描き方 透明水彩+アクリルガッシュ ~ハイライトを効果的に活かす 光の表現~

2018年07月09日 | 一日教室

皆さま、こんにちは!

2日間降り続いた大雨が嘘の様な快晴です。

本日は、丁寧&親切な指導でご好評を頂いております、渡辺 聡先生の「センスを磨く12の描き方」をレポート致します。

講師の渡辺 聡先生です。宜しくお願い致します。

 

本日の受講者は、7名さま。

 
(講師 「都会の夜景」作品)

 

 


(参考資料)

 

 

 白黒コピーの資料を使い、トレースしていきます。

「細かくトレースする必要は、ありませんよ。」と渡辺先生。

この段階では、文字や看板などは、無視して進めていきます。

 

 

 「私、建物が苦手やから、デッサンするねん。」とデッサン力をつける為、フリーハンドで描かれる方も。

 

 


(講師 参考作品  )

 必要な物だけ描かれた先生のトレースです。

 皆さんのトレースが出来上がりました! 

 

 「サイジング技法」として、紙をたっぷり水で濡らします。

机が水でベタベタになる位で良いそうです。

 

 渡辺先生のデモンストレーションが始まりました。

始めに、建物、空、道路の部分を水彩絵具を使い、濃淡のブルーで表現します。

「にじみを作っていきましょう!」と渡辺先生。

 


(デモンストレーション 講師作品)

 この段階まで、進めます。

 

 道路&空の部分を薄いブルーで描いていきます。

「グラデーションを入れても良いですね。」

透明水彩の「にじみ」の部分を最終的に「どこまで残すか?」が問題です。

建物部分は、中心より左側を暗く、濃いめのブルーをのせ、この段階で、立体感が出てきました。

建物と建物の関係性を考えながら描いていきます。

 



今回、2回目のデモンストレーションが行われました。

皆さん、先生の筆さばきを見ながら、説明を聞きながら、熱心にメモを取っておられます。

渡辺先生の講座では、先生との距離が近く、積極的に質問をされたり、皆さん仲良く和気あいあいです。

 


(講師 デモンストレーション 作品)

 

 

 紙が乾いたら、その都度、水で画面を濡らします。

 

 

 窓の光、車など、明るい部分を黄色で描いていきます。

光が感じられ、にじみがキレイですね。

 

 「手早く描く!筆3本持ち、早描きの技」を実践されておられます。

紙の表面が乾いてきたら、常に画面を大きめの平筆で濡らし、「にじみ」を作り、影を描き・・・と大忙しです。

 

 

 明るいネオンや建物の光の部分を黄色、オレンジ、赤、紫など鮮やかな色で描いていきます。

 

 「めっちゃ、脳みそ使うわ。」と受講生。

「あまり混ぜすぎないで、丁度良いところで止める事が肝心ですよ。」と渡辺先生。

 

ウエスで色調や濃度を整えます。

 

 

ひとサイズ細い筆を使い青で「はっきりした影」を強く描きます。

 

建物の下の暗い部分の細いラインを暗い青で描きます。

「暗い青を作るには、青に暗めの赤を混ぜると良いでしょう。」と渡辺先生。

 

水彩を使用した部分の「にじみ」がキレイですね。

アクリルでは、表現出来ない水彩ならではの表現です。

今回のテーマ「ハイライトを活かす効果」として、

①弱い効果の白 ②強い効果が出る白 2種類を使い分けます。

 

白が、かすれる感じに入れていきます。

いよいよ完成!です。点描写で「白」のハイライトを入れることで、明るい画面が出来上がりました。

力作揃いの作品が出来上がりました。

皆さまの作品をご覧ください。

 

「にじみ」が効果的な作品ですね。

 

夜景の光が感じられます。

「具が多すぎて、山盛り!大変やったわ~。」と受講生。

2種類の特性の違う絵具を画面上で使い分け、内側に内側に層が出来、徐々に夜景らしくみえてくる作業。

「印象的な看板や文字をつい、描きたくなってしまいますが、絵の中の模様として捉える必要がありますね。」と渡辺先生。

作品のバランスを取るには、「描き過ぎてはいけない!」

本当に、本日の講座は、「盛り沢山!」

皆さま、お疲れさまでした。

 

素人が絵を描く楽しみ

私はもともと不器用で、そのうえ脳梗塞の後遺症で利き手に鋭敏さが無い。
ということで、そういう人間が、絵を描いて楽しいのか、という疑問を持たれそうだが、それが楽しいのである。で、それにはコツがある。これは、多くの人に知ってもらいたい秘訣である。

1:「図」を書くな、「絵」を描け。言い換えれば、「鉛筆」でデッサンなどするな。最初から絵筆で描け、ということだ。これをさらに言い換えれば、

2:具象画を描くな、「抽象画」を描け。である。これを言い換えれば、「線を描くな、色を塗ることを楽しめ」であり、さらに「筆のかすれや色むらも味わいだと思え」である。さらに、

3:立体を描こうとするな、「平面」だけで表現しろ。である。立体表現というのは玄人のやる事であり、素人には困難で、失敗すると意気阻喪する。そういう「難しいことはやらない」のだ。

まあ、こんなところである。ここで書いたことは「水彩画」が主な場合だが、それは、水彩画、あるいはインク画というのが、色が画用紙の上で自然に混ざった時に「面白い効果」を出しやすいからだ。つまり、「半分は偶然に任せる」のが私の絵画心得である。ここにこういう色をこういう形で置いたら面白いかな、と思えば、そうしてみる。あまり上手く行かなくても、かまわずに、別の色をその傍に置いてみる。すると、前の絵具と浸透し合って面白い効果が出たりするのである。
色を使わなくても、画面の上に黒い絵具を様々な濃淡で置いた(筆を走らせた)だけでも面白い効果が生まれるのである。
色と色の相互浸透をより面白くするために、画用紙に霧吹き(百均で手に入るし、化粧品などの空きスプレーでもいい)で霧を吹いておくのもいいし、あるいは絵具やカラーインクを画面に置いた後で霧を吹いてもいい。後者は、色が飛散して面白い図形ができる。

こういう「絵を描く遊び」は、小学校や中学校の図画工作の授業で教えたらいいと思う。何しろ、そういう授業では「具象画」しか教えないし描かせないが、具象画ほど難しく、優劣がはっきりしているものはないからだ。自分の下手な絵を見て自分の絵の才能に絶望した子供は膨大にいるだろう。そしてそういう子供は絵を描く面白さとは生涯無縁なのである。