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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「濃厚接触文化」の起源

「ナショナルジオグラフィック」記事で、この会社は科学的記事の取材を名目としたスパイ活動をしていると私は見ているが、時々面白い科学記事を書くことはあるし、素晴らしい写真撮影技術を持っているのは良く知られている。


(以下引用)


感染の原因、私たちはなぜ知らない人と握手するのか?

平和の意思表示? 細菌を共有できるほど相手を信頼している証という説も

2020.03.18
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紀元前9世紀、バビロニア人と握手をするアッシリア王シャルマネセル3世をかたどったレリーフ。握手は古代の美術品にたびたび登場するモチーフだ。(PHOTOGRAPH BY DEAGOSTINI, GETTY)
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 私たちははるか昔から、友情を示したり、商取引を成立させる際に、握手やキス、ハグをしてきた。ただし、他人に触れるという行為は、不適切なものも相手に伝えてしまう。

 新型コロナウイルスの感染者が増えるなか、フランスでは国民的な習慣となっている頬へのキスを当面控えるようにとの警告が発せられた。世界中のビジネスの場では、握手のかわりにひじをぶつけ合う挨拶が採用されている。

 知らない人と触れ合うこうした習慣は、いつどのように始まったのだろうか? かつての感染症の流行の際に変化はあったのだろうか?

 握手の起源として有力な説は、平和の意思表示として始まったというものだ。互いの手を握るという行為は、武器を手にしていないことの証になり、その手をゆさぶることで、相手が袖の中に何も隠していないことが確認できる。

 世界各地に残る古代の壺や墓石、石版などには、数多くの場面で握手のモチーフが登場する。結婚の場面はもちろん、神々の契約、戦士が戦いに赴く場面、死者が死後の世界に到着する場面にも、握手が描かれている。文学作品である『イーリアス』や『オデュッセイア』にも登場する。

 一方で、握手はその万能さゆえに、描かれている場面の解釈が難しくなる。「握手は今日でも人気のあるモチーフです。現代人もまた、握手を複雑かつあいまいなものだと感じているからです」。美術史家のグレニス・デーヴィズ氏は、古典美術における握手の使われ方についてそう述べている。

数千年前から、握手はさまざまな目的のために用いられてきた。写真は遊説中に支持者と握手を交わすロバート・F・ケネディ上院議員。(PHOTOGRAPH BY BILL EPPRIDGE, THE LIFE PICTURE COLLECTION/GETTY)
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 米国で握手が広まったのは、18世紀のクエーカー教徒の影響が大きいと思われる。階級や社会的な序列に関係なく振る舞おうとしていた彼らは、当時一般的だったお辞儀や帽子を脱ぐといった仕草よりも、握手の方が挨拶としてより民主的だと考えた。

「クエーカー教徒は仲間内で握手を習慣としており、それを今日の私たちと同じように、地位に関係なく誰にでも用いるようになった」。歴史家のマイケル・ザッカーマン氏はそう書いている。


 握手が廃れない理由を科学的に説明しようとする試みもある。2015年、イスラエルの研究者たちは、数百人にのぼる見知らぬ人同士の握手を撮影するという実験を行い、参加者の4分の1近くが、握手の後で手の匂いを嗅いでいたことを発見した。これについて研究者らは、握手は人間が無意識のうちに化学信号を検知するために行っている行為であり、他の動物たちが互いの匂いを嗅ぐのと同じ、コミュニケーションの手段なのかもしれないとの仮説を立てている。

 挨拶としてのキスにも、同じく豊かな歴史がある。キスは初期キリスト教に取り入れられ、宗教儀式の中で用いられた。「『ローマ人への手紙』の中で、聖パウロは信者たちに『きよい接吻をもって、互いにあいさつをかわしなさい』と命じている」と、アンディ・スコット氏は自著『One Kiss or Two: In Search of the Perfect Greeting(キスは1回、それとも2回:完璧な挨拶を求めて)』に書いている。中世において、キスは忠誠のしるしとして、また財産の移譲などの契約を結ぶために用いられた。(参考記事:「なぜ男は“ウェット”なキスをするのか」

 フランス語で「ラ・ビズ(la bise)」と呼ばれる頬への軽いキスは、現在、世界のさまざまな地域で定番の挨拶となっている。「ビズ」の語源は古代ローマにあると言われる。ローマではキスの種類によってそれぞれ個別の呼称があり、比較的穏やかなキスは「バシウム(basium)」と呼ばれた。パリでは、頬へのキスの回数は2回が一般的で、プロバンス地方では3回、ロワール渓谷では4回となる。頬へのキスはエジプト、ラテンアメリカ、フィリピンなどでも普及している。

 14世紀のペスト流行の際にラ・ビズの習慣は廃れ、復活したのは400年後のフランス革命の後だと考えられている。2009年にも、豚インフルエンザのせいでラ・ビズは一時的に行われなくなった。2020年2月末、コロナウイルスの拡大を受けて、フランス保健相はこう呼びかけて挨拶のキスを控えるよう求めた。「社会における物理的接触を減らすことが求められており、これにはキスの習慣も含まれます」

 ロンドン衛生熱帯医学校の行動科学者、ヴァル・カーティス氏は自著『Don't Look, Don't Touch(見るな触るな)』の中で、挨拶としてキスや握手が行われる理由のひとつとして、細菌を共有できるほど相手を信頼していることを示すというものが考えられると書いている。だからこそ、公衆衛生上の懸念事項がある時期とない時期に応じて、こうした習慣は流行したり、廃れたりするわけだ。(参考記事:「ペットとのキスはどれほど危険なのか?」

 看護師のリーラ・ギブン氏は、1929年に学術誌『American Journal of Nursing』に投稿した研究において、腕を高く上げて指を軽く触れるそれまでの挨拶が廃れ、握手が好まれるようになったことを嘆いている。ギブン氏は、握手が容易に細菌を拡散させることを示す過去の研究を引用しつつ、手は「細菌の媒介者」だと警告した。

 この研究の結論としてギブン氏は、友人と挨拶を交わす際には、当時の中国人が挨拶に用いていた自分の両手を組み合わせる仕草を勧めている。「そうすれば、少なくとも自分の持つ細菌を自分のもとから出さずに済みます」と、論文にはある。

参考ギャラリー:新型コロナ、非常事態ベネチアの厳しい現実、写真7点(画像クリックでギャラリーへ)
ベネチアのリアルト橋を消毒する作業員。前日の20年3月10日、イタリアのコンテ首相は新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、イタリア全土に移動制限を適用するという先例のない措置を宣言した。(PHOTOGRAPH BY STEFANO MAZZOLA, AWAKENING/GETTY IMAGES)

文=NINA STROCHLIC/訳=北村京子









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「健康的な生活」と脳梗塞

前にも載せたかもしれないが、作家山本弘の脳梗塞闘病記の最初のあたりだ。
要するに、完全に健康だった人間(書かれていないが、血圧も当然正常範囲だっただろう。)が、突然脳梗塞に襲われる、という話で、それなら高血圧の治療に何の意味があるかというと、医者によれば「脳梗塞などの可能性を(確率的に)下げる」というわけだ。そのエビデンスもある、ということだろう。
だが、私としては、正常血圧の人間も脳梗塞になる、という一点だけで高血圧治療を拒否したくなるのである。
なお、「物忘れ」は脳梗塞の前兆というより、既に脳梗塞になっていたということだと思う。いわば「微弱脳梗塞」とでもいうようなのが「物忘れ」なのではないだろうか。加齢とともに、その種の「微弱脳梗塞」が何度も発生し、その中で大きなものが手足の麻痺などとして表れるのではないか。
とにかく、どんなに健康的な生活をしていても脳梗塞になる可能性はある、というのが下の手記から分かる。だからと言って健康に努めるのが無駄というわけではないが、やたらと心配して好きなものも食わずあれこれ節制するのは、人生そのものを無駄にしているとすら思う。
ちなみに私は昨年軽い脳梗塞になったが、それを機に喫煙を再開し、酒も飲み続けているwww 
あと数年の命だとすれば、禁酒禁煙する意味などない。

第4話 前兆・その1

 僕がこんな事態を招いたのには、何か決定的な前兆があったのだろうか。

 僕は数日に一度、美月の帰りが遅い日など、自宅での一家団欒の夕食をあきらめ、外食で済ませている。だが別に暴飲暴食をしているわけじゃない。近所のラーメン屋や鉄板焼の店、あるいはコンビニで売っている夜食ぐらいのものだ。

 普通の日は家で食べている。普段食べないような豪勢な食事なんて、月に一度くらい、東京に行ったときに食べるささやかなご馳走ぐらいのものだ。(秋葉原の『肉の万世』のロブスターは特にお気に入り)

 妻はかつて、僕がポテトチップスを食べるたびに渋い顔した。塩分の取りすぎだと。確かに一袋に一グラムの食塩は多すぎる。最近、僕はその悪癖をあらため、いっぺんにポテトチップスを食べないことにした。

 甘いものが昔から好きだ。医師から血糖値が高いとよく警告されていた。だが常人に比べて何倍も高いわけじゃないし、血糖を抑える薬も飲んでいる。何にせよ、いきなり破滅的な影響が出るとは考えにくい。

 それに僕は酒も煙草もやらない。信じられないほど健康な人間のはずなのだ。僕より不健康な暮らしをしている人間はいくらでもいる。

 しかも僕は、今年の一月、吹田市の国立循環器病研究センターで、レントゲン、CTスキャン、MRIなどで徹底的に検査を受けた。脳などの機能に異常がないことを確認してもらうためだ。

 そう言えば、テクネシウムシンチという珍しい検査も受けた。テクネシウムという特殊な放射性元素を血管に入れ、詳しく調べるものだ。テクネシウムの半減期はきわめて短く、たった一日で使えなくなってしまう。シンクロトロンなどで作ったものを運んできて、その日のうちの使い切るのだそうだ。そんなに半減期が短いということは、たちまち他の元素に変わってしまうので、安全なのだ。

 しかし、テクネシウムシンチを行っている部屋に気になるところがあった。部屋の入り口には「RI室」と書いてあるのに、RIとは何の略なのか書いてないのだ。ラジオアイソトープ(放射性同位元素)の略に決まってるのに。

 それに看護婦が血管に注射する時に、「お薬の注射を入れます」としか言わなかった。世の中には科学にうとい人もいる。「放射性同位元素を入れます」と正直に言うと、不安に思う人もいる。それを警戒したんだろう。

 僕みたいに、『日経サイエンス』を毎月読んでいて、テクネシウムシンチなんて言葉を知ってる人間の方が少数派だろう。放射線は大量に浴びると危険だが、X線など医療に用いる程度の量なら心配はいらない。僕などはむしろ、あまり聞いたことのない珍しい元素を体内に入れられると知って、わくわくしてしまったのだが。

 何にしても、精密検査では何も発見されなかった。

 脳梗塞は医師にも予知できない突然の出来事だったのだ。

 だが、僕にもある種の予兆はあった。あとから思い返すと、不気味な前兆は数ヶ月前から忍び寄っていたのだ。

 このところ妙に物忘れが多いということは、内科の診察でも訴えていた。日常生活でふと固有名詞が出てこないことがあるとか、小説を書いていて登場人物が思い出せなくなるとか。

 それ自体はたいしたことじゃない。誰でも日常生活でよくあることだし、分からなければ、ネットで検索するか、自分の小説なら過去のデータを読み返せばいいことだ。だがやけにその件数が増えてきていることが気になってはいた。

 小説家は頭が資源だ。何か頭に重大な異変が生じている前兆ではないのかと疑ったのだ。

 だが医師は僕の訴えを無視した。「年を取ると忘れっぽくなるもんですよ」と。

 そして体調に異変が生じた。

 身体に生まれた異変の最初のものは、異常な疲労感だった。その日の執筆の仕事が一段落し、仕事場のマンションから帰ると、なぜか奇妙に疲れている。二階への階段を昇るのさえ一苦労で、時には最後の数段を這い昇らねばならない時もあった。

 イベントで東京に行った時のこと。会場がやけに狭い階段で、三階まで昇ったところにあるのだが、僕はノートパソコンもっていったせいで、情けないことに途中でギブアップ、パソコンをスタッフの人に運んでもらったことがある。

 ひどい恐怖を味わったこともある。台風の近づいた風の強い日のことである。たまたま近所を歩いていた僕は、吹きすさぶ強風になぜか歩調を合わせ、風に合わせて全力疾走していることに気付いた。

「ちょっと待て!   僕は何で風に合わせて走ってるんだ!?」

 わけがわからなかった。しかし、危険な行為であるのは確かだ。通行人にぶつかったら怪我を負わせてしまうかもしれない。僕はただちに風に立ち向かうのをやめ、自宅に帰ることにした。

 この謎はしばらく解けなかったが、後になって病院でリハビリを受けるようになって判明した。両足の機能が麻痺し、リハビリをしなくてはならなかったのだが、その際、気がついたのだ。悪くなった脚は、常識とは逆に反射的に小股になり、歩調はそれに合わせて速くなるという事実に。

 つまり、風に強く吹かれた際に、僕は悪くなった脚に負担をかけまいと、自然と歩調を風に合わせて歩くことにしたわけだ。もちろん、歩調を風に合わせて速くするのにはそれなりのエネルギー消費がともなうのだが、当時の僕の無意識にとっては、身体に無理をかける行為を何より嫌ったのだろう。

 今になってみれば、あのおかしな不条理な行動は、身体の異変に僕の脳が先回りして気付いていたことの証明である。全身の機能が麻痺しはじめていることに。

 脳はしばしばその人自身が気付かないことに気付く……それは僕が自作『僕の光輝く世界』で書いたことである。しかし僕自身がそれを理解していなかった。僕は脳が発していた異変の前兆を無視したのだ。

 いやまったく無視していたわけではない。僕が前述の国立循環器病研究センターで精密検査を受けたのも、度重なる異変が何か兆候ではないかと危惧したからだ。だが最先端の医療設備でも、何もおかしな点は発見できなかったのだ。

高血圧の人向けの酒とつまみ

これは、ついでに、という感じだが、酒は毎日のように飲むので、私には重要事項である。
私は何となく最近は赤ワインか日本酒中心で、プチトマトをつまみのひとつにしていたが、虫の知らせだったかwww


(以下、引用先は同前)


「血圧」を適正化させる“酒”と“つまみ”(2)日本酒が血管を若返らせる

 では血圧を急変動させないためには、具体的にどんな種類の酒を選ぶべきか。秋津医師は語る。

「先にも触れたように、酒を飲めばいったんは血圧が下がります。でもこれは一過性のこと。長期にわたって飲み続ければ、やはり動脈硬化は避けられません。飲むのなら、動脈硬化を予防するポリフェノールが多く含まれる赤ワインなどを選ぶほうがいい」

 1992年、フランスのセルジュ・ルノー博士が、大量に脂肪食を摂取しているにもかかわらず、フランスでは心臓病やガンによる死亡率が他国に比べて低い理由は、国民が多飲する赤ワインの中に含まれるポリフェノールに抗酸化作用と血液凝固抑制作用にあることを発表。赤ワインは一躍注目されることになった。

「赤ワインを飲んだからといって動脈硬化が治るわけではありませんが、赤ワインは酒の中でも動脈硬化を抑える成分が多い。あとはアミノ酸を含んだ日本酒。これも同様に動脈硬化予防作用が期待できるので、飲むのなら蒸留酒よりも醸造酒のほうがお勧めです」(秋津医師)

 滝澤医師も「アミノ酸をたっぷり含んだ『天之美禄』である日本酒が一番」と断言する。

「日本酒を飲むと、他の酒類を飲んだ時より長時間体温が2度ほど高い状態が続き、皮膚表面の血液循環がよくなる。頬がほんのり染まってくるのは、末梢神経が広がり毛細血管の働きが活性化するからです。また日本酒には15%程度のアルコールとアミノ酸、糖分、ビタミンなど120種類以上の栄養物質が含まれていますが、中でも3大栄養素のひとつであるアミノ酸には血管を拡張させる作用が。アミノ酸が2〜10個程度つながったペプチドは血圧を降下させる作用があります」

 人間は血液により脳細胞や心筋へ栄養物を供給しているが、年を取ると血液の溶解作用が弱まり、血小板が凝集することで血栓ができる。結果、血液の輸送を阻害してしまうのだ。

 日本酒には血栓を溶解する酵素であるポリフェノールやウロキナーゼ、プラスミノーゲンなどが含まれているので、血液をサラサラにしてくれて血圧の急変動も防ぐ。だから、動脈硬化の防止に効果的なのだという。

「動脈硬化を引き起こす大きな要因のひとつが、動脈内壁に沈着した悪玉コレステロールの酸化です。日本酒に含まれるポリフェノールには悪玉コレステロールを酸化させないビタミンCやE、グルタミンなどの抗酸化物も多く含まれています。つまり、日本酒を飲んでいれば、血管も『ほろ酔いついで』に若返るというわけです」(滝澤医師)

 ただし、空腹での飲酒は血圧を急変動させる呼び水になるので注意を。胃が空っぽだとアルコール成分が胃で急速に吸収され、血中アルコール濃度が急上昇。肝臓での分解が追いつかなくなると血圧が大きく変動し、悪酔いの原因にもなるのだ。

 ならば、この目線で「つまみ」にもこだわってみよう。

 酒のつまみと言われて、まず思いつくのが、この季節なら枝豆だ。枝豆のたんぱく質にあるメチオニンはアルコールの分解を助け、肝機能の負担を軽くする。

 さらに枝豆は、高血圧の原因となるナトリウム(塩分)の排出を助け、利尿作用を促すカリウムを多く含んでいる。血圧適正化の意味において、実に理にかなった食べ物と言えよう。できればお皿に山盛りの量を用意しておきたい。

 加えて、栄養満点でアルコール代謝にも絶大な効果を発揮するのがトマトだ。ある実験では、酒を飲んでいる時にトマトを摂取することで、アルコールの代謝に関わる酵素が活性化し、体内アルコール濃度や体内にとどまる量が抑えられることが明らかになっている。つまみとして楽しむのはもちろんのこと、トマトジュースをチェイサーにしてみたり、焼酎割りで楽しむのもアリかもしれない。

 あるいは、お酒の前にコンソメスープやポタージュスープを飲んでおくと、血圧の急変動を抑えてくれる。自動販売機やコンビニなどで缶入りの温かいスープを手に入れておくといいだろう。

指圧をする際の注意

同前。

(以下引用)



血圧の新常識「腎臓さすり」で血圧を正常化する(3)8割以上は自力で治せる!

 時間も金もかからず、道具を使うことなく、誰でも手軽にできるセルフ・ツボマッサージ。しかし、だからこそ注意しなくてはならない点もある。そのひとつがツボへの圧のかけ方、つまり力の入れ具合だという。

「背中をマッサージする場合、拳に力を込めてグリグリと圧をかける人がいますが、あれはお勧めできません。特に腎臓というのは毛細血管がたくさん集まっている、とてもデリケートな臓器ですから、さすって温かくなるくらいで大丈夫。まずは乱暴に扱ってはいけない、ということを覚えておいてください」

 また、多くの読者がおそらくよかれと思ってやっているであろう、入浴中のマッサージも避けるべき、と指摘する。

「実はお風呂の中では、水圧と温度によって心臓に想像以上の負担がかかっています。そのため、若い人ならともかく、中高年が風呂の中でマッサージをしていると心臓が悲鳴を上げて血管がプツリ、なんていうこともあるので要注意です。風呂の中ではのんびりリラックスして、風呂から上がって汗が収まったあとにマッサージするほうがいい。体も清潔になって、よりリラックスできるはずです」

 ふくらはぎをマッサージする場合も、足首から上といった流れを無理に意識せずとも、全体に軽く揉んでやればいいのだという。

「血流を促す場合は下から順に上げていったほうが効果的ですが、揉みほぐすということを考えた場合は、特に上下の流れを意識しなくても大丈夫。力の入れ方はちょっと痛い、という程度がベストです」

 福辻氏が言うには「揉みほぐす」という行為は「太陽と北風」の話と同じで「これでもか!」とやればやるほど、余計ほぐれなくなるものなのだという。

「よくマッサージで『強めにやってください!』と言う方がいますが、あれは単に満足感を得るだけで、残念ですが効果としてはあまり期待できません。本来、ほぐすというのは優しく、少しずつ行っていくもの。グイグイやれば、逆に筋肉は『負けるものか!』とばかりに反発するので、優しくゆっくり揉んでやるほうがいいんです」

 こういった腎臓を元気にするマッサージを続けることで、しだいに腎臓機能が回復すれば血圧も安定。降圧剤の世話になることもなくなるだろう。

「誰でも年を取れば動脈硬化で血圧が高くなるのが当たり前。しかし基準値に引っかかったという理由で出された薬を飲んでいると、副作用で本来の体が持つ自浄力がなくなってしまいます。私の持論は、高血圧の8割以上は自分で治せる、ということ。先天的な高血圧症ではなく、途中から血圧が高くなった場合は必ず下げられます。体が柔らかければ、そこを通る血管が圧迫されることはないのですから、体をほぐせば血圧は安定、正常化するのです」

 百聞は一見にしかず。今日からさっそく、腎臓に効くツボマッサージを始めてみよう!



腎臓強化の指圧法

同前。
ちなみに、耳マッサージをする前に私の血圧が(204/141)だったが、マッサージ4分後に計測すると(150/134)になっていた。これは驚異的である。下の記事が信頼できることはほぼ確実だろう。ただし、その後にまた耳マッサージをしてみると、再び上が200台に戻っており、低い血圧が維持されるわけではないようだ。耳マッサージだけでなく、その他の指圧も含めて、腎臓を強化する必要があるのかと思う。指圧の効果自体は信頼していいのではないか。特に手足の小指周辺のツボと腎臓が関係があるのは、確実だと思う。老化とともに私の足の小指に力が入らなってきたのは、腎機能の低下と同期していると私は見ている。


(以下引用)


血圧の新常識「腎臓さすり」で数値を正常化する(2)血圧に効く9つのツボとは

 東洋医学では、体には「経絡」という生命エネルギーの通り道が張り巡らされていると考えられる。そこには多くの「ツボ」が点在しているため、そのツボを刺激することで、機能回復に効果があるとされる。

 ならば、腎臓を元気にしてくれるツボを知れば、怖いものなし。さっそく福辻氏に、肝となる「9つのツボ」について解説してもらうことにしよう。

【背中周辺】

<1>腎兪(じんゆ):ウエストのくびれの高さで、背骨から3センチほど外側に左右ひとつずつある腎臓に直結するツボ。腰痛を緩和させるツボとしても知られる。

<2>志室(ししつ):「腎兪」から指2本分外側に左右ひとつずつあるツボ。指圧すると腎兪よりも強い刺激を感じる。

<3>京門(けいもん):志室から指2本分外側で、肋骨の下あたりにある、代表的な腎のツボ。

「これらのツボをピンポイントで指圧してもかまいませんが、正確な場所がわからないという場合は『腎臓さすり』がお勧めです。これは実に簡単で、1日1回腎兪のツボがあるあたりに手のひらを当てて、上下左右に30秒ずつさするだけです。冷えに弱い腎臓を直接刺激することで血流がよくなり、腎機能の働きを高めてくれます」

 さする時には皮膚をこするのではなく、ツボに圧をかけるように行うのがコツ。「気持ちがいい」と感じる程度の圧力でさすり、ぽかぽかと温めるといい。

「『腎臓さすり』は腰部の血流をよくするので、腰痛や肩こりの改善にも効果的。疲労回復、冷え性の改善にも効果があるので、ぜひ試してみてください」

【足】

<4>至陰(しいん):足の小指外側のキワにあるツボで、冷え性改善にも効果的。

「やり方は『至陰』のツボに人さし指を当て反対側を親指で挟み、5〜6回圧を加えるだけ。小指を挟む時に『ハァ〜』と息を吐き、息を吸いながら緩めるのがコツです」

<5>膝

東洋医学では膝を冷やすと「腎」も冷える、とされている。

「座っている時には特に足の血行が悪くなるので、座り仕事が多い方は時々膝の周りをさすったり、布をかけるなどして冷やさないように心がけましょう」

<6>ふくらはぎ

血液の7割が集まるとされるふくらはぎは、「第二の心臓」とも呼ばれる重要な部位でもある。

「ふくらはぎは血液を心臓に送り出すポンプのような役割をしているのですが、実は足首からふくらはぎ、さらに膝裏までの間には腎臓と深い関係を持つツボが並んでいます。足首から膝裏までをゆっくり揉みほぐして血流を促しましょう」

【手】

<7>小指

小指には心臓と小腸に関わりを持つ2本の経路が通っている。そのため、小指を刺激すると腎臓の働きにもよい影響を与えてくれるのだとか。

「やり方は簡単で、指の先端から付け根に向かって5〜6回揉みほぐすだけ。場所を選ばずにできるマッサージなので、仕事の合間にやってみてください」

<8>手首

 手首を温めると体全体が温まるといわれるが、逆に手首が冷えると、腎臓も冷えやすくなる。

「手首を回す場合は、手首を温めるように手のひら全体を使い、揉みほぐしましょう。それだけで、すぐに体全体が温まるはずです」

【耳】

<9>耳全体

 耳にはたくさんのツボが集中していることはよく知られている話だが、

「耳というのは健康のバロメーターで、東洋医学では腎臓を耳とたとえて、肝臓は目、肺は鼻、心臓は舌としています。腎臓の形と耳の形を見比べるとよく似ているでしょう。大きな耳は腎臓が元気な証拠、ふくよかな耳は健康・長寿を表しているんです」

 では、耳が小さい人は短命の危険性が?

「いやいや、心配には及びません。実は耳というのは軟骨なので、引っ張っていれば、しだいに大きくなるものなのです。だから、耳が小さい人は頑張ってどんどん大きくしたほうがいい。そうすれば、必ず腎臓にもいい影響が出るはずです。ウソだと思ったら、耳を引っ張る前の血圧と、引っ張って少したってからの血圧を比べてみてください。後者のほうが、血圧は下がっているはずです」