忍者ブログ

独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

年齢と血圧






日本高血圧学会のガイドラインでみる血圧の正常値

引用データ:血圧の年齢階級 | 政府統計の総合窓口(e-Stat)


血圧の正常値を平均して日本で発表している公的な所は「日本の学会」と「人間ドック協会」の僅か2ヵ所になります。 2021年現在ではどちらも、血圧の正常値の標準は上記の表にのように「収縮期が140未満」且つ「拡張期が90未満」と定めてあります。 この基準が医学的に根拠があるかどうかは長年言い争っていてはっきりしてなかったのですが、最近になって欧州やアメリカも「収縮期が140未満」の基準を採用し始めたので世界的にも統一見解になってきたようです。

少し前までは年齢別の血圧の正常範囲の目安として、「自分の年齢+90」以下であれば大丈夫と言われていました。 加齢とともに血管が硬くなり肺活量も落ちて70代や80代になると数値が上がるのも普通ということでしたが、最近は一律で基準を設けるようになりました。


 高血圧はなぜ怖いのか?|国立循環器病研究センター

20代の血圧の正常値

2014年政府調査 20代の血圧

数値分布率割合
至適血圧 120/80未満 69.2% 正常
95.2%
正常血圧 130/85未満 15.8%
正常高値血圧 140/90未満 10.3%
Ⅰ度高血圧 160/100未満 3.4% 4.8%
Ⅱ度高血圧 180/100未満 1.4%
Ⅲ度高血圧 それ以上 0.0%

20代の血圧の正常値の範囲は年齢別に関係なく収縮期で140未満になります。 無作為に抽出された政府統計の資料で2014年データで20代の分布になり95%の人が許容範囲内に収まっております。 以下、30,40,50,60代の数値になりますが、40代までは各項目に大きな変化はなく緩やかに推移していきます。

30代の血圧の正常値

2014年政府調査 30代の血圧

数値分布率割合
至適血圧 120/80未満 64.0% 正常
89.7%
正常血圧 130/85未満 16.9%
正常高値血圧 140/90未満 8.8%
Ⅰ度高血圧 160/100未満 9.1% 10.3%
Ⅱ度高血圧 180/100未満 0.9%
Ⅲ度高血圧 それ以上 0.3%

30代の血圧の標準正常値で治まっている割合は約90%と高い数値になっています。 この統計で既に病院の薬を服用している割合は0.3%と30代では病院に通われている人は予想より少ないことになります。 30代になると仕事や生活習慣の違いによって個人間の数値に差が出てくることもあるようで、特に自宅での食生活における塩分摂取量が大きく左右されるようです。 重要なことは普段の日常生活で自分の数値を早期の30代から気に掛けることになります。

40代の血圧の正常値

2014年政府調査 40代の血圧

数値分布率割合
至適血圧 120/80未満 39.0% 正常
82.2%
正常血圧 130/85未満 26.3%
正常高値血圧 140/90未満 16.9%
Ⅰ度高血圧 160/100未満 9.4% 17.8%
Ⅱ度高血圧 180/100未満 5.1%
Ⅲ度高血圧 それ以上 3.3%

40代でも思った以上に血圧の正常値に収まっている年齢別の割合が82%と高くなっています。 既に降圧剤の薬を病院で服用している人の割合はまだ低く5.3%です。 公表されている政府統計資料では病院の降圧剤を服用後の数値になっているので、上記の表では仮に飲まなかった場合の数値を想定して服用中の人は「プラス30mmHg」して計算して表にしてあります。 40代では、血圧の正常値(140mmHg以上)を超えている70%の人は病院の薬を飲んでない統計結果になるようです。

50代の血圧の正常値

2014年政府調査 50代の血圧

数値分布率割合
至適血圧 120/80未満 22.4% 正常
58.2%
正常血圧 130/85未満 21.2%
正常高値血圧 140/90未満 14.6%
Ⅰ度高血圧 160/100未満 22.0% 41.8%
Ⅱ度高血圧 180/100未満 9.1%
Ⅲ度高血圧 それ以上 10.7%

40代から50代になると一気に血圧の正常値に入っている年齢別の平均の割合が低下します。 正常値が82→52%なので多くの人がこの期間に数値が少し上昇するのが統計データでも分かります。 医学が発達する前の昔は「人間の寿命は50年」と言われてましたが、数値と寿命は大きく関係するようです。(後述で日本の平均寿命について)

病院で処方される降圧剤を飲んでいる割合は50代では18.4%となっております。 40代の層と比較すると急激に増えて元の3倍以上になった計算です。 この年齢になると何らかしらの小さい病気で病院に行く機会が以前より増えて血圧の正常値を自然と管理することが多くなるからなのでしょう。 50代では推奨値(140mmHg以上)を超えている55%の人が未だ降圧剤を故意に飲んでいない計算になります。

60代の血圧の正常値

2014年政府調査 60代の血圧

数値分布率割合
至適血圧 120/80未満 11.5% 正常
39.4%
正常血圧 130/85未満 13.8%
正常高値血圧 140/90未満 14.1%
Ⅰ度高血圧 160/100未満 24.8% 60.6%
Ⅱ度高血圧 180/100未満 10.3%
Ⅲ度高血圧 それ以上 25.4%

60代での政府統計の血圧の標準の正常値に収まっている人は39%になりました。 他のサイトの資料等を見ると30%を切るデータが多いですが、理由としては1つは年々高齢者の平均が低下してきて過去の古いデータを参照している可能性があること。 もう一つの理由が、政府統計データは無作為に抽出したものですが調査対象の人数が1,000人と僅かだったのでずれがある可能性があります。 180以上の割合が多いのは計算上で降圧剤を飲んでいる人は、プラス30にして飲まなかった場合を想定して作ってあります。 60代で降圧剤を続けて服用している人の割合は35%の計算になり約3人に1人ということになります。

 血圧を下げるツボ【耳・手・足】7個所の押すポイント

後期高齢者(75歳以上)の場合

75歳未満では血圧の正常値の基準はどの年齢層でも同一でしたが、75歳以上の高齢者は特例を設けております。 基準としては、150/90未満と収縮期が10mmHgだけ寛容になっております。 2017年に医療従事者向けに発刊された高齢者血圧ガイドラインでは、忍容性があれば140mmHgから降圧剤の使用開始をしても良いということです。 忍容性とは、患者自身が薬の副作用に耐えれる基礎体力があるかどうかの判断になります。 後期高齢者になると様々な病気が起きる可能性があるので、一概に血圧の正常値を適用するよりは患者さんの優先順位を考えた対処が重要という事です。

降圧剤を飲み始める基準のガイドライン

血圧の正常値を超えてた場合に直ぐに病院の薬を飲み始める訳ではありません。 上記の表は日本学会のガイドラインで、病院の医師も上記の基準で薬を飲まないかを勧めてくると思われます。 数値だけでなく「糖尿病」「喫煙」「肥満」「家族歴」「65歳以上」「腎臓病」などの当て嵌まる危険リスクと両方で考えて「低」「中」「高」の三段階で評価します。 低リスクの場合は3ヶ月間血圧を正常値に近づける運動や食事療法で努力をしてそれでも140以上だったら医師と相談して薬を飲み始めるという決め方です。 医師と相談して早急に降圧剤を飲み始める必要がない場合は患者さんの自己判断に委ねられることが多いようで、しばらく様子見になることが多いです。

血圧正常値は脳卒中の発生率と関係がある

国立研究開発所のデータで、過去に脳卒中を1回でも起こした人の要因を様々な人的影響を除去した場合に、血圧の正常値が一番大きな引き金だったとの発表です。 二位が喫煙、肥満・糖尿と続きます。 この開発所では脳卒中の発生する血圧の正常値の標準ラインとしては「上が160以上」であれば病院の降圧剤を飲んだ方が死亡リスクが低いという研究結果になっています。 上が150くらいなら薬を飲まない方が良いという事になります。

年齢別の血圧の正常値の平均を今までの表を見ても分かりますが加齢とともに平均値が上昇していて、脳卒中のリスクが高まっています。 純粋に数値だけでなく、様々な要素の総合点でリスクを足し算して計算することで、今後10年で自分が脳卒中になる確率を求めることもできます。 女性よりも男性の方が危険、喫煙していてリスクが高いのは女性になります。

 最低血圧が高いことが病気の原因ではないが頭痛は危険信号

血圧が異常値になるとでる主な症状は頭痛

一番多く見受けられる血圧が正常範囲を超えて180以上の異常値になって起きる代表的な症状は、激しい頭痛と吐き気になります。 頭痛も「ズキズキ」したものが多く血管が圧迫された状態に起きるもので、トイレでの排出のときなどにも急にあがり頭痛がすることが多いです。 危険な血圧異常での症状の頭痛で、後頭部をバットのようなもので殴られた痛みの場合は、くも膜下出血や脳梗塞の危険性があるので救急車を呼ぶようにしましょう。

血圧が年齢別の正常値を超えて異常値になると、急に脳梗塞になる訳ではないですが、高いまま放置することで突然死するリスクが健常者より大幅にアップします。 脳梗塞の前触れの症状は「手足のしびれ」「ろれつが上手く回らない」「頭痛」などです。 140以下が血圧の正常値ですが、異常値の症状を気にするよりは毎日計測して数字を頭の中で把握して管理することが重要で、細かく手帳を付けましょうと医師にもアドバイスを受けるものです。

PR

水道水の急速ろ過システムの危険性

「ナカムラクリニック」氏のNOTEの一節である。

(以下引用)

細谷さんの話
「昔、神戸は水のおいしい町として知られていました。神戸港に入港する外国船は、神戸港に着岸する前に船内タンクの水をすべて捨てたものです。なぜか分かりますか?新たに神戸の水を補給するためです。世界中の港を渡り歩く船乗りですから、彼らは神戸の水のおいしさを知っていたんですね。しかし今や、そんなことをする外国船は皆無です。水道のろ過方式が変わって、水がまずくなったからです。緩速ろ過方式から急速ろ過方式になりました。急速ろ過は、比較的狭いスペースで大量の水道水を作ることが可能ですが、大量の薬品(塩素、アルミなど)が使われます。そのため、かつて世界有数のおいしさだった神戸の水は薬品くさくなり、船乗りから見向きもされなくなりました。
急速ろ過になったのは、何も神戸だけではありません。今や高層ビル群が並び立つ六本木ヒルズや新宿都庁近辺には、かつて緩速ろ過の水質処理場がありました。緩速ろ過は水道水を作るのに時間がかかるし、処理場に広いスペースが必要です。経済能率を優先する人たちにとって、緩速ろ過システムは目障りでした。そこで、水のおいしさを犠牲にした急速ろ過システムが全国的に普及するようになりました。
私は愛知県豊橋市に住んでいますが、豊橋の水は緩速ろ過です。当然おいしいですし、残留塩素やアルミも少なく健康にもいいです」

画像2

小野さんは水道水や簡易型浄水器について、いくつかの簡単な実演をした。それは非常に衝撃的な実演だったが、詳細をここで書くことはできない。
しかし塩素の実験については紹介してもいいだろう。紙コップを二つ用意し、それぞれに水道水を入れる。一方の紙コップに指を入れ、10秒ほど指で水を混ぜる。その後、両方の紙コップに塩素を検出する試薬を入れると、指で撹拌した水はきれいなままだったが、指で混ぜていない紙コップの水は黄色っぽい色になった。
「試薬は塩素に反応して着色します。つまり、水道水には塩素が入っているということです。しかし10秒指で混ぜた水は、試薬が反応しませんでした。つまり、塩素がなくなったということです。塩素はどこに消えたのでしょう?無論、経皮吸収です。塩素は皮膚から簡単に吸収されます。一番風呂に入るリスクが察せられるのではありませんか?」

目にいい食べ物

視力が悪くなったり目が疲れたりすると、メガネやコンタクトレンズで矯正したり、
目薬を使うことは一般的なことですね。

でも意外なことに、目に良いとされる栄養は食べ物からも摂取することができるのです。ブルーベリーが目にいいという話もきっとご存知だと思います。
そこで今回は、目の健康と食べ物の関係についてお話します。



■1.偏った食事とダイエットで目が悪くなる


毎日がコンビニ弁当ばかりといった偏食をしている人や、ダイエットに熱心な 人がひどい疲れ目を訴えることがあります。 これは「栄養アンバランス型」ともいわれ、栄養不足が疲れ目の原因と なっているのです。 偏った食事や無理なダイエットをすると、ビタミン類が欠乏しやすくなります。 ビタミンが不足すると、目を始めとする体の機能にさまざまな不調が出てきます。

目にとって特に重要な栄養素はビタミンB群です。 ですが、この栄養素は熱に弱いので調理中にかなり失われてしまい、 お酒やタバコにも弱いのでとても欠乏しやすいのです。 また、インスタント食品やお菓子には含まれていないので、偏食の人は注意が 必要になります。

また、ビタミンAも大切です。ふつうの食生活を送っていれば不足することは まずありませんが、ダイエットをしている人は要注意です。
偏食やダイエットは体の健康を損ねる原因になりますが、目も同じことなのですね。 疲れ目やかすみ目で悩んでいる方は、一度自分の食生活を見直してみるのも いいことかもしれません。



■2.疲れ目を助けるビタミンB、ビタミンA


疲れ目に特に重要な栄養素がビタミンB群。
ビタミンB1とB2は、視神経の働きを高めて視力の低下を防ぐ役割をしており、 豚肉やサバ、玄米などに多く含まれています。 また、レンコンにも目にいいビタミンB1が含まれています。 しゃきしゃきとしたレンコンを噛むことで、顔や目の周りの筋肉もほぐれ、 疲れ目の強い味方になってくれますよ。



ビタミンB2は網膜の働きを助けて目の充血を解消したり、 視力回復にも役立っています。 こちらはレバーや納豆、卵や海苔などに多く含まれています。



B6は、目の調節機能をつかさどる水晶体と毛様体筋の主成分であるたんぱく質の 吸収に不可欠です。多く含まれるのは大豆や牛乳、サケ、サバなどです。



疲れ目、かすみ目が気になる人のお助け食材として、ニンジンもおすすめです。 ニンジンには、体内で必要に応じてビタミンAに変化する「βカロテン」が 豊富に含まれています。ビタミンAは毛様体の筋肉の弾力性を回復させ、 疲れ目やかすみ目などの改善に役立ちます。 カロテンは、油に溶けるビタミンで、油と一緒に摂取することで ビタミンAの吸収率がよくなります。 生だと1割程度の吸収率が、油で調理すると5~6割にアップするそうです。 ニンジンを食べるときには、ぜひ油料理に取り入れてみてくださいね。
他にも、ホウレンソウやカボチャなどにはビタミンAが豊富です。



忙しくてこれらの栄養を食事で摂れない場合は、サプリメントも活用したいですね。 また、眼科に行けば疲れ目の症状に合わせてビタミン剤も処方してもらえますよ。

下肢静脈瘤の治療法(一部)

こむら返りで目が覚めたついでに、ネットで調べたものを転載しておく。
こむら返りの原因として下肢静脈瘤(私も持っている)があるらしい。
また、原因として降圧剤(利尿薬)の副作用もあるらしい。

(以下引用)

4.下肢静脈瘤の治療方法
静脈瘤のタイプ・患者さんの状態によって異なる治療法。
下肢静脈瘤の治療には、大きく分けて “保存的治療”、“硬化療法”、“手術”、“血管内治療”の4つがあります。それぞれの治療にはメリットと注意点がありますので、静脈瘤のタイプや患者さんの状態によって適切な治療を選択する必要があります。
  • 保存的治療は、生活習慣の改善や弾性ストッキングなどで症状を改善したり、進行を予防する治療です。
  • 硬化療法は静脈瘤に薬を注射して固めてしまう治療です。
  • ストリッピング手術は、静脈を切除し、引き抜く方法です。
  • 血管内治療は低侵襲治療[※1]で、高周波(ラジオ波)またはレーザーを使用する血管内焼灼治療と、接着材(グルー)を使用する血管内接着材治療があり、日帰りで治療することができます[※2]
※1「低侵襲治療」とは?
手術・検査などに伴う痛み、発熱・出血などをできるだけ少なくする治療。
内視鏡やカテーテルなど、身体に対する侵襲度が低い医療機器を用いた診断・治療のことで、患者の負担が少なく、回復も早いと言われています。

※2 医師の診断によります。
下肢静脈瘤のおもな治療法
治療法 保険適用 治療費 治療に適した静脈瘤のタイプ
保存的治療 3000〜5000円
(弾性ストッキングの場合)
軽症例・手術後の再発防止
硬化療法 約5000円 くもの巣状・網目状・側枝型
ストリッピング手術 約3万5000円 伏在型
血管内治療
(高周波・レーザー)
約3万5000円 伏在型
血管内接着材治療 約4万5000円 伏在型
※3割負担の場合の自己負担額の目安です。(日帰り治療の場合・医療機関によって異なります。)
手術や薬を用いない「保存的治療」
手術や薬以外の治療法を保存的治療と呼びます。下肢静脈瘤の症状をやわらげたり軽症例の進行を予防するために、生活習慣を改善したり、弾性(着圧)ストッキングを着用しますが、他の治療と異なり根本的な治療ではありません。
運動・マッサージなどによる生活習慣の改善
下肢静脈瘤は、静脈弁が壊れて血液が重力に逆らって心臓にうまく戻らなくなる病気です。したがって、長い時間立っていると症状が強くなり、病気が進行しやすくなります。1ヶ所に長時間じっと立っているのは避け、できるだけ歩き回ったり、1時間に1回程度は休憩をとるようにしましょう。パソコンなどの作業で、椅子に長時間座ったままもよくありませんので、足首の運動をしたり、足台で足を高くするようにしましょう。お風呂で足のマッサージをしたり、就寝時に足を高くするのも効果的です。
足のむくみを改善する運動・マッサージ(足の静脈の血管を促す)
弾性ストッキングの着用
弾性ストッキングは、足を締めつけて、ふくらはぎの筋ポンプ作用を助けることによって静脈還流をうながし、足に血液がたまるのを防ぎます。足を締めつけると逆に悪くなると心配される方もいらっしゃるようですが、弾性ストッキングは足首から段階的に圧力が弱くなっており、心臓にむかって血液が流れるように考えられて設計されています。コンビニエンスストアやドラッグストアなどで、むくみ予防用に売られている市販の着圧ストッキングと医療機関で処方される医療用の弾性ストッキングがあります。市販品も医療用も基本的に構造は同じですが、医療用は圧迫する圧力が強く着用に注意が必要なため医療機関でしか購入できません。長さによってハイソックス、ストッキング、パンティーストッキングなどの種類があります。
弾性ストッキングの種類
弾性ストッキング・コンダクターによる指導
弾性ストッキングは正しく着用すれば、下肢静脈瘤の治療にたいへん役に立ちます。しかし、履くのが難しかったり、かぶれなどのトラブルをおこすことがあり、長く履き続けることが難しいものでもあります。このような問題を解決するために日本静脈学会では「弾性ストッキング・コンダクター」という資格を設けています。弾性ストッキング・コンダクターは、弾性ストッキングのソムリエともいえる資格で、医師の指示のもとストッキングの種類・サイズの判断、着用時の指導、着用後の不満・問題点の相談を受けて適切な指導を行います。
■2020年4月から、難治性潰瘍に対する圧迫治療が保険適用になりました
対象となる症状など詳しくは医師にご相談ください。

高血圧で注意すること




???? ????
高血圧は完治ではなく持続的な調節を目標として治療を行う疾患であり、薬物治療、生活習慣改善により生涯にわたり合併症やそれによる死亡危険を予防管理するべきです。

合併症のない高血圧患者   130/85mmHg 以下
糖尿合併のある高血圧患者   130/80mmHg 以下
腎臓疾患を伴っている高血圧患者 尿蛋白 1g/日以下 130/80mmHg 以下
  尿蛋白 1g/日以下 125/75mmHg 以下
page_top
????
生活習慣改善と薬物療法を並行して実践することが重要です。
- 生活習慣改善
血圧があまり高くなく、高血圧合併や危険因子がない場合。

- 薬物療法(生活習慣改善を同時に実践)
生活習慣改善の後も収縮期血圧が140mmHg以上か、又は拡張期血圧が90mmHg以上の場合。
合併症あるいは危険因子がある場合。

※考慮するべきリスクファクター
動脈硬化危険因子 喫煙、高脂血症、糖尿、60歳以上の男性、閉経以降の女性、
家系に心血管患者がいる方
標的臓器の損傷及び心血管疾患 心肥大、冠状動脈疾患(狭心症、心筋梗塞症)、心不全、脳血管疾患、腎不全、末梢動脈疾患、動脈硬化性網膜疾患
page_top
????????
禁煙、体重調節、食塩や飲酒量の摂取減少、適度な運動等の生活習慣を通して血圧管理を行いながら薬物療法を並行すると、投薬量を減らす効果をもたらします。
生活習慣は、個人の性格や習慣などと深く関係がありますので、患者が前向きに改善しようとする意志さえあれば治療できます。

1) 高血圧の食事療法 - 高血圧の食事療法は塩分、コレステロール、脂肪制限及び体重調節により行われます。

① 食べ物を甘くして食べます。

② 動物性脂質、コレステロールの多い食品を控えます。

*コレステロールの多い食品:動物の内臓部分、卵の黄身、うなぎ

③ 次は適量摂取食品です。
*サラダオイル、卵白
*とりささみ、魚、とうふ、大豆マーガリン
*果物

④ 野菜や雑穀、豆、海草、青いのり等の摂取は便秘の予防に効きます。

※ 多量の塩分摂取と血圧上昇の関係
塩の中にはナトリウム(Na)という成分が含有されています。塩をそのまま置いておくと、塩が湿っぽくなることが分かります。塩(ナトリウム)には水分を引き寄せる性質があります。

塩辛い食べ物を摂取すると?
血中のナトリウムの数値が上昇し、水分を引き寄せる性質があるナトリウムは体内の水分を血管の中に引き寄せて血量が増加します。血管の太さは同じものの血量は増加するので、血管が拡張し破裂しそうになります。
血圧とは、血が血管を押す圧ですので、血圧が上昇することになります。

⑤ 塩分と高血圧
- 血圧上昇効果
塩分は水分を引き寄せる性質があるので、この性質により体液量が増えて心臓への負担を増加させるとともに、血管への圧力を増加させます。また、体液の増加は血圧調節機能のある腎臓の活動を促進しますので、
腎臓に負担をかけます。

- 年配の方、高血圧、糖尿患者
塩分に敏感で、同じ量を摂取しても一般成人より血圧上昇率が大きいです。

- 血圧の塩分制限効果
平均的に、最高血圧5mmHg、最低血圧3mmHgの減少効果が明らかになっています。

- 摂取推奨量
年齢及び性別での違いもありますが、一般的に食塩6gで、食塩の制限は時には薬物療法より効く場合あります。
塩分は食塩だけでなく調味料、ベーキングパウダー等にも多量に含有されています。

⑥ 食品別の塩分含量(g)-(5訂食品製品表より抜粋)
食品名目安量塩分量食品名目安量塩分量
生ラーメン
茹でうどん
食パン
かまぼこ
さつま揚げ
焼きちくわ
はんぺん
塩鮭(塩ます)
干物(あじ)
シラス干し
たらこ
塩辛(イカ)
ソーセージ
魚肉ソーセージ
ぬか漬け
1玉
1玉
6枚切り1枚
1切れ
1枚
1本
1枚
1切れ
1枚
大さじ1杯
1腹
大さじ1杯
1枚
1本
2切れ
1.2
0.7
0.8
0.3
1.1
2.1
1.5
4.6
1.5
0.3
2.3
1.4
0.5
2.1
0.4
べったら漬け
梅干し
たくあん
6Pチーズ
マヨネーズ
バター
トマトケチャップ
ドレッシング
ノンオイルドレッシング
しょうゆ
味噌
甘味噌
ウスターソース
中濃ソース
ポン酢
1切れ
1個
1切れ
1枚
大さじ4杯
大さじ1杯
大さじ2杯
大さじ3杯
大さじ1杯強
小さじ1杯
小さじ1杯強
大さじ1杯弱
小さじ2杯強
大さじ1杯強
小さじ2杯
0.2
2.2
0.4
0.7
56
0.2
30
30
14
5
8
16
12
17
10

*普通のおかず類(スープ、味噌汁、野菜の和え物、煮物等)には1種当り約1.5gの塩が含まれており、サラダ等のおかずには1種当り約1gの塩が含まれています。


塩分の量は一日の総摂取量及び、一回の摂取量が重要になりますので、家庭で塩辛くないように調理して食べる習慣をつけることをお勧めします。

2) 血圧と体重減少

体重増加は脂肪組織等の体内の組織を増加させるため、酸素や養分等の消費量も多くなります。
この増加需要を満たすために心臓はより強い圧力で収縮し、血圧が上昇します。統計によると、高血圧患者の体重減量は薬物の投薬量を減少させることができ、過体重の女性が5~10kgを減量すると15%の高血圧のリスクが減少、10kg以上減量すると25%のリスクが減少するそうです。

肥満の高血圧の発病率:健常人の2~6倍
肥満の高血圧患者の体重減量効果
10kg減量:最高血圧25mmHg、最低血圧15mmHg減少
5kg減量:最高血圧10mmHg、最低血圧5mmHg減少
2kg減量:最高血圧 2~3mmHg、最低血圧1mmHg減少
子供、青年層:体重減量だけで高血圧が正常血圧になった例もある。


インシュリンは塩分、水分を引き寄せる性質がありますが、健常人よりインシュリンの分泌量の多い肥満の全体循環血液量は増加する傾向があり、血圧が上昇することがあります。
肥満は体脂肪率(Percent of Body Fat)、体格指数(B.M.I.)、肥満度(Fatness)により診断を行い、当社の体成分分析器シリーズで簡単に体脂肪率を測定することができます。

3) 血圧と運動

適度な運動により5~10mmHgの血圧を減少させることができ、緊張緩和・ストレスの解消にも役立つので、高血圧治療に 有効といえます。
しかし、高血圧の方は必ず専門家の立会いのもと、医学的検査と運動負荷検査を行って運動能力を測定し、自分に合った 運動の種類と強度を決定することで、心臓発作を予防すると良いでしょう。

① 運動前にさらに事前確認が必要となる場合
- 血圧が160/100mmHg以上の場合
- 心臓、肺、腎臓に疾患がある場合
- 糖尿や関節炎がある場合
- 胸痛や呼吸障害、目まいを経験したことがある場合
- 自分の健康状態に自信がない場合

② 運動は週当たり3~4回で心肺機能を維持及び強化
運動初期は運動時間を15~45分に設定することが望ましく、慣れてきたら徐々にに1時間まで延ばします。
一回の運動で200~300kcalのエネルギーが消費される運動が効果的で、運動の前後は準備運動及び整理運動をそれぞれ5~10分ずつ行います。

③ 運動の種類

*ウォーキング : 高血圧はもちろん合併症を持っている患者さんにも効果的で最も適切な運動です。
自分の心拍数と比較してスピードを調節します。

*ジョギング : 心肺機能を向上させますが、運動の際目標心拍数を越えないように注意します。
また、筋骨格系への傷害危険があり、末梢神経障害や網膜症がある場合は控えます。

*水泳 : 水中体操、水中ウォーキングとともに強度は高くありませんが心血関係に刺激を与える運動で、高血圧患者や関節炎等の筋関節系に疾患がある方にも効果があります。

*自転車に乗る : ウォーキングと同様の運動効果があり、筋関節系への傷害を予防することができます。
また、衝撃が少ないため網膜疾患の患者にも効果があります。

*その他 : ゴルフ、ボーリング等、一日に200~300kcalのエネルギーが消費できる運動を自分に合わせて行います。


運動種類別の100kcalの消費時間
運動の種類100kcalの消費時間運動の種類100kcalの消費時間
剣道 7分30秒 ゴルフ 17分
縄跳び 10分 階段昇り 18分
水泳 11分 30秒 美容体操 19分 30秒
テニス 13分 30秒 卓球 21分 30秒
スキー 15分 自転車に乗る 23分
ボーリング 15分 体操 30分

④ 運動時の注意事項

高血圧は心血管系疾患であり、運動をすることで心血管系に負担を掛けて予想できない事項が生じる可能性があります。
従って、高血圧患者は運動時に健常人より注意を払わなければなりません。運動による不意の事故には、心臓壁の血栓剥離、心臓発作、脳出血、脳塞栓、脳循環障害等があります。運動は誰でも血圧増加を伴いますが、次の場合は運動の強度を低くするか、又は運動を中止し、診療を受けることを推奨します。

- 息苦しい場合
- 呼吸障害がある場合
- 胸に痛みを感じるか、又は痛みが首、肩、背中まで広がる場合
- 心拍動が速過ぎるか、又は不規則な心拍動を感じる場合
- 目まいがするか、又は吐き気がする場合

*寒い日に運動をする場合は、暖かい服装で運動を始める前にストレッチと準備運動を十分行います。
全ての運動は血圧を上昇させますが、特に重量運動は急に腹圧を増加させて血圧上昇を誘導するため、高血圧患者は控えた方が良いです。

4) 禁煙
ニコチンは喫煙開始10秒以内に脳に作用します。ニコチンは、アドレナリンの分泌を促進して血管収縮を起こすことで血圧を上昇させますが、連続で二本のタバコを吸うと血圧が平均10mmHg上昇した状態が30分間続きます。
また、喫煙は血圧降下剤の効果を減少させるため、投薬容量が増えることになります。

5) 飲酒
高血圧、脳卒中の発生率を高め、心臓と血管の収縮作用及び血圧降下剤の効果上昇作用により副作用を起こすことがあります。

一日に男性30g(女性20g)以上のアルコールの摂取
- 高血圧や脳卒中の発生率を高め、過飲はアドレナリンの分泌を促進して心臓興奮と血管収縮作用をすることが明らかになっています。

飲酒と血圧
- 毎日35~40gのアルコールを摂取している方の飲酒量を80%減らすと、1~2週間に収縮期血圧は5mmHg、拡張期血圧は 3mmHg減少します。

アルコールと血圧降下剤の薬効
- 血圧降下剤の服用中には少量のアルコールも制限します。
 アルコールの血管拡張作用と血圧降下剤の相互作用による突然な血圧下降、心拍動が遅くなる副作用を起こすことがあります。

高血圧患者の飲酒の上限(飲酒量は下記の量を超えないように注意を払い、それ以下でも毎日飲まないようにする。)
1日30gとした場合
- 焼酎(85cc)、洋酒(75cc) : 1杯(水割り)
- ビール(666cc) :大瓶1本
- ワイン(250cc) :グラス2杯

6) ストレス
- 血圧上昇機転 :交感神経を興奮させて血圧が上昇します。音楽を聴いたり、絵画鑑賞、瞑想等ともに十分休息をとります。

7) その他の生活習慣改善療法

①規則正しい生活
②ぬるま湯 (39~40℃)で10分以内の入浴
③便秘予防

痙攣性便秘は、大腸を刺激すると悪化するため喫煙、繊維質、カフェイン、牛乳等を避け、ミネラルウォーターや刺激の少ない食べ物を摂取します。また、弛緩性便秘は、弱くなった腸運動が原因で大腸運動を促進する繊維質、お冷、適切な量の脂質を摂取するとともに、毎朝規則的に排便をするようにします。
④住居環境の調節
脳卒中や心筋梗塞症の発作は平均気温0℃以下、又は30℃以上のとき、日較差が10℃以上のとき起こりますので、室内外の温度差に注意します。特に、冷房は23~25℃、外部との気温差は5℃前後に、そして暖房は18~20℃、湿度は60%前後になるように調節します。冷暖房の際は、風呂やトイレも温度差がないように注意します。

page_top
????
血圧降下剤の種類は様々であり、個人によって異なった作用をします。
従って、該当患者に最低容量で最低血圧を90mmHg以下に下げられる薬物を探すことが重要です。
全ての高血圧患者はまず、非薬物療法(生活習慣改善)から行います。

高危険群A :
 血圧は正常もしく高血圧であるが、合併症がなく、喫煙や高脂血症のような合併症の危険因子のない方
高危険群B :
 心臓や腎臓の異常等、高血圧による合併症はないが、心臓血管系の疾患を起こす危険因子を持っている方
高危険群C :
 心臓病や脳卒中を起こす危険が高い、または既に心臓血管系の疾患、あるいは糖尿病を患っている方

<高血圧の治療段階>
血圧 (mmHg)高危険群A高危険群B高危険群C
高値正常範囲
(130~139/85~89)
生活習慣改善 生活習慣改善 薬物治療+生活習慣改善
1段階高血圧
(140~159/90~99)
生活習慣改善
(12ヶ月まで観察)
生活習慣改善
(6ヶ月まで観察)
薬物治療+生活習慣改善
2、3段階高血圧
(≥160/≥100)
薬物治療+生活習慣改善 薬物治療+生活習慣改善 薬物治療+生活習慣改善

(参考文献:National Institutes of Health. The Sixth Report of the Joint National Committee on Prevention, Detection,Evaluation, and Treatment of High Blood Pressure. 1997)

一般的に、血圧が150/90mmHgで、現在合併症がなく、喫煙や高脂血症のような危険因子がなければ、生活習慣改善療法を行い、12ヶ月後に薬物治療の必要性の有無を決定します。喫煙や高脂血症のような危険因子を持っている方なら、まず生活習慣改善療法を行って6ヶ月間様子をみて、投薬の有無を決定します。また、危険群Cに属するなら、生活習慣改善療法と同時に薬物療法も共に施行します。ただし、これらの過程は医師と相談の上行わなければなりません。
医師の指示のない投薬や治療指針は患者の状態を悪化させる 恐れがあります。