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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

作家の思想の変遷と作品改変

これは、全集版の時に手塚治虫は科学全能主義の風潮に懸念を抱いていたからだろう。つまり、桃源社版を買った子供たちと全集版を買うはずの子供たちは既に世代が違うわけで、では昔の「間違った思想」を持っていた時の思想をそのまま現代の子供に与えていいのか、と思ったら、手塚はその方が非良心的だと思ったのだと思う。つまり、この作品のラストを変えたことこそ、手塚の作家的良心の表れと見るべきで、作家は昔の自分の思想にいつまでも忠実であらねばならないということは、作家自身の成長を押し殺すも同然だと思う。
つまり、芦部拓の考え方は大間違い。




さんがリツイート

手塚治虫が時代によって自作を書き換えるのは有名だが、『魔法屋敷』のラストのように全く正反対の結論にしてしまうのはいくら何でも、と思う。右は桃源社による復刻版、左は全集版。特にこの作品は、終戦直後の混乱期に魔法と科学の戦いを描いて、はっきりと後者の勝利をうたっているのだから。




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「秘事」と「謎」の違い

司馬遼太郎が生涯唯一書いた推理小説(彼はこのジャンルにまったく興味もなく、実に不出来な作品だったようだ。)の後書きに、こう書いているらしい。

「私は、推理小説に登場してくる探偵役を、けっして好きではない。他人の秘事を、なぜあれほどの執拗さであばきたてねばならないのか、その情熱の根源がわからない。それらの探偵たちの変質的な詮索癖こそ、小説のテーマであり、もしくは、精神病学の研究対象ではないかとさえおもっている。そういう疑問が、私という小説読者を推理小説にちかづけなかった云々」

これは、編集者に乞われて、つい苦手なジャンルに手を出し、不出来な小説を世に出してしまったことへの言い訳に聞こえるが、自分でも実際そう思っていたのだろう。しかし、これはおかしな言い分だと思う。
詮索癖はむしろ司馬遼太郎の作家としての美質であるし、だからこそ膨大な文献を渉猟して作品を書くという作風だったのではないか。そして、彼が作家になる前に仕事としていた新聞記者(社会部ではなく文芸部ではあっても)という職業も、まさに詮索そのものが仕事の基本業務である。

それはともかく、司馬の間違いと思われるのは、推理小説の中の探偵は、松本清張などの「社会派推理小説」を除けば、けっして「他人の秘事をあばきたてること」を目的として探偵活動をしているのではないことだ。それは、古典的推理小説の名作を幾つか読んでみれば明白だろう。
彼らは、「事件の謎」に興味を惹かれて、その謎を解くことに夢中になるのであり、「他人の秘事をあばきたてる」のは単にそれに付随するだけの、「小説に結末をつけ、読者を満足させる」だけの意味しかない。探偵自身の興味はそこにはない。
謎を持った事件が無ければ、探偵たちは数学の問題でも解くか、クロスワードパズルを与えれば、それで満足するはずである。
要するに、「謎」と「秘密」はまったく別物なのであり、探偵たちが興味を持つのは「謎」に対してであり、「他人の秘事」などではない。

もちろん、夏目漱石の探偵嫌いも、現実の警察官や昔の岡っ引きのように、「他人の秘事」をあばきたてる連中を「探偵」と呼んでいたのである。






鑑賞における素人と玄人

コピーすると記事中のツィッター部分が消えるが、下のコメントから内容は分かるだろう。
要するに、この美大卒君は「絵の技法を理解できない人間が絵を見ても仕方がない」という考えのわけだが、これが愚劣であることは、美術だけでなくすべての芸術は基本的に素人を対象として作られてきたことからすぐに分かる。まあ、悪しきアカデミズムというのがあって、学者などは学界だけを相手に論文を書くが、芸術とは別の話である。なまじ大学などで美術を学んだことがこの美大卒君を独善的な人間にしたのだろう。
ちなみに、「最高にロックな返答」はべつにロックでも何でもないので、元記事を探してまで読む必要は無いと思う。「オズの魔法使い」を知らない人には意味不明の気取った返答である。




美大卒「「絵を描かない人が絵を見に行く理由がわからない。素人が絵を見ても仕方ない」 → 相手をブチギレさせる最高にロックな返答が話題にwww

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美大 ブリキ 木こりに関連した画像-01
■ツイッターより



■どういうこと?



<このツイートへの反応>

最悪が過ぎてワロス


アマチュアのジャズの世界にもあります。
楽器を演奏しないのにジャズ聴いて面白いの?って言う奴
やるやらないではなく
別々の楽しみ方があります。


ある意味 目ウロコ。ずっと描かない人がパトロンだったし購買者だったし肖像画等の依頼主だったし展覧会の客だったし、宗教画が描かれた聖堂で祈る人たちだったから
歴史的に芸術と見るだけの人とは切り離せないものだとハナから信じ切ってた。その人の芸術観をバカにするでなく詳しく聞きたい⋯⋯


自分の食い扶持を潰していくスタイルとかもはやロック。

技法やタッチはただの表現手法でしかない。絵画の本質はそこではないし、その手法でできたものの上にあるものこそその絵画の見所だろう。この美大卒の人の絵はきっとつまらないだろう。

絵描きの感性だけで見てる様です。昔の芸術家の絵には普通の方々でもわかるように作っているんで、そう言う美大生を独りよがりと言います。


じゃあ、その方は楽器を演奏しないから音楽聴かないとか演技をしないからドラマも映画も見ないとか…なわけないですよね?
ブリキの木こりも、ハートを持っていたことに気づきますから気づいてほしいですね。

その人は美大生だった自分カッケーしたいだけです。ガチの人はそんな事言いません。

美大卒さんの真ん中の文は美大に入ったからこそ楽しみ方が増えたと言えて自慢出来る事なのに、前後の文の人を見下したを言ってしまったのはとても残念ですね。

「アイデアの作り方」の要点

ジェームズ・w・ヤング「アイデアの作り方」の要旨。
山田なんとかという人のブログから転載したが、山田氏の著作権を重んじて、ヤング自身の文章(もちろん翻訳だが、著作権は切れていると思うし、出典を明示しての短い引用だから問題ないと思う。)部分だけ転載する。まあ、たいしたことはない内容だと思うのだが、竹熊健太郎によれば、非常に有益なアドバイスだとされている。


(以下引用)

5段階の心の技術

1.資料を収集する

2.資料の咀嚼(そしゃく)

3.一度全てを完全に忘れる

ここですべきことは、問題を心の外に移し諸君が眠っている間にそれがかってにはたらくのにまかせておくということ

4.アイデアの誕生

諸君が実際にこれら三つの段階で諸君のすべきことをやりとげたら、第四の段階を経験することはまず確実である。
どこからもアイデアは現れてこない、それは、諸君がその到来を最も期待していない時、ひげを剃っている時とか風呂に入っているいる時、あるいはもっと多く、朝まだ眼がすっかりさめきっていないうちに色を訪れてくる。

5.アイデアを現実に具体化させ成長させる展開へ

この段階において諸君は生まれたばかりの可愛いアイデアをこの現実の世界の中に連れださねばならない。そうすると、この子供が、諸君が当初産み落とした時に思っていたようなすばらしい子供ではまるでないということに気づくのがつねである。

良いアイデアというのはいってみれば自分で成長する性質を持っているということに諸君は気づく。いいアイデアはそれを見る人々を刺激するので、その人々がこのアイデアに手をかしてくれるのだ。諸君が自分では見落としていたそのアイデアの持つ種々の可能性がこうして明るみに出てくる。



善良性は主人公の必須要素

私は、小説や漫画というのは読者の願望実現でいいと思っているが、下のスマホ小僧のような設定というのは、読んでいて馬鹿馬鹿しくならないのだろうか。いや、主人公に魅力があればそれでもいいのだが、幾つかのコメントを読んだ限りでは「嫌な奴」としか思えない。そういう主人公に読者ははたして感情移入できるのか、少々疑問である。
人間というのは、想像されるより保守的なもので、我々のほとんどは善良な人間を愛するものだ。知的で冷酷な人間は敵としては面白いが、愛される対象にはならない。つまり、主人公には不向きなのである。要するに、あなたは悪人と友人になりたいか、ということだ。読者と主人公を精神的につなげるためには主人公の善良性は必須要素である。まあ、話自体が飛びぬけて面白ければ、「デスノート」のような大ヒットになることもありはするのだが。




19: 2017年7月28日(金)
「周りが引くくらい容赦ない」ってこういうことか

スマホ1
スマホ2
23: 2017年7月28日(金)
>>19
女に惚れられる要素が謎

スマホ09
30: 2017年7月28日(金)
>>23
まんまキモオタとかインキャのガキの妄想だよな
32: 2017年7月28日(金)
>>19
いやさ、スマホなんて特別なツールあるんならチート能力いらんやろ
出来ないことを知恵と道具を使って乗り越えるのが面白いんとちゃうんか?
36: 2017年7月28日(金)
>>32
今の子供にはうけんぞ
38: 2017年7月28日(金)
>>32
ゲームでチート使うみたいに無双して俺tueeeeee!したいだけ
49: 2017年7月28日(金)
>>19
クラシック弾けや
56: 2017年7月28日(金)
>>49
作者が興味無いんやろ
62: 2017年7月28日(金)
>>56
えええええ…
じゃそんな設定いれるな、と
110: 2017年7月28日(金)
>>62
(なんでも弾けちゃうのは)作者にとってすごくかっこいいから
34: 2017年7月28日(金)
いい人だから好きってあいつらの世界悪人だらけかよ
85: 2017年7月28日(金)
異世界に転生しスマホを使いながら物語を進めていく→ええやん
なお主人公は転生の際にチート能力を与えておりスマホを使う必要が特にない→ファッ!?
94: 2017年7月28日(金)
>>85
ほんこれ
力ないなりにスマホ駆使して頑張っていくのかと思ったら異世界能力全部持ってるとか草生える

26: 2017年7月28日(金)
スマホってあとでちゃんと壊されるんだよな?
ストーリー的にはスマホが無くなること必要だろ?
40: 2017年7月28日(金)
>>26
壊れないぞ
スマホにプロテクターの魔法かけてるから傷もつかないし転移の魔法もかけてるから落としたりなくしたりしたら自動的に戻ってくる
47: 2017年7月28日(金)
>>40
もしかして勝手に最新機種に進化するのかな?
46: 2017年7月28日(金)
いつでも好きな情報が引き出せる物ってストーリー的に言ったら未熟、甘えの象徴やろ?
そこから決別して主人公の成長を描くストーリーなんやろ?
63: 2017年7月28日(金)
こういう味方には甘いけど敵対すると容赦がなさすぎて周りに引かれるみたいな設定ほんと臭すぎて気持ち悪い
映画のマフィアのボスとかならわかるがラノベ主人公がこういうのやってるの寒すぎる
72: 2017年7月28日(金)
なろう作者の権力欲は異常
78: 2017年7月28日(金)
>>72
妄想の中だけ無双
91: 2017年7月28日(金)
なろう作家「努力して他人に誇れる能力を身につけたことなくて努力の描写ができないンゴ…」

→神様! チート!
こんな感じやろ
104: 2017年7月28日(金)
>>91
そもそも頭の中に知識もなけりゃ想像もできないんじゃ書きようがない
61: 2017年7月28日(金)
なんでも褒める海外のレビューもボロクソやしな
68: 2017年7月28日(金)
アホみたいにポンポン進むから何かに行き詰まってるときはおすすめやな