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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

作家の思想の変遷と作品改変

これは、全集版の時に手塚治虫は科学全能主義の風潮に懸念を抱いていたからだろう。つまり、桃源社版を買った子供たちと全集版を買うはずの子供たちは既に世代が違うわけで、では昔の「間違った思想」を持っていた時の思想をそのまま現代の子供に与えていいのか、と思ったら、手塚はその方が非良心的だと思ったのだと思う。つまり、この作品のラストを変えたことこそ、手塚の作家的良心の表れと見るべきで、作家は昔の自分の思想にいつまでも忠実であらねばならないということは、作家自身の成長を押し殺すも同然だと思う。
つまり、芦部拓の考え方は大間違い。




さんがリツイート

手塚治虫が時代によって自作を書き換えるのは有名だが、『魔法屋敷』のラストのように全く正反対の結論にしてしまうのはいくら何でも、と思う。右は桃源社による復刻版、左は全集版。特にこの作品は、終戦直後の混乱期に魔法と科学の戦いを描いて、はっきりと後者の勝利をうたっているのだから。




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