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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「IQ」をどう考えるか

「ネットゲリラ」愛読者コメントの常連、tanuki氏のコメントだが、IQ一般に関するこの認識はわりと正しいのではないか。つまり、平均が100くらいと大多数の人は思っているだろうが、90前後というのが正しい認識だろう。これは100という数字の「切りの良さ」からくる錯覚だと思う。実際、かなり優秀な人間でも150を超えることは滅多に無いわけで、外国だとIQ平均が80とかされている国もあるようだ。東南アジア各国は比較的IQが高いらしい。それでも90より少し上という程度だったと思う。北欧の国々など知性が高そうだが、東南アジアよりは低いようだ。

私が自分の知能に絶望したのも、中学1年くらいにやったIQテストの結果が110少ししかなかったからで、当時は100が平均と思っていたからである。しかし、90くらいが平均なら、さほど絶望する必要はなかったわけだ。まあ、誇るほどではないから、謙虚にその結果を受け入れれば良かっただけの話だ。
なお、「小学校の成績は知的能力よりも只の習慣です」というのもその通りで、中学以上になると、真面目に課題をこなすだけでは通用しなくなってくる。しかしまた、知的能力というのは可変的なものでもあり、「物事を徹底して考える習慣」のある人間は、多少IQは低くても、学問的分野でも大成できると思う。

(以下引用)



日本人はかつてIQの平均スコアが比較的良かったはずだがそれでも100はなくて90プラスアルファですな。

クラスの秀才君みたいなのは大体110前後くらいで、140くらいあると教育委員会に確か報告してたんじゃなかったか。ただこういうの学校に一人くらいいるが必ずしも勉強ができるわけじゃない。まあ変な子扱いですな。小学校の成績は知的能力よりも只の習慣です。

安倍晋三くらいの軽い知的障害(一応形だけは受け答えできる。意味は伝わっていない)のは80前後ですな。70以下になってくると明らかに相手にこいつアホだなというのがわかる。刑務所だとか底辺職種によくいるタイプです。

私の印象だと小泉進次郎というのは安倍よりかなりアホな感じがしますな。安倍は元は激悪だが多少は教育の効果(失敗だが)多少みられるが、変人小泉が家庭教育に熱心なんてこともないだろうし。

まあ世襲議員は世代が増すたびに知的能力が低下していく。痴民党の根治できない病ですな。






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正しい歩き方と立ち方

私は中学校くらいから間違った歩き方をしていたため、中年以降にその弊害で膝を悪くしてしまったのだが、小さな習慣が長い年月には大きな影響を与える、ということだ。
ちなみに、その間違った歩き方とは、両足を平行にした形で前に出すというもので、正しい歩き方とは、自然に立った時の状態、つまり両足が「ハ」の字を逆にした状態のまま、前に出すというものだ。これが人間の骨格に合った自然な歩き方である。
ついでに言えば、ファッションモデルのように脚全体をまっすぐ棒のようにして歩くのもおそらく間違いで、正しくは、膝を数ミリ曲げた状態で着地させるべきだろう。そうでないと着地のたびに膝に衝撃がかかる。美的ではないが、膝にゆとりを持たせるほうが健康的な歩き方だと思う。高野文子の漫画の人物が、そのような歩き方をしていたが、高野文子は元看護婦だっただけに、そのあたりを知っているのかもしれない。他の漫画家で、膝を少し曲げた歩き方をキャラにさせている例は見たことがない。つまり、「美的でない」からだろう。
なお、ここ数年私が心掛けていることは、「なるべく踵を地に付けない」ことである。
これは、猫や犬などの四足動物の足とは、人間で言えば爪先部分で、つまり彼らは常に爪先で歩き走っていることになるからだ。人間でもジャンプしたり走ったりする時には実はほとんど爪先だけを接地させている。(ジャンプや走りの着地の際に踵は接地するが、それは「体重を受ける」だけであり、地面を蹴る、つまり力を生み出すのは爪先だけである。)踵を地に付けるというのは、人間が二足歩行をする便宜上生まれたもので、極端に言えば、二足だけで立って静止する状態を維持する以外には踵を地に付ける必要は無いのである。
爪先だけで立ったり歩いたりする利点は、行動が慎重になるという心理的メリットもある。狭い台所などで行動する際に、「踵を付ける歩き方」と「爪先立ちの歩き方」では慎重さに大きな違いが自然に生まれるものだ。
さらに、爪先だけで立つことで、腹筋に小さな負荷がかかり、それは腹筋を使わない生活をしている現代人にはいい運動になる。さらに言えば、肛門括約筋も締まる。これは東洋的健康法でよく言われるポイントである。
おそらく、子供のころから「爪先立ち」を常に心がけるだけで、健康だけでなく運動能力も二割から三割くらいは増進するのではないか。私に男の子がいたら、それを教えたのだが。





性的行為と犯罪

この手の事件は山ほどあって、新聞種になるのは氷山の一角なのだろうが、なぜ性犯罪というのがこれほど多いのか、という問題の参考として保存する。特に、「いじめ」という言い方で犯罪を矮小化し、問題化を避けるのは学校という組織が意図的に広めてきた気がする。
まあ、私自身、思春期には性欲の塊だったから、偉そうなことを言うつもりはないが、頭の中で妄想するのとその性欲を犯罪的行動、あるいは明白な犯罪に結びつけるのは大違いだろう。まして、大人になっても性犯罪を犯すのは、これはサイコパスであると言えるが、社会的地位を利用してその種の行為をする人間は多いようだ。
ちなみに、私は今、「道徳」が生まれる以前の社会についての物語を書きたいと思っている。具体的には、儒教や仏教が普及する以前の日本社会の話で、「古事記」や「日本書紀」には道徳のカケラも無い。まさに、「欲望→行動」の世界である。秩序を作るのは物理的力か権力しかない世界である。道徳は「共同幻想」でしかないが、それが無いと野獣の世界になる。


(以下引用)


女子中学生の服脱がせ、動画撮影し拡散 横浜市でいじめ

3/6(金) 21:20配信

カナロコ by 神奈川新聞

 横浜市教育委員会は6日、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態調査の結果、市立中学校で1件、小学校で2件、いじめがあったと認定し、調査した報告書を公表した。中学校では、女子生徒が同級生から服を脱ぐよう要求されるなどし、その様子を撮影した動画が近隣中学校まで拡散されていた。
 
 報告書などによると、中学2年だった女子生徒は2015年6月に2回、同級生の女子生徒5人に校外の多目的トイレに連れて行かれ、上半身を触られたり、服を脱ぐよう要求されたりした。同級生の1人が、一部始終をスマートフォンで撮影。動画を5人で共有した上、同級生に転送するなどした結果、同学年の男子生徒や近隣中学校の生徒まで拡散した。生徒は不登校になり、その後、転校した。

【写真】超小型カメラでスカート内を盗撮、1ミリ未満の穴にレンズ

 学校は6月末に同級生の保護者から連絡を受けるまで、把握していなかった。学校は対策委員会を開くとともに警察に通報し、市教委にも報告。警察は児童相談所に通告した。

 調査した市いじめ問題専門委員会は被害生徒の精神的ケアも含め、学校、教育関係者らだけでの対応には限界があると指摘。被害生徒側が申し立てるまで、市教委がいじめ重大事態として扱わなかった点も問題視した。

 小学校の1件は、15年当時小学2年だった男児を巡る事案で、学校関係者と弁護士ら第三者でつくる「市立学校いじめ防止対策委員会」は、被害児童の保護者が申し立てた12件のうち、3件をいじめと認定。保護者が学校に不信感を抱いた背景に「組織対応の遅れ」を挙げた。

 小学校のもう1件は、17年当時小学4年だった女児が、同じ学年の女児に前髪を切らされるなどし、不登校になった。専門委は担任がほぼ一人で対応していたとし、学校や市教委がチームで対応していれば、事態が改善した可能性があると指摘した。

神奈川新聞社












災害時に人間の本性は出る

長い記事で、まだきちんと読んでいないが、重要な内容だと思うので保存しておく。災害時は無法状態となり、普段は隠されている本性を現わす人間が多いということだろう。

(以下引用)ブログ容量オーバーのため後半カット

「避難所でのレイプ」災害時の性暴力に光を当てたドキュメンタリーの教訓

3月1日放送の「埋もれた声 25年の真実〜災害時の性暴力〜」(画面を筆者撮影)

「性暴力」をめぐる報道が少しずつ増えている

 女性に対する「性暴力」の被害の実態がいろいろな形で明らかになっている。

 #MeToo運動の広がりなどでこれまで被害を受けても口をつぐんできた被害女性たちが少しずつ声をあげ始めたからだ。

 とはいえ、まだまだ被害にあった当事者の「自己責任」や「本人にも非が」などと被害者を責める風潮は今もこの国には根強い。

 特に震災などの「非常時」になると、とりわけそうした傾向が強くなってしまう。被災者がいる避難所や仮設住宅などで子どもや女性がレイプなどの性暴力被害にあうケースはこれまでごく一部の関係者にしか知られてこなかった。

 被災者であるという”弱み”。周囲の善意に依存せざるをえない弱み。避難所などは被災者全員が不自由や苦労を共有することで苦情や抗議、権利主張をするのをはばかる空気などで「声」をあげられない構図。そんな背景があるからだろうか。

「災害時の性暴力」の本格的なドキュメンタリーをNHKが放送した

 3月1日(日)の午前中に放送された「明日へつなげよう 証言記録『埋もれた声 25年の真実〜災害時の性暴力〜』」

 48分の長編ドキュメンタリーだ。 

 被災地で子どもや女性たちにこうした問題が起きているらしいことは、2011年に東日本大震災が起きた直後、筆者も取材で訪れた避難所などで耳にしたことがあった。しかし関係者も固く口を閉ざし、当時は取材を進めることはできなかった。

 テレビでは非常にデリケートすぎて扱うことが難しかったこの問題をNHKは今回、取りあげた。そこに紹介されたケースは被害者の壮絶な体験談がベースになっている。

 「被災地の性暴力」についてNPOや研究者などの協力を得て隠されてきた実態を掘り起こしたすぐれた報道番組だ。かなり長い文章になるが内容をくわしく紹介したい。その上で今回の報道が持つ意義について論考したい。 

 まず、この番組は性暴力などの被害を受けた当事者から支援団体や研究者らが1年がかりで聞き取った膨大なデータを基にしている。つまり、番組の中核は、番組制作者が当事者にインタビューしたのではなく、支援者や研究者が行った聞き取り調査結果そのものなのだ。結果はぶ厚い書類になっているが、その一つひとつの事案は悲痛なものだ。

避難所のリーダーに、「(夫を亡くして)大変だね。タオルや食べ物をあげるから、夜◯◯に取りに来て」と言われ、取りに行くと、あからさまに性行為を強要されました。(震災で夫を亡くした女性)

仮設住宅にいる男性がだんだんおかしくなって、女の人を捕まえては暗い場所で裸にする。周りの人も、“若いから仕方がないね”と、見て見ぬふりをして助けてくれませんでした。(20代女性)

複数の男性に暴行を受けました。騒いで殺されても、海に流され津波のせいにされる恐怖があり、その後、誰にも言えませんでした・・・。(避難所で性暴力を受けた女性)

出典:NHK「クローズアップ現代+」番組ホームページ

 同じような被害体験は2011年の東日本大震災をきっかけにスタートした24時間対応の電話相談窓口「よりそいホットライン DV・性暴力相談」にも寄せている。電話は24時間ずっと鳴りっぱなしで半分以上が性被害。相談件数は年間5万件に上るという。

「レイプ」「極限」「打ち明けたい」「苦しい」「怖い」「悲しい」

 画面には相談員が記した手書きのメモが映し出される。文字が生々しい。

被災地の性暴力の問題が浮かび上がったのは25年前の阪神淡路大震災

 阪神淡路大震災で被災した神戸などの被災地で性暴力のケースが報告されていた。避難所や仮設住宅などで女性や子どもたちが様々な性暴力のリスクにさらされていた。番組では、この頃からそうした声に耳を傾けてきたNPO法人「うぃめんずネット・こうべ」代表の正井禮子(まさい・れいこ)さんの活動を軸にして実態を描いていく。

 正井さんが直面したのは、被災で仕事が思うようにいかない夫からはけ口のようにドメスティック・バイオレンス(DV)を受けていても、周りは焼け野原で家から出て行っても他で暮らすことができないと泣き崩れる女性たち。被災した女性が近所の男性に「抱かせろ」と言われて性暴力の被害にあった話を聞かされた時もすごくショックを受けた。その場にいた支援者の女性が「あなた、それ警察にすぐ届けたの?」と詰問するように言ったという。

 被害者の女性はそれに対し、

「そこでしか生きていけない時に誰にそれを語れというんですか?」

と答え、ツーっと一滴の涙をこぼしたという。

「今度、もし大きな災害が起きた時には二度と同じようなことが起きないように発信しなければならない。」

 正井さんはそう決意したと話す。性暴力の被害を訴える声は正井さん以外の支援者にも届いていたが、ほとんどの被害者が警察には届け出ずに泣き寝入りしたという。

(正井禮子さん)

「たぶん当事者は声をあげられないと思った。そしたら、性暴力は許さないんだと私たちが声をあげるべきだと思ったの。」

 神戸市に性暴力の調査をして欲しいとお願いに行っても、調査する予算も何か実態があった場合に対応する予算もないと言われた。そこで正井さんは阪神淡路大震災の翌年から「被災地での性暴力」の問題をアピールして街頭でのデモ行進をするなどの活動を始めた。

週刊誌メディアで「レイプ多発」というセンセーショナルな形で報道された

 それでも実態を伝える流れだったのが、しばらくすると報道の流れが正反対の流れになった。

 「レイプ多発」がデマだという週刊誌報道が増えたのだ。

被害の証拠はない、「レイプ多発」は“虚報”、などと真逆の報道が増えていった

 さらに性暴力被害を伝えることが当事者への「セカンドレイプになっている」「なかったことにした方が当事者のためだ」と正井さんたちが批判の矢面に立たされるようになったという。

 1996年当時のことだが、この2,3年の間に日本社会で起きた財務省事務次官によるテレビ朝日女性記者へのセクハラや元TBSワシントン支局長による伊藤詩織さんへの性暴力のケースを見ても、結果的に被害を告発した側を攻撃して黙らせるような圧力はその後の時代にもなくなっていない。

正井さんも災害時の性暴力について口を閉ざすようになった

 しかし2004年のスマトラ島沖巨大地震が正井さんにとって転機になった。

 この時にも被災地で性暴力の被害が深刻化したが、スリランカの女性団体が避難所の性暴力の問題に立ち上がった。そのニュースを伝える小さな新聞記事を見つけたのだ。女性団体は自主的に実態調査を行って国に対策を求めたという。

 この頃から世界各国で性暴力撲滅を求める声が高まって勢いを増していた。国連総会でも女性に対する暴力の撤廃に関する宣言がグローバルな課題として採択された。

女性たちが声をあげて災害時の性暴力被害の解消を国などに訴える運動が世界で広がっていた

(正井禮子さん)

「女性たちはきちんとそのことを調査して国にまで持って行った。それを見て私はものすごく勇気づけられて、私たちも(阪神淡路大震災から)ちょうど10年経つのでこれまでの災害を女性の視点から検証することをやらないかと声をかけたら、みんなやろうやろうとなった。」

正井さんは再び声をあげ始めた

 正井さんは女性や地域の防災をテーマにした集会などに参加し、再発防止や支援の必要性を積極的に発言するようになった。

2011年3月、東日本大震災の被災地でも性暴力などのリスクを察知する人たちがいた

 東日本大震災の直後には日本中で47万人が避難所生活を余儀なくされた。福島県で最大の避難所のひとつ、福島県産産業交流館「ビッグパレットふくしま」で県職員として避難所運営責任者を務めていた天野和彦さんは3000人の避難者がごった返す生活の中で女性たちが恐怖を募らせていることを認識していた。酒を飲んだ男性が若い女性の隣にごろんと横になったり、女性がトイレに行く時に後をついて行く男性もいたという。

 福島県だけでなく岩手県でも性暴力被害のケースがあった。もりおか女性センター長だった田端八重子(たばた・やえこ)さんは東日本大震災前に正井さんの講演を聞いていたことから、かつての神戸と同じことがこの震災でも起きるのではいかと危惧していた。

 避難所などに支援物資を届けながら、女性たちの相談に応じているうちに女子高生から学校の帰りに車が横付けになって2人の男に車に引きずりこまれそうになったという友人がいるという話を聞いた。たまたま自転車で通り掛かった男性がいたため、拉致は未遂で終わったという。震災後、新聞記事には被災地の女性が性暴力やDVを受ける事件が相次いでいた。

 番組が映し出した記事の映像では「避難所倉庫で」「強姦致傷」「強盗」「ナイフで脅して乱暴」「停電に乗じ乱暴」「仮設で縛られ」「内縁の妻死亡」「監禁致傷」などの見出しが映し出される。

(田端八重子さん)

「正井さんが言ってらっしゃったことはここまで起こるかと。震災と性暴力というのは(関係)あるんだということを思っておかなくてはいけないということがはっきりした。」

 田端さんは国の暴力防止を推進する担当部署に電話した。担当部署である内閣府男女共同参画局の暴力対策推進室長だった原典久さんは「我々としてはあまり考えたことがなかったといいますか、私自身は深く認識した事はなかったです。」と正直に話す。

(原典久・内閣府暴力対策推進室長=当時)

「これは大変なことになるといろいろな声を聞いて、そこで気付かされてとにかく早めに動こうと。」

 内閣府は緊急の電話相談事業の立ち上げを決定して予算を捻出した。

デリケートな相談をしにくい避難所の問題点

 原さんは田端さんの誘いで避難所を視察した時に目にした光景に驚かされた。大勢の人たちが隣り合って電話を掛け合い、プライバシーというものがない。電話器が置かれていても周囲に大勢の人がいるので性被害などの相談電話をかけられるような状況にはなっていなかった。

 被災地の現場では支援者たちがそれぞれ状況の改善に取り組んでいた。

 宮城県で長年、性暴力やDVの問題に取り組んでいるNPO法人「ハーティ仙台」代表の八幡悦子さんは、女性が避難所などで男性に気圧されてなかなか声をあげにくい状況を把握して、一策を講じたという。女性向けの支援物資の中に相談窓口の連絡先を記したカードを忍ばせたのだ。特に女性の下着などとセットにして女性だけの手に渡るように工夫を凝らした。

 また福島県で最大の避難所だった「ビッグパレットふくしま」でも運営責任者の天野和彦さんが女性の被災者のために心を砕いていた。赴任して数日後に女性たち5、6人が責任者に会いたい、とやってきて「私たち、毎日が恥ずかしいんです」と言ったという。「私たちには着替える場所がない」と言う。

女性だけの専用スペース

 女性が安心して過ごせる場所が必要だと感じた天野さんは女性専用のスペースの設置を決定した。一部の男性からは不公平だという反対の声もあったが押し切った。倉庫に使っていた場所を活用して「女性専用スペース」をつくった。日本で初めての取り組みだった。着替えや授乳だけでなく、悩み事や相談の場としても活用されていった。地元で女性の支援活動に取り組んできたベテラン相談員が常駐するようになった。介護や子育てなどの悩みも腹蔵なく話せる空間になって「女性の専用スペース」は「女性たちの人権を守る砦」(天野氏の言葉)になっていった。

くわしい対応策が描かれたドキュメンタリー

 このドキュメンタリーが優れている点は、この天野さんや八幡さんが女性のために工夫した点などのディテールがきちんと描かれているところだ。当時の映像があるわけではない。あるのは本人のインタビューと当時の写真だけ。それでも状況は伝わる。内閣府の官僚や自治体、NPOなど様々な関係者が知恵を絞って「女性たちが居心地のいい避難所」や「プライバシーを守れる相談場所」に心を配っていたことがわかる。

 「神は細部に宿る」というのは特にドキュメンタリーの制作において鉄則と言ってもいい掟だが、こうしたディテールを番組で描くことで当時の関係者の思いや動きが手に取るようにわかる。すぐれたシーンだと評価できる。

 内閣府が予算化した電話相談事業は、岩手、宮城、福島と順繰りにスタートし、臨時の受付拠点は11か所となった。様々な場所からアクセスできる体制をつくった。内閣府もスーパーの建物の中に相談室を設けたり、「相談しやすい環境づくりに心を砕いた」(内閣府の原さんの言葉)。

 その頃、神戸市のNPO法人「ウィメンズネット・こうべ」代表の正井禮子さんの元にミシガン大学教授の吉浜美恵子さんから電話が入った。本格的な調査を行い、国に対策を求めるべきだと助言する電話だった。

「東日本大震災で阪神淡路大震災と同じようなことが起きると思うから、今度は本当に流言飛語と言われない、本当に信ぴょう性のあるデータを集めようよ。」

 女性たちにとって社会がよりよいものになるための調査をしよう。社会を変えるために協力してほしい。正井さんたちのそんな呼びかけに全国の支援団体や研究者らが賛同していった。

 このドキュメンタリーがさらにすぐれているのは、この問題が単に女性の人権を侵害する性被害が深刻だという捉え方だけにあるのではない。この問題が「防災」にとっても重要だという捉え方をしている点だ。

「性暴力の抑止」が防災につながる

 番組に登場する支援団体の人たちや研究者、さらに制作しているNHKの番組制作者たちもこうした考えで一致している印象だった。よくよく考えてみれば、大きな災害が起きるたびに女性たちの安全が守られず、そのつど人権が侵害されて人として尊重されず時に自殺を考えるような苦しい状況に追い込まれる事態が起きるのであれば、防災上でも解決すべき課題だということができる。この「防災」という視点は新鮮だった。

「防災」の観点からの大がかりな全国的な実態調査

 シングルマザーの問題に取り組んできたNPO法人「しんぐるまざーず・ふぉーらむ」などの支援団体がかかわった。日本で早くからDV(ドメスティックバイオレンス)の全国調査に取り組んだ経験がある湯前知子(ゆのまえ・ともこ)さんもこの調査メンバーに加わった。

(湯前知子さん)

「日本ではそれまでこのような調査がほとんどなかった。

最初の調査になりうるので今度の防災というものに活かしていきたいという私たちの気持ちはありました。」

 内外の災害現場を歩いて防災の体制を研究してきた静岡大学教授の池田恵子さんも実態調査が必要だと考えてチームに加わったという。

(静岡大学教授・池田恵子さん)

「相談窓口に出てくるものは本当に氷山の一角だと思うんです。数を論じるよりも、どんな事件がどういう場所のどういう状況で起こっているのかを詳細に知ることによって具体的な対策に結びつけやすい。」

 調査は避難所への立ち入りを許された現地の支援団体や医療関係者らの協力で進められた。信ぴょう性を高めるため、被害の内容や相手の人数、時間帯、加害者の属性など聞き取る質問は37項目。1年がかりで調査が行われたという。

 日本で初めての「災害時における子どもや女性に対する暴力の実態調査」が行われた。こうして2013年12月に「東日本大震災『災害・復興時における女性と子どもへの暴力』に関する調査報告書」がまとめられた。その紙の分量だけでも分厚いもので膨大な調査報告書であることが見てとれる。

 その内容についてはNHK「クローズアップ現代+」のホームページに以下のように記されている。

調査結果では、10代から60代までの女性や子どもたちが、さまざまな場所で、DVや性暴力の被害を受けていたことが明らかになりました。さらに、関係者が注目したのは「対価型(見返り要求型)の暴力」です。震災や津波などで夫や家族を亡くす、失業する、家財を失うなど、弱い立場の女性に支援をする対価として、性行為を要求するという事例が複数報告されたのです。

出典:NHK「クローズアップ現代+」番組ホームページ

 震災によって電灯もつかなくなった暗闇で、力のない女性たちが近くにいる男性からの性暴力に遭っていた実態が浮かび上がってきた。

(避難所で性暴力を受けた女性)

「複数の男性から暴行を受けました。

騒いで殺されても海に流され津波のせいにされる恐怖があり、その後も誰にも言えませんでした。」






八切史観とは何か

八切止夫の「切腹論考」にはいろいろと示唆的な事が書かれているが、まだ全部読んではいない。以下の文章は、八切氏の発言ではなく、それに触発された私の妄想である。

とりあえず、「八切史観」は、日本史とは日本原住民と大陸系侵略者の闘争史である、という思想だと見ていいのではないか。武士や非人などは日本原住民で、公家や朝廷は大陸系であるわけだ。
そして、大陸系侵略者が原住民宣撫工作として用いたのが仏教だったわけである。
つまり、聖徳太子の頃が、その闘争の一番最初のものだったと思われる。蘇我氏が大陸系の中心で、その神輿に担いだのが今の皇室の祖だろう。
征服された日本原住民がエタ・ヒニンやサンカとなり、百姓(八切氏は原住民の中の「投降者」だと見ているようだが)となり、その中で武技(屠殺の技)を持つものから武士が生じたわけで、武士は公家の下働きであり下層階級だった。
仏教は「まつろわぬ民」を精神的奴隷にするための手段だったわけである。単なる手段だから、公家や皇室も本気で仏教を信じてはいない。だから、古来の日本神話伝説を「古事記」や「日本書紀」では採用したわけだ。また、「神道」というものも、べつに存在していなかっただろう。単なる地方地方の土俗風習や迷信が総合されて「日本神道」になっただけで、大陸系侵略者への反発から「神道」というものを仏教に対抗して作ったのだと思う。

織田信長の仏教嫌いというのも、鎌倉武士が仏教の中で禅宗だけを採用したのも、八切史観で納得がいく。なお、「八幡神」は、武家の守護神だが、「ハチ」は日本原住民に与えられた名称だと「切腹論考」ではされている。

ところで、初期の仏教の教えというのがどんなものだったか、よく分からない。般若心教的な「哲学」でなかったことは確かだろう。仏像の荘厳さで恐れ入らせる類のものだったかと思う。仏教の真髄を理解していたのは聖徳太子くらいではなかったか。
彼の「世間虚仮、唯仏是真」とは、現実(外界)は虚構であり、虚構(心が作り出すもの)こそが真の現実である、と私は解釈するが、それは私と同じ思想である。外物は、心の中で受容されることで現実化されるわけだ。それは、心が現実を作る、と言っていい。
ところで、「仏(佛)」とは何か、と言えば、それは漢字から判断するしかない。「弗」とは、「非ず」の意味で、ニンベン(人)にこれが付くわけだから、「人に非ざるもの」となる。つまり、「人であることから脱却すること」が「仏道」だとなる。一般には、人としてのすべての迷妄から脱却することだろうし、また六道輪廻から脱却すること、あらゆる欲望(愛情も欲望である)から脱却することである。つまりは「超人」となる道であり、「祖佛を殺す」禅宗などもその意味では仏教であるわけだ。