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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

正しい歩き方と立ち方

私は中学校くらいから間違った歩き方をしていたため、中年以降にその弊害で膝を悪くしてしまったのだが、小さな習慣が長い年月には大きな影響を与える、ということだ。
ちなみに、その間違った歩き方とは、両足を平行にした形で前に出すというもので、正しい歩き方とは、自然に立った時の状態、つまり両足が「ハ」の字を逆にした状態のまま、前に出すというものだ。これが人間の骨格に合った自然な歩き方である。
ついでに言えば、ファッションモデルのように脚全体をまっすぐ棒のようにして歩くのもおそらく間違いで、正しくは、膝を数ミリ曲げた状態で着地させるべきだろう。そうでないと着地のたびに膝に衝撃がかかる。美的ではないが、膝にゆとりを持たせるほうが健康的な歩き方だと思う。高野文子の漫画の人物が、そのような歩き方をしていたが、高野文子は元看護婦だっただけに、そのあたりを知っているのかもしれない。他の漫画家で、膝を少し曲げた歩き方をキャラにさせている例は見たことがない。つまり、「美的でない」からだろう。
なお、ここ数年私が心掛けていることは、「なるべく踵を地に付けない」ことである。
これは、猫や犬などの四足動物の足とは、人間で言えば爪先部分で、つまり彼らは常に爪先で歩き走っていることになるからだ。人間でもジャンプしたり走ったりする時には実はほとんど爪先だけを接地させている。(ジャンプや走りの着地の際に踵は接地するが、それは「体重を受ける」だけであり、地面を蹴る、つまり力を生み出すのは爪先だけである。)踵を地に付けるというのは、人間が二足歩行をする便宜上生まれたもので、極端に言えば、二足だけで立って静止する状態を維持する以外には踵を地に付ける必要は無いのである。
爪先だけで立ったり歩いたりする利点は、行動が慎重になるという心理的メリットもある。狭い台所などで行動する際に、「踵を付ける歩き方」と「爪先立ちの歩き方」では慎重さに大きな違いが自然に生まれるものだ。
さらに、爪先だけで立つことで、腹筋に小さな負荷がかかり、それは腹筋を使わない生活をしている現代人にはいい運動になる。さらに言えば、肛門括約筋も締まる。これは東洋的健康法でよく言われるポイントである。
おそらく、子供のころから「爪先立ち」を常に心がけるだけで、健康だけでなく運動能力も二割から三割くらいは増進するのではないか。私に男の子がいたら、それを教えたのだが。





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