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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

翁の文(第一節)

「現代倫理学」を自分で考えるよりも、江戸期の天才的思想家と言われる富永仲基の「翁の文」を自分で現代語訳するほうが、自分自身の勉強にもなり、客観的価値もあるだろう、と思いついて、これからしばらくその作業をする。
序文の類は省略して、本文からすぐに訳してみる。古語辞典などは使わないし、難しい漢字などは適当に判断するつもりであるから、一種の「超訳」である。


(以下「翁の文」現代語訳)

今の世に、神道・儒教・仏教と言って、インド・中国・日本三国並んでいるもののように思い、或いはこれを一致した教えであるかのように思い、或いは互いにこれが正しいこれは間違っていると争うようなことをしている。しかし、道の中の道とも言うべき真の道は格別なもので、この三教の道は、みな誠の道に適っていない道であると知るべきである。なぜかと言えば、仏教はインドの道、儒教は中国の道で、国が異なるのであるから日本の道ではない。神道は日本の道ではあるが、時代が異なるので今の世の道ではない。国が異なるといっても時が異なるといっても、道は道であるはずだが、道の中の道ということの本質は、それが実行されるということから生じるもので、実行されない道は誠の道ではないのだから、この三教の道は、みな今の世の日本には行われない道であると言うべきである。


















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