「自閉スペクトラム症」と自閉症
ところで、「スペクトラム」って何? 下の記事も、これは説明していない。
一応英語辞書を引くと、「領域、範囲」の意味だが、プリズムで分光された光線の色彩範囲をも言うようで、要するに、「症候群(シンドローム)」と同じだろう。
つまり、「自閉スペクトラム症」というのは誤りで、「自閉症スペクトラム」と言うべきだろう。
自閉スペクトラム症と自閉症の違いなど
自閉スペクトラムの原因
さまざまな遺伝的要因が複雑に絡み合って起こる、脳の機能障害が原因だと言われています。
これは生まれつきのものですので、育て方や環境が原因となることはありません。
自閉スペクトラムの症状と特徴
①社会的コミュニケーションの障害
- 相手との適切な距離感がわからない
- 話がうまくかみ合わない
- 興味や感情の共有が難しい
- 人の表情や話し方から感情を読み取ることが苦手
- 言葉の理解や使い方、イントネーションが独特
- 人の気持ちを察して話したり行動することが難しい
- 集団行動が苦手
- 暗黙のルールを理解できない
- 皮肉や冗談が理解できない
②限局的反復的な行動パターン
- 何かに没頭するとまわりが見えなくなる
- 物事の手順に強いこだわりがある
- 些細なことが気になって作業が進行しない
- 音、光、人との接触、においなどに対して敏感
自閉スペクトラム症の診断
診断基準(DSM-5:「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」)や(ICD-10:「国際疾病分類第10版」)などをもとに症状や生活の中の困りごとなどを確認し総合的な診断へとつなげます。
また発達障害の診断には生育歴などの情報も重要になってくるため、ご家族と一緒に来院いただいたり、通知表など幼少期の様子が分かるものがあると診断に役立ちます。
また心理検査なども併せて実施することで特性や得意不得意を理解しその後の支援に生かしていくことができます。
また大人になって自閉スペクトラム症と診断されるケースはそれまで集団内での問題を回避できていたが、不安障害やうつ病などの合併症や職場での不適応を原因で来院されるケースも多いため他の精神疾患のベースに自閉スペクトラム症がないかを考えていくことが重要になってきます。
自閉スペクトラム症の治療法、処方薬は?
PR