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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

イギリスの近代の貨幣単位

少し昔のイギリスの推理小説黄金時代の推理小説などを読んでいてイライラするのが、出てくるカネの単位である。まったくイメージがつかめないからだ。
私は、1ポンド=1000円というイメージで読んでいるが、それ以外だと、たとえば1ペニーは10円くらい、という感じだが、その他の貨幣単位はまったくイメージがつかめないし、貨幣ごとの換算も理解できない。
そこで、ジュブナイル的なクリスティ全集の解説にあった換算表の一部を紹介する。
ちなみに、貨幣の1ポンドは銀1ポンド(約450グラム)に相当する価値だったようだ。

1ポンド=100ペニー(ペンスはペニーと同じ)
1シリング=5ペンス
1ソヴリン(金貨)=1ポンド
1クラウン=5シリング
1フローリン=2シリング=10ペンス
1シリング=10ペンス
1ペンス=4ファージング
1ギニー=1ポンド


以上は時代が異なる貨幣単位も含めての大雑把な貨幣価値である。最小単位がファージングとなるだろうか。しかし、実際にはペンス(ペニー)がほぼ最小単位だったと言えるのではないか。
なお、時代的差異もあるし、書き写し間違いがあると思うので、現代のイギリス旅行などではこの換算表は使えないことを注意しておく。あくまで、推理小説を読む際のイメージ上の話だ。


(追記)今、読みかけの現代イギリスのジュブナイル小説の中では「夕食代には10ポンド札が1枚あれば十分だ」という言葉があったので現代イギリスの貨幣価値は20世紀初頭から中期のころの10分の1くらいに低下し、1ポンドが100円くらいと見ればいいかと思う。貨幣価値はほぼ確実に時代とともに低下するのである。それは、「利息」がある以上、発行貨幣の総額よりも小切手その他で「膨らんだ」流動性、つまり貨幣・紙幣・小切手・証券その他のカネに相当する「モノの価値の象徴的存在」の発行額面が年々増える、つまり額面より価値がどんどん低下するからである。言い換えれば、「金融資本主義には運命的にインフレ(カネの価値低下)が伴う」わけだ。




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