忍者ブログ

独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

精神薄弱児と親の見栄

「おうちhack」というサイトの記事である。
私は特別支援という制度に詳しくないし、その現実も知らないが、特別支援学級に自分の子どもを入れるのを嫌がり普通学級に入れる親が多いことは知っている。要するに、「自分の子どもがIQがかなり低い」ということが周囲に知られるのが嫌なのだろう。
その結果、周囲に下の記事のような迷惑がかかることになる。教師にも同級生にも迷惑だろう。時々、そういう精神薄弱児がクラスにいて良かったという「同級生の回想」が記事になったりするが、そういう感想を持つことは本当にあるのだろうか。もちろん、精神薄弱児の中には性格は物凄く善良であるという子供もいるのだろうが、その世話が大変だという事実は変わらないだろう。
問題は、そういう精神薄弱児は普通学級ではその子のレベルに合った教育はまったく受けられないことで、特殊学級に行けば得られた程度の知的訓練も受けないまま成長してしまうと思われることだ。
要するに、「親の見栄」がすべてを最悪にしてしまうということである。




「特別支援」という制度と現場とのギャップについて


twitterでこんなtweetを目にしました。
子の級友として、支援員として、何人もこういう支援学校相当のお子さんが
通常学級にいたり、支援学級にいたり通級したりするのを見てきました。
「小学校のうちはせめて地域の学校に行かせたい」
皆さん口をそろえてそうおっしゃっていました。

また、学校に入ってから知的障害や発達障害等がみつかり、それでも支援の手を拒む例もみてきました。

現在の制度上では・・・

現在の制度では、就学時判定で支援学級相当、支援学校相当という判定が出ても、
親が「通常学級に行かせます」と言えば通常学級で入学することになります。
当然担任や周囲、当事者のお子さん本人も困るのですが、制度上強制的にお子さんを
支援学校や支援学級に行かせることはできないのです。

ではどうするか、支援学級に入っていなければ本来支援員がつかない学校すらあります。
その場合は担任やTT(チームティーチング)の先生方の努力でどうにかしろ、となります。
お子さんの状態を見て、支援員が運良くついた場合、最初にあるtweetのようなことになります。

実際の現場で・・・

支援員をやっていた時、同僚に支援学校相当のお子さんの担当の方が居ました。
その方はトイレに行く時間も確保が難しい場合があるので、朝から極力水分摂取を減らしたり
他の方にお願いしてトイレに行ったりしていました。
誰かにお願いしないと自分がトイレにすら行けないのです。

この支援員という制度も各自治体によって様々で、私の自治体では何の知識もない素人でも熱意とやる気があればOK、ご主人の扶養の範囲内でのお仕事です。と募集に書かれています。
夏休み冬休み等の休みは学校に行かない=お給料が出ないので、確かに扶養の範囲内で働けるお給料です。

ちょっとだけ他より時給が高いので、何の知識もない人が「お世話すればいいのね」とやってきてその子ができることも「お世話」してしまい、どんどんなんでも「お世話」されればいい子になる例も見ました。

私は自分の自治体しか支援員の実態がわからないのですが、教員免許を持っている人に絞ると予算がかさむでしょうし、介護系資格とはまたちょっと違うような気がしますし、保育士さんとかが該当するのでしょうか。

支援学校相当の子ですと、tweetにもあるように、本当に一瞬も気が抜けません。
一瞬目を離したら何か事故や事件が起こっているなんてことも普通にありうるからです。

ではどうすればいいのか

親御さんの気持ちや思い、お子さんをどう伸ばしていきたいかももちろん重要ですが、
支援学校相当の子が通常学級に入るというようなことがないような制度作りは個人的には必須だと思っています。
そこで親御さんの気持ちも汲みながら、親御さんを説得?説明していくようなコーディネーターも必要でしょう。世間一般の偏見や差別を解消していくことも大事だと思います。

それからうちの自治体は「ド素人は現場で即戦力にならないことをいい加減わかれ」ですね。
以上、元支援員の戯言でした。

PR