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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「失われた地平線」とは何か

もちろん、世界的に「シャングリラ」という名前が知られたのはヒルトンの「失われた地平線」と、その映画化作品のためだが、その語源がヒンドゥーのシャンバラだとは知らなかった。最近ではその「シャンバラ」という言葉もかなり使われているようだ。
しかし、なぜ「失われた地平線」なのだろうか。チベットに地平線は無いと思うが、だからこそ「失われた地平線」ということか。最初から無いのに「失われた」というのはおかしくないか。
で、映画の主人公が「二度とその理想郷に行けない」という意味で「失われた」というのなら、失われたのはやはり「地平線」ではなく、「国」だろう。(もっとも、高山地帯だから遠くの地平線が見えることは見えるわけだが、その地平線が意味するのは、主人公の母国である英国だろう。とすれば、主人公は帰国できたのだから、「失われて」いないわけである。)(英語の原題は知らないので、私は無駄な思考遊びをしたのかもしれない。)



pwatermark チベットにある理想郷、という小説内の都市で、モチーフはヒンドゥーのシャンバラだそうだ
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