脚絆(ゲートル)
最近は「スパッツ」が別の意味で使われるようだが、少し前の西洋の小説に出てくるスパッツは、靴に巻くスパッツであることが多い。軍隊以外では、実用品というより、一種のお洒落でもあったようだ。ギャングの服装の描写に出ることが多かった。レギンスも、現代のファッションでは違う意味のような気がするが、よくは知らない。
脚絆(きゃはん。脚半とも[1][2])とは、脛の部分に巻く布・革でできた被服[3]。ゲートル(仏: guêtre)とも。
概要
[編集]活動時に脛を保護し、障害物にからまったりしないようズボンの裾を押さえ、また長時間の歩行時には下肢を締めつけて鬱血を防ぎ脚の疲労を軽減する等の目的がある。日本では江戸時代から広く使用されるが[4]、元となった脛巾(はばき)自体はそれ以前から(武家・庶民共に)見られる[5][6]。現在でも裾を引っ掛けることに起因する事故を防いだり、足首や足の甲への受傷を防ぐ目的で着用を義務付けている職場があり、作業服などを扱う店で販売されている。
日本の伝統型脚絆
[編集]- 大津脚絆
- 上下に結び紐を付したタイプ。
- 江戸脚絆
- 上部に紐を、背部にコハゼを付したタイプ。
- 筒型脚絆
- 円筒形に縫い、上部に紐を付したタイプ。
西洋型脚絆
[編集]→「w:Gaiters」も参照
レギンス(スパッツ型、短ゲートル)
[編集]いわゆるレギンス型とは面積のある1枚ものの布または軟革をバックルやボタン、バンドなどで固定するもの。足の甲を覆う形状のレギンスでは、靴の土踏まずに掛けるベルトを備える場合がある。世界の軍隊の装備としては第二次世界大戦頃までは後述の巻脚絆と共に双璧をなしていたが、戦後は編上げ式の半長靴の普及によってとって代わられ、儀礼的な軍装品としてのみ形を残している。民間においては、溶接業、製鉄などの金属工業、機械工業などの職業分野で、足首と足の甲を保護するために多用されており、面ファスナーで固定する製品もある。
脛全体ではなく、踝辺りのみを巻く小振りのレギンスは「短ゲートル(半脚絆)」などと言われる。また、硬革の脛当てである「革脚絆」は、主に乗馬長靴の代わりとして用いられた。
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