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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「辺境伯」は重要な地位

中世欧州風の国を舞台にすることが多い異世界物小説(多くはなろう小説)によく出て来る「辺境伯」という言葉の正確な意味を知りたくて、愛用の「新明解百科語辞典」で引いてみると、だいたい漠然と予想していた通りの内容だった。

辺境伯:フランク王国、神聖ローマ帝国で、国境防衛のために設けられた辺境領と呼ばれた地域を統括した高官。大公に類する権限を有し、次第に諸侯化した。

で、おそらく、いい加減に作られたラノベの中世風騎士物語風小説では、この「国境防衛」や「大公に類する高官」や「諸侯化した」というあたりはまったく考慮のほかで、単に「何となくカッコいい名称だから」という理由で「辺境伯」という名前を使っていると思う。おそらく「諸侯」の意味する地位の重みも知らないのではないか。
特に確認せずに書くが、「フランク王国」は現在のフランスの前身、「神聖ローマ帝国」は現在のドイツ・オーストリアの前身と思えばいいか。ナチスドイツがオーストリアを併合し、「第三帝国」を自称したのは、古代の「ローマ帝国」、中世の「神聖ローマ帝国(西ローマ帝国)」を血統的に受け継いでいる由緒ある国家だという宣伝広告だと言えるだろう。
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