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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「ルッキズム」問題への小さな感想

先に、この言葉を赤字にして引用する。

ルッキズムに苦しむ人というのは、たいてい、

 

その人自身が「みかけ」で人を判断し、値踏みしているのです。

 

だから、「差別主義者」なわけですよ、その人自身もね。


これは、「暴言王」孔徳秋水氏の言葉で、言われてみれば「成る程」だが、氏が「当人が解脱すればよい」と言うほど、問題はそう簡単ではない。第一、解脱など聖人の話であり、凡人にできることではない。そして、いかに当人が気にしないつもりでいても、世間や世界がその人をルッキズムで判断することに、そしてその結果不利益を与えることに変わりはない。
まあ、秋水氏の言葉は「一見有難そうなお念仏」でしかないだろう。

突然、話が変わるが、「ハンター×ハンター」と言う漫画があって、アニメにもなっている。この作者の冨樫は、珍しい「反ルッキズム作家」ではないか、と私は思っている。と言うのは、彼が描く漫画には美人美少女が無数に出るが、その大半は単なるモブで、その美人美少女の半分くらいは悪女で、残り半分は「偽装した男(女)」なのである。つまり、人間の外貌など、いくらでも変えられるし、その内面の価値は判断できない、という思想がここにはあるわけだ。
私が「H×H」の登場人物で好きなのがビスケとパームだが、前者はマッチョなオカマの偽装した姿でありその絵画的意味でのキャラが好きなだけだが、後者は恋愛脳の半サイコパスである。しかし、その一途さは、ある意味女性の本質的な美質を表してもいる。サイコパスだのに「性格が美しい」というのはおかしいだろうが、つまり「可愛い」性格なのである。やたらと包丁を振り回す危険な女性だが、それも恋愛脳のためだ。その「恋愛がすべてに優先する」というのを、私は女性性と言っているわけだ。
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