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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「ロリータ」を読まずにロリコンを語ることの愚


mk氏の思想もcdb氏の思想もとんでもなく的外れな気がするが、改めて考えるほどのテーマでもないとは言え、思考欲求を刺激される問題ではある。
中学高校の恋愛が性欲をきっかけにした恋愛じゃない、などというのが男からしたら勘違いも甚だしいのは言っておく必要があるが、十代の恋愛(あるいは10代の人間を恋愛対象にすること)をロリコンと結びつける考えも異常だろう。
もともと性的対象としての女性は10代がピーク(ただし出産年齢はそれより高いほうが母体は安全)であったからこそ、世界史的に10代から結婚年齢となる社会が多かったはずだ。それをロリコンと呼ぶのはウラジミール・ナボコフの「ロリータ」が、低年齢の少女への性欲や恋愛を描いて、その「性的興奮度」の高さを先進国人士に認識させたからだろう。
ちなみに、「ロリータ」は、「十代の恋愛だけが純粋な本物の恋愛だ」という思想に呪縛された主人公ハンバートハンバートが、ロリビッチの少女に振り回される話であり、むしろ「十代を聖像化する」思想の破綻を描いている。

ついでに言えば、十代、あるいはローティーンの少女の精神年齢の低さからして、そうした少女は成人男性の恋愛の対象にはなりえない。単に性欲の対象になりうるだけである。それを「ロリコン」と一般には言うのであり、それは「十代を聖像化する」思想の対極だろう。「聖像化」するとは神聖なものとするということであり、性欲の対象とみなすことではない。




さんがリツイート

なんていうの、この「十代の恋愛だけが純粋な本物の恋愛で大人の恋愛は性欲と打算にまみれたニセモノ」っていう考え、典型的な「ロリコン」と呼ばれる十代を聖像化する強迫観念の最も中心的な考え方なんだけど、女性が発言すると1万6千いいねされてしまうのかと呆然としています。

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『記・紀』の加上的構成

富永仲基の「加上説」は古典思想書や古代文学を読み解く際の基本的な考え方だが、日本書紀と古事記とにもこの加上があることを知らない人は多いかと思う。つまり、現実の天皇家の祖である初代天皇の先祖としてさらにその前々から天皇が存在していたかのように書かれており、それらは天の神々との区別がつきにくく描かれているということだ。
現実に存在した「日本統一(中央政権確立)の中心的存在」としての天皇は(神武天皇などではなく)崇神天皇かと言われている。これはその和名が「ハツクニシラススメラミコト」つまり、「初めて国をお治めになった天皇」であることからそう推定されている。
ちなみに、松本清張は、皇室の祖は朝鮮からの渡来人だっただろう、と考えているが、私もその意見に賛成する。さらに、皇室以前から中国近畿一帯に力を持っていた先輩的渡来人(これも朝鮮からの来訪者だろう。)が「出雲族」であった。つまり、出雲族はべつに現実の出雲の住人ではなく、大和地方などに先住していた「先輩的渡来人」だったということだ。
「記・紀」はそういう政治資料(皇室のプロパガンダ書籍)として読むのが一番面白く有益である。
なお、私は皇室と天皇は日本文化の歴史的中心と考えているので、政治的なその有効活用を図るべきだと思っている。天皇の存在を廃滅せよとの意見には与さない。
余談になるが、邪馬台国時代から日本は中国政権の属国であったり朝貢国であったりした事実を思えば、属国的政治体制は日本の伝統であり、現在の米国属国体制は日本の官僚や支配層の体質に合っているわけであるwww


(以下「松本清張全集33」付論から転載)


『記・紀』が事実上の初代天皇(崇神・応神・継体のいずれにしても)よりはるか以前に国王始祖として神武をつくり、ニニギ命を地界と天上界とのつなぎ役とした。(中略)
ニニギによってつながれた天上界に始祖の祖先アマテラスをつくり、さらにその祖別天三神までつくったのは、天皇の存在が新しいものではなく、はるか悠久の昔から系統がこの国土につづいていたことを語りたいからで、その誇張的叙述はかえって当時からみて天皇発生の新しさを示す。さらには天皇家の祖がこの国土の人でなかったことを逆に暗示している。それを隠蔽粉飾するために『記・紀』の神代巻がつくられたようなものである。

家内奴隷としての妻子

松本清張「清張通史1 邪馬台国」より転載。


倭国の大人(注:富裕者、支配層)は皆四、五婦、下戸(注:被支配層)も或いは二、三婦を持つという「倭人伝」の記載は、三世紀倭国が家父長の社会だったことを見せている。ここにいう多婦制は、いわゆるハーレム(後宮)的なものではなく、妻の奴隷化の意味である。
階級発生の基本的な形には、「妻子の奴隷化ーー家内奴隷ーー古典的奴隷」の線に沿って行き、また、一方では「農奴」型の進行があるという説がある。階級分化は共同体の間での闘争による被征服者が征服者の奴隷となって起こるだけではないというのである(早川二郎「奴隷所有者的構成の東洋的形態の問題」=『歴史科学体系』1)。
要するに、闘争に勝った共同体は負けた共同体の土地(耕作地)をうばい、その人々を奴隷としてその土地にしばりつけてはたらかせ、その貢ぎものを取る農奴的なかたちと、あるいは勝った共同体の奴隷とする奴婢的なかたちとがいっしょにおこなわれたであろう。後者の奴婢的な奴隷が首長など共同体の権力者に数多く配せられたであろうことはいうまでもない。
一夫多妻制は、のちには王侯貴族・富者のハーレム化したが、原始社会では「妻子は家内奴隷だった」という説はみとめてよい。
話は一足とびにとぶようだが、いまでも東洋だけに残り、とくに日本では強い婚姻習慣となっている結納の儀礼も、もともとは嫁取りすることによって先方の家内労働力(女子)を贖うという古代の習慣からきている。

「良い雰囲気の職場」の生贄

コメント47の人はかなり賢いと思う。世間知があると言うか。物事を言葉通り、あるいは見かけ通りに信じがちな私などは、常にコメ47のような発想を持つ必要がある、と反省した。会社の上層部なども、こうした意識は必要だと思う。






47名無しさん2018/05/07(月) 15:05:12ID:tqd返信
良い雰囲気の職場だと1は言ってるが実は生け贄のように辛い仕事内容で苦しんでる従業員が1人いるかもしれん。
わりとある話なんだわ。あれ?この部署って○○さんに一番キツイことを丸投げしてるだけだよね?っていう。△△さんって実は楽なことをしてるだけだよねっていう。

男の会話と女の会話

女性に論理的に話しても無駄だ、という趣旨のスレッドのコメント欄の一部だが、そのコメントのひとつ(コメント5)が、まさにその趣旨を裏書きしているように思えるので、転載する。
「女同士なら(言葉にしなくても)察し合うことができる」というのは、言葉で話す必要が無い、つまり論理性は不要ということだろう。男は、言葉をひとつひとつ確かめながら話を進めていくのだから、「察しろ」という相手と議論することは不可能である。議論と言っても口喧嘩ではない。お互いに妥協点や問題の解決を見出すための話し合いだ。
女性はあれほどお喋りなのに議論が嫌い、あるいは苦手だと思われるのは、「相手の発言内容を理解する」努力をしないためではないか。
よく言われるのだが、女性は相手が話している間、ほとんど聞いておらず、自分が次に言うべきことを考えている、ということだ。これではお喋りは成立しても議論は成立しない。相手の発言を聞いていない(理解する努力をしない)のなら、そのお喋りも、論理とは無縁な「言葉によるお互いの愛撫行為」でしかない。


(以下引用)


コメント一覧

    • 1. 名無しさん+
    • 2018年05月16日 03:26
    • 真面目に取り合うと損ってことだな
    • 2. 名無しさん+
    • 2018年05月16日 03:34
    • ※1
      相手が真面目かどうかの嗅覚すごいから火に油注ぐぞマジで
    • 3. すまいる名無しさん
    • 2018年05月16日 04:07
    • 論理的に説明してくれないとイラっとくるけどなあ
      意外に男性でも感情論に走りがちな人って多いよね
    • 4. 名無しさん+
    • 2018年05月16日 04:11
    • 人によるだろ。
      血液型の話には根拠がないとか否定的なのに、女は男はってアホみたい。
      感情論が嫌いな女もいるし、感情論でしか語れない男もいる。
    • 5. 名無しさん+
    • 2018年05月16日 04:12
    • 女同士なら問題なく察し合い、気遣いし合える簡単なことでさえ男は察せないからイラッとくる。我慢し続けることで爆発し、「感情的」と言われる始末。女同士なら何のいざこざも起こらないような場面でも、男が察せないせいで無駄に腹が立つ。ただそれだけの話なんだが、男はそれが分からないから。
    • 6. 名無しの権兵衛
    • 2018年05月16日 04:27
    • スレの※70は、煽り口調でとにかく人をイラッとさせれば勝ちみたいな輩は「女にも」居るので、それは単にそういうタイプ。
      それとは別に、一般的に女の場合は口論の延長上に「物理的暴力」は入ってないので、そのあたりに男との違いがある。
      言葉の暴力じゃないか!って言うかもしれんけど、女同士の場合、言葉の暴力はやはり言葉によって応酬されるものだから。
      子供の頃の男の子同士、女の子同士のケンカ思い出せばわかると思うけど、年近い姉妹でもない限りクラスの女同士で口論→取っ組み合いってあまり見たこと無いでしょ。
      男の子の場合、口論はむしろ取っ組み合いの喧嘩への前哨戦だからね。
      女の人は、男性相手に説明や要求をする際、相手の言語理解力が同程度でない可能性も含め、口論と取られない工夫や、感情抑える喋り方をすると良いかもね。