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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

脳梗塞にかかるのは馬鹿だけ?

岡田斗司夫のこの言葉は私には意味不明なのだが、「頭脳明晰で論理的」な人間は脳梗塞にかからない、と言いたいのだろうか。頭脳の性能と脳梗塞にかかるかどうかはまったく関係が無いと思うのだが。あるいは、善意に解釈したら、「頭脳明晰で論理的な人でも脳梗塞にかかって、その頭脳を失うから気の毒だ」ということだろうか。それなら、脳梗塞患者全体への侮辱だろう。脳梗塞による身体障害は残っても、リハビリに成功したら、頭脳の能力自体はかなり回復できると思うのだが、どうだろう。
なお、私の近親者も脳梗塞や脳溢血になった人が多いことは前に書いている。そのうち、私の父は、田舎の小学校中学校開校以来の秀才で、毎年のように級長(学業が一番の者がなるのが当時は当たり前だった。)をしていた人間である。だが、百姓の生まれなので、高等教育は受けられず、軍人になったが、田舎出身の軍人として異例の出世をしている。




あの頭脳明晰で誰よりも論理的な構文で語る山本さんが!
橘玲はこの人の文章を写経したら、1万倍わかりやすくなるのに!という「ラノベ文体でハラリが書けるSFおじさん」である。
そんな人でも脳梗塞にかかるんだよなー。
逃れられないんだよなー。

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蕎麦とうどんの優劣

私はうどんも蕎麦も好きだが、毎日食べているのはうどんである。蕎麦は、夏には食べたいが冬には、年越し蕎麦だろうが、さほど食いたいとは思わない。つまり、熱い汁に漬かった蕎麦はまったく美味いとは思わない。蕎麦の漬け汁(と言うのか)は、醤油を薄めただけという感じであって、塩分がかなり高そうなので、あまり食物の塩分を気にしない私でも、毎日三食蕎麦を食うのはためらう。
なお、うどんも蕎麦も天かすを入れてたぬきうどんやたぬき蕎麦にしたのが一番美味い。冷やしたぬきも美味い。昔は月見うどんが好きだったが、今はさほどでもない。生卵の月見よりも、目玉焼きでも載せたほうが美味いのではないか。
なお、下の写真は、某スレッドのコメントを載せるつもりが、写真だけコピーされたのである。貧相なうどんで、美味そうには見えない。
スレッドのコメントにあったが、うどんはコンビニだろうがデパートだろうが、不味いうどんというのはほとんど無いが、蕎麦は極端な味の差がある。かと言って、有名蕎麦屋が抜群というわけでもない。立ち食い蕎麦でも、美味い店は美味い。今はどうか知らないが、代々木の富士そばは美味かった。銀座(砂場とか言ったか)だかどこかの「藪そば」のも食ったが、まあ、美味いことは美味いが、わざわざ店を探して行くほどの味ではなかった。



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賃貸住宅の家賃値上げは拒否できるか

「紙屋研究所」から転載。
まさに「生活の知恵」であり、しかも、大げさに言えば生命の存続に直結する話であるが、ネットの無かった時代には、こうした疑問に答えてくれる人はほとんどいなかったのである。


(以下引用)



アパートの家賃値上げに応じないと立ち退きか

 アパートの家賃値上げに応じないと立ち退きか――こういうタイトルの電話相談と回答が今日(2018年10月10日)付の「しんぶん赤旗」に出ていた。

 

 前、この話は聞いたことがある気がする。

 だけど、忘れていた。

 実は、今借りている家の老朽部分をまとめて改善を要求しようと思っているんだが、もし「じゃあ家賃を値上げする。嫌なら出ていけ」みたいに言われたらどうするんだっけ? と疑問に思って調べた記憶があるのだが、忘れてしまった。

 あと、1年前に契約の更新があって、その時も「家賃を上げたい」と言われたらどうするのかと思って調べたような気がした。でも忘れてしまった。

 今日の電話相談は、忘備録的に大事だと思うので、書いておく。

 アパートに35年すみ、大家からの書状には次の更新時に20%引き上げると書いてある。パートで暮らしていて払えないのでどうすればいいかという相談だ。

 回答しているのは平井哲史弁護士。

居住用に建物を貸している場合、建物の賃貸借契約の更新を拒絶することは、正当な事由がなければできないのです。(裁判例や旧借家法1条の2、現在の借地借家法28条)……借り手側に家賃の滞納などがなければ更新は認められます。

 相談者は「次の更新のときはどうすればいいか」と尋ねる。

 従来の契約条件で更新したいと要求できます。増額後の家賃を示されても「納得できないので払わない」と言ってください。

 もし家賃を上げないなら契約更新をしないと言われても、法定更新といって当然更新するので、これまで通り家賃は納めてください。……家賃の受け取りを拒まれた場合は法務局に家賃を供託する必要があります。必ず供託してください。 

 

 ただ、更新時でない場合の「正当な事由」というものがどうなるのかは議論があるでしょう。そこもこの相談は回答していますが、要するに、大家側から「近隣の相場と比べて低すぎる」などの証拠を示して裁判所などに調停を申し立て、協議しないといけないようなのだ。

 つまり家賃値上げは一方的なものではないのである。



おしゃれは我慢でできている

「おしゃれは我慢で出来ている」は名言。
私はハイヒールを履いている女性を見ると感心する。よくあんな曲芸的な歩きができるな、と思う。しかし、女性がハイヒールを履いても特に誰も何とも言わないが、キムタクが上げ底靴を履くと、大騒ぎする。どちらも、足の短いのが足を長く見せる工夫であり、男だけに悪口を言うのは男性差別ではないか。
まあ、私も男のピアスとか髪染めとか大嫌いだし、キムタクも嫌いだから彼が悪口を言われると嬉しいのだが。
なお、私は我慢というのが何よりも大嫌いで、当然、学生のころはあまり勉強しなかったし、会社員時代は仕事が苦痛で仕方がなかった。人間関係そのものが我慢ばかりだから人付き合いも大嫌いである。我慢をせずにすむ、フィクションの世界にしか私の求める生き方は無い。
おしゃれは我慢でできているのだから、当然、私はおしゃれなどほとんどしないし、半年くらい同じ服を着ても平気である。(ただし、衛生上、清潔には気をつけている。下着さえ頻繁に替えれば、都市生活では外側の服はべつにさほど汚れはしない。)





さんがリツイート

「このキャラはなんでこんな不自然なコスチュームを着てるんだ」って言ったら、大半のスーパーヒーローはとっさのときに小便も大便もできないありえない服着てるから、そこに自然さは求めてもしかたがないと思う。「おしゃれ」は「がまん」で出来ている。

山本弘の脳梗塞体験記

うちの父方の家系は高血圧というか、脳梗塞脳卒中家系で、私の父も叔父もそれでやられている。父は脳溢血でその夜のうちに死に、叔父は脳梗塞で倒れた後、半身不随になったが、それからしばらく生きており、自立歩行もできるまで回復したが、体が半分不自由なままだった。
どちらが幸福だったかは分からないが、私としては、即死できるなら、そう願いたい。半身不随で長々と生きるのは嫌だが、実際にその身の上になったら生にしがみついて生きるかもしれない。
下の引用文は脳梗塞にかかった作家の実体験記で、なかなか参考になる。うちのような脳梗塞脳卒中家系の人は、読んでおいても無駄ではないだろう。
なお、低血圧でも脳梗塞や脳卒中になる人もいるようなので、自分は低血圧だから大丈夫、とはならないようだ。最近は脳卒中は少なく、脳梗塞が多いように思うが、これは単なる印象かもしれない。脳卒中は血管の柔軟性の問題、脳梗塞は血液の成分の問題かと私は思っている。だが、何をどう注意すればこれらの病気にならずに済むか、医者たちはあまり有益なアドバイスをしてくれない。せいぜいが、高血圧の治療をしろ、という程度だが、低血圧でも脳溢血や脳梗塞になるのなら、どの程度の意味があるのか。実際に、有意な統計が取られているとも私には思えない。

山本弘の闘病日記

山本弘

第1話 第一日の出来事

 5月10日、問題の日。

 僕は自分の家から徒歩5分のマンションを仕事場にしている。そこに執筆に必要な書籍を溜めこんでいるのだ。『BISビブリオバトル部』や、『神は沈黙せず』『MM9』『プロジェクトぴあの』などの参考文献リストを見れば分かる通り、常に大量の本に囲まれて執筆している。

 その日は朝から何かがおかしかった。いろんな打ち間違いをしていて、ちっとも原稿が進まない。そのうち、異変がさらに進行しているのに気付いた。

 使い慣れているはずの、WORDの使い方がよく分からなくなっているのだ。

 その時になっても、僕は事態の深刻さに気づいていなかった。身体のちょっとした変調で、ひと休みすれば治るといった程度に軽く考えていた。

 あとから思えば、脳の正常な判断力が失われていたのだ。

 尿意を催し、トイレに行きたくなった。その時にようやく、肉体にも異常が起きているのに気づいた。身体のバランスが取れない。ドアのノブを回すといったありふれた行為がひどく難しい。ズボンのチャックを下ろすことさえ大仕事だ。

 どうにかズボンとパンツを脱いだ。なぜって? 自分でもズボンのチャックをまた上げられるかどうか分からなくなっていたいたのだ。とりあえず今はトイレで用を足すのが緊急の用件なのだ。

 無事に用は足せた。失敗はしなかった。だがそこで僕は次の行動に詰まった。

 トイレから立てなくなったのだ。

 そのまま一時間以上もトイレに座っていたと思う。下半身すっぽんぽんのみっともない格好で。いったい何が起きたのか分からない。でも何か行動を起こさないと。

 どうやってトイレから出て、どうやってパンツとズボンを履いたのか覚えていない。当時の僕にとってかなりの難業だったはずなのだが。

 帰らなくては――その思いに突き動かされていた。愛する妻と娘の待つ家に戻らなくては。

 靴を履き、どうにかマンションの通路に出た。鍵はかけなかった。どうやって鍵をかけるのかさえ分からなくなっていたのだ。

 帰らなくては。帰らなくては。そのことしか頭になかった。

 すでにあたりは真っ暗だった。どうやって歩いたのかよく覚えていない。ふらふらで周囲のことなど認識できない状況だった。よく車に跳ねられなかったものだと、後になってぞっとしてる。

 ようやく家の前までたどり着いた。そこで緊張の糸が途切れたのか、僕は玄関のドアの前でへなへなと崩れおちた。

 そんな状況になってもまだ、僕はまだ「世間体」を気にしていた。ドアの前で倒れているみっともない姿を見られるわけにいかない。なんとか下半身をひきずって、玄関の門扉の内側に身体を押しこめた。近所の人のバイクが通り過ぎる音がしたが、僕には気がつかないようだった。

 さてこれからどうする。

 妻と娘に家から出てきてほしい。僕の窮状に気づいてほしい。

 だが、家族が暮らす部屋は。ドアからかなり離れたところにある。大きな声は出ない。どんどんとドアをノックしようにも、とてもそんな力はない。チャイムはとても手が届かない。知らせる方法がない……。

 このまま死ぬのかな……と、ぼんやり思った。

 玄関先に僕が倒れていることを、妻や娘は気づかないままなのか。僕の帰りが遅いことに不信感を抱きつつも、今夜は眠りにつくのではないか。もしかしたら、夜明け前に冷たくなった僕が、新聞配達の人にでも発見されるのではないか。新聞に死亡記事は乗るだろうか。いや僕の知名度じゃ無理かな……とか、どうでもいいことばかり考えていた。

 そうして玄関先で一時間ほど倒れていたと思う。その時、ふと名案を思いついた。僕のポケットにはスマホがある。これで自宅に電話をかければいいではないか。

(もっと早く思いつけ、と言いたくなるが、当時の僕はそれほどまでに知能が低下していたのだ)

 何とかスマホを取り出した。しかし使い方が分からない。あれこれいじり回しているうち、偶然にも電話帳のページが開いた。しめた! 僕はさらに試行錯誤を繰り返し、どうにか自宅に電話をかけることに成功した。

 何を言った覚えていない。おそらく僕の混乱した口調から、妻は異常事態に気づいたのだろう。ほどなく玄関のドアが開いた。

 ドアの前で倒れていた僕に驚き、妻はすぐに救急車を呼んだ。危機は去ったと知り、僕はほっとした。そう、ちょっとした病気に違いない。病院で治療を受ければ、明日か、悪くても数日後には元通りになれるに違いない。

 娘の美月も外に出てきた。今は大学生。卒論や就職活動で大変な時期だ。ああ、お前にも迷惑をかけてしまったな……。

 救急車が到着するまでの間、美月は僕を抱き起して、玄関先に座らせ、肩を抱いて支えてくれた。

「お父さん、だいじょうぶ」

「もうじき救急車が来るからね」

 と優しくはげましてくれた。ああ、なんていい娘なんだろう。僕は愛おしくなって、おもわず感謝の言葉を口にしたくなった。

 その時、僕の心に戦慄が走った。

「LdV&3#jW$n0」

 自分が何を言ってるのか分からない!

 言葉が通じない! 娘に感謝の言葉を口することさえできないのだ!

 やがて救急車のサイレンが近づいてきた。