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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

現今の「犯罪状況」

「日本刑事政策研究会」というところのホームページから転載。
長い記事(ほとんど未読で、資料用)なので前半のみ。

(以下引用)

平成22 年版犯罪白書の特集
〜重大事犯者の実態と処遇〜
青木 信人
(法務総合研究所総括研究官)

櫨山  昇
(法務総合研究所室長研究官)
1 はじめに

 平成22年版犯罪白書においては,特集のテーマを「重大事犯者の実態と処遇」とし,各種統計資料等を精査し,さらに,重大事犯で受刑し平成12年上半期に全国の刑事施設を出所した者1,021人(以下「調査対象者」という。)を対象に特別調査を実施して,重大事犯の発生の実態等を見るとともに,調査対象者の刑事施設出所後の再犯の有無を追跡して,重大事犯者の再犯リスクの分析等を試み,その上で,刑事収容施設法及び更生保護法の下,現在行われている重大事犯者に対する処遇を踏まえて,重大事犯に対処するための刑事政策上の課題について考察を行ったが,本稿では,この特集について紹介したい。
 なお,この特集において,「重大事犯」とは,殺人,傷害致死,強盗,強姦及び放火をいう。また,特別調査において,「再犯」とは,調査対象者が,平成12年に刑事施設を出所後,平成21年末までに出所後の犯行(自動車運転過失致死傷・業過及び交通法令違反のみの犯行を除く。)により禁錮以上の刑の言い渡しを受けて確定したことをいう。

2 重大事犯の発生状況等

(1) 認知件数
 罪名別認知件数の推移は,図のとおりである。殺人は,昭和29年をピークに,傷害致死は,23年をピークに,いずれも長期的に減少傾向にあるが,殺人は,最近20年間ほぼ横ばいの状態である。強盗は,同年をピークに減少傾向にあった後,平成2年から増加に転じ,15年には昭和25年ころの水準まで急増し,平成16年からは減少傾向にあるものの,21年は元年の3倍と高水準にある。強姦は,昭和39年をピークに減少傾向にあった後,平成9年から増加に転じ,15年には昭和57年ころの水準まで増加したが,平成16年からは毎年減少している。放火は,増減を繰り返し,同年には昭和57年に次いで戦後2番目に多い2,174件を記録したが,平成17年からは毎年減少している。
(2) 被疑者と被害者との関係
 被疑者と被害者との関係別に最近30年間の検挙件数の推移を見ると,殺人では,嬰児殺の減少と親に対する殺人の増加が顕著であり,全体として,親族に対する殺人は,やや増加し,平成21年における親族率(検挙件数に占める被害者が被疑者の親族である事件の比率)は,48.2%であった。傷害致死の親族率も,おおむね上昇傾向にあり,同年における親族率は,49.1%であった。強姦の親族率は,低いが,16年以降上昇傾向にあり,21年における親族率は,4.6%であった。放火の親族率は,20%台で推移していたが,9年から上昇傾向にあり,21年における親族率は,33.1%であった。なお,放火では,面識のない者に対する犯行も3分の1を超えている。
 親族に対する殺人及び傷害致死について,調査対象者の動機を見ると,殺人でも傷害致死でも,憤まん・激情によるものが最も多いが,そのほかは,殺人では介護・養育疲れによるものが多いのに対し,傷害致死では虐待・せっかんによるものが多い。

図1 認知件数の推移(罪名別)


(3) 犯行態様等
ア 強盗の態様
 平成21年における成人による強盗の検挙人員を犯行態様別に見ると,住宅強盗202人(8.5%),コンビニ強盗367人(15.5%),金融機関強盗73人(3.1%),その他の店舗強盗252人(10.6%),路上強盗455件(19.2%)であった。少年では,605人(86.9%)が非侵入強盗であり,その大部分は路上強盗である。
イ 強姦の犯行場所
 平成21年における強姦の認知件数を犯行場所別に見ると,住宅内が635件(45.3%)と最も多いが,道路上等の屋外での犯行も330件あり,23.5%を占めている。
ウ 計画性の有無等
 調査対象者について,本件犯行(平成12年までの受刑の原因となっていた犯行)の計画性の有無を見ると,計画性があった者の比率は,殺人39.5%,傷害致死14.5%,強盗79.3%,強姦62.7%,放火49.3%であった。また,犯行に凶器を使用した者の比率は,殺人89.9%,傷害致死32.9%,強盗75.2%,強姦23.4%であった。犯行時に飲酒していた者の比率は,殺人24.4%,傷害致死38.2%,強盗9.4%,強姦18.9%,放火30.6%であった。
 傷害致死では,計画的犯行・凶器使用の者の比率が低く,突発的に犯行に及んだ者が多いのに対し,強盗では,これらの者の比率が高く,計画的に凶器も準備して犯行に及んだ者が多い。また,傷害致死及び放火では,犯行時に飲酒していた者の比率が高く,飲酒が犯行の原因の一つとなっていることがうかがわれる。
(4) 年齢構成
 平成21年の検挙者を年齢層別に見ると,50歳以上の検挙人員の比率は,殺人37.5%,傷害致死31.9%,強盗16.7%,強姦10.9%,放火31.7%であり,殺人,傷害致死及び放火で,一般刑法犯(31.9%)並みに,50歳以上の者による犯行の比率が高い。また,高齢者(65歳以上の者)の比率は,近年,一般刑法犯全体で大きく上昇しているが,重大事犯でも,元年と21年を比較すると,殺人では,3.6%から13.8%に,傷害致死では,1.3%から12.3%に,強盗では,0.6%から3.8%に,強姦では,0.6%から2.2%に,放火では,2.2%から7.8%に上昇している。
(5) 有職者率
 平成21年の検挙者の有職者率(検挙人員に占める犯行時に有職であった人員の比率)を見ると,殺人33.9 %,傷害致死45.7 %,強盗35.4 %,強姦63.7%,放火25.4%であり,一般刑法犯全体(34.2%)と比べ,殺人,強盗及び放火では同程度であるが,傷害致死では高く,強姦では顕著に高い。
(6) 暴力団構成員等
 暴力団構成員等(暴力団の構成員及び準構成員)による重大事犯の検挙人員は,最近,減少傾向にあるが,平成21年の検挙人員に占める暴力団構成員等の比率は,殺人では19.7%,強盗では18.9%であり,一般刑法犯全体(4.9%)と比べて相当に高い。
(7) 前科
 平成21年の検挙者について,前科(道路交通法違反以外の犯罪による前科に限る。)を有する者の占める比率を見ると,殺人36.3%,傷害致死40.0%,強盗48.1%,強姦38.0%,放火31.8%と,いずれも一般刑法犯全体(28.7%)と比べて高い。
 調査対象者のうち前科を有する者について,最初の前科時の年齢を見ると,強盗のほか,殺人及び強姦で,最初の前科時の年齢が20〜24歳である者の比率が極端に高く,有前科者の中でも,若年時から前科を有する者は,強盗等の重大事犯に及ぶおそれがより大きいといえる。
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Qアノンとは何か

キチガイ医内海聡のブログ記事である。
Qアノンについて、基礎知識が書かれ、その内実についての意見もほぼ妥当に思える。
長いし、いろいろと主観も偏見もある感じなので、有益そうな部分だけ転載する。

(以下引用)

Qアノンの正体

なぜこいつらが跳梁跋扈するようになったか。

SNSでこれを書くことは超不都合(カスの正当化が湧く)なので避けてきたが、ちょっと暇ができたので書いてみる。情弱が必ず引っかかる代表格にQアノンという組織、陰謀論者が存在するが、そもそもネットで騒いでるだけの情弱はQアノンがなんであるかをわかっていない。一般的な定義としては、トランプ大統領当選から出現した、海外掲示板「4chan」や「8chan」に政治メッセージを投稿する謎のアカウントのことだ。

名前の由来はQが国家の最高機密へのアクセス権限のことであり、アノンはアノニマスの略であると言われている。実はこれは表面上の建前だがそれは一般人は知らなくてよい。とにかくQアノンが出現してから一部のアメリカ人には絶大な人気が出て、トランプの支持基盤ともなってきた。その発言を真に受けて犯罪行為に走る者が続出するなど、アメリカでもニュースになるほどだ。

Qアノンは情弱のヒーロー信仰をうまく利用している。そして社会問題や社会の裏側をうまく利用している。Qアノンは1人ではなく、米国家安全保障局(NSA)のグループとされ、トランプと連携し、ニューワールドオーダーやグローバル主義者、ディープステイトと戦っていると述べる。ディープステイトやニューワールドオーダーは悪の組織というわけだ。プーチンとトランプは協力し合っているとも述べる。

Qアノンにとってメディアはウソつきであり、トランプの表現と同じである。CNNに代表される欧米メディアは財閥の手先であり、都合の良いニュースしか流さないと述べる。Qアノンは「白ウサギを追え」が合言葉だ。映画マトリックスにも出てきた有名なセリフだが、そうやって真実に導いてくれると信じている。逆に悪の枢軸で表に立って演劇しているのが、ヒラリー・クリントン、オバマ、ビル・ゲイツ、ジョージ・ソロスなどといわれるわけだ。

このような主張自体は古臭い陰謀論にすぎない。そして部分的には間違っていない。世界は貴族と奴隷を中心に階層構造を持ち、寡占化や権力集中を図り、古くから財閥は世界を牛耳るため様々な作戦を練り、大株主となり医薬産業軍事産業食産業その他の大株主となり、通貨発行権をわがものとして利権を永続すべく暗躍してきた。その手先としてブッシュ大統領は暗躍しカダフィは殺されてきたわけで、ここに右左は関係ない。

しかしそこまでが正しいからといって、古臭いちょっとした人ならだれでも知っている陰謀論ごときの、Qアノンが正義の味方であり悪と戦っているかといえば大間違いだ。Qアノンはこれまで都合が悪くなると、政治家やシオニストの一斉逮捕、ハリウッドスターたちの一斉逮捕でケムに撒いてきたが、残念ながらQアノンの言ってきたことで、現実としてニュースに取り上げられ、逮捕の証拠は出ていない。すべて推測でありその推測は妄想の域を出ていない。

(中略)

そもそもトランプについても考えてみたほうがよい。女性遍歴が叩かれているならまだましで、財閥レベルの金持ち(ロックフェラーやロスチャイルドがなぜダメでトランプ財閥は良いのだ?)、息子はシオニストど真ん中、日本には略奪レベルの金銭催促は繰り返されてきてアベシは多額を貢ぎ、嘆きの壁で黒帽子をかぶって祈りを捧げ、福音派やキリスト教集団が大規模支持母体であり、フリーメイソン高位でエリザベス女王を素晴らしい方だとツイートし、オバマゲートをツイートしたのは二日前にオバマに自分が叩かれたのが理由だった。

私はここでトランプを叩きバイデンやオバマを擁護する気はない。どちらもクズだと言いたいだけである。そもそも政治家など誰も信用できず、大財閥の人間など信用に値せず、やってきた行動の一貫性のなさからも信用に値しない。それはQアノンも同じであり、よってQアノンはトランプ陣営の自作自演か、より大きな支配者による情弱コントロールと思っている。つまりバレてきた悪に対して正義の味方(本当は違うが)を作り、また同じ支配体系を作り出していくという昔ながらのやり方にすぎない。よく言ってもヤクザ同士の抗争にすぎん。

結局いつも奴隷根性から何かに飛びつく人しかいない。陰謀論者というのは常に同じであり、Qアノンに飛びつく人もまた同じである。ネット民は安いプライドを守るために、Qアノンでも珍コロ怖い詐欺でも、間違っていてもウソであってもそれを貫き通すしかない。世の中のすべてがウソであり人類のすべてがウソつきであると思っている私には、何の価値もない発想である。そのような人々と私が会話することはあり得ないし、こんな情弱だけの人類が世界を変えることなど、できるわけはないのである。

福島県佐藤知事の「収賄金ゼロ」での逮捕の内幕?

「谷間の百合」への読者コメントだが、佐藤エイサク(字は忘れた)知事の「収賄金ゼロでの逮捕」についての地元民の知識と意見が書かれていて、まあ、それもまた一面的な知識や意見でしかない可能性は高いと思うが、参考にはなるだろう。
なお、こうした話題は本来なら政治問題などを扱っている別ブログに載せるべき内容だが、地元民の意見やその知識が必ずしも正しいとは限らず、SNSの常套句を使えば「センシティブ」な部分がある(ネトウヨ社主の日本ツィッター社の用法だと、政権批判かエロかのどちらかだと思われるww)かと思うので、比較的に、より読者の少ないこのブログに保存する。
一応、私の意見を言えば、実弟の会社を使っての汚職も事実、東電との闘争も事実だろう。東電との闘争の意図が何かはともかく、佐藤エイサクが原子力村に逆らったために潰されたのが最大のポイントであり、原子力村が日本の最大の宿痾であることを考えれば、佐藤知事の「汚職」より、その「闘争」を評価すべきかと思う。まあ、伊藤博文が実生活では強姦魔だったが、政治的には多くの功績も遺したのと似たようなものだ。


(以下引用)









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by michi-no-yuri | 2020-05-18 00:53 | Comments(2)
Commented by 風間重吉 at 2020-05-18 01:45 x
谷間の百合さん こんにちは
福島県知事の件、ブログに記載していただき、本当にありがとうございました。
人の評価というのは確かに色々な角度から見てみないと難しいものがあると思います。
前回の投稿で遠縁に県出納長がいる点お伝えしましたが、実は叔父も県職員で長年県庁に勤め、歴代知事を見てきたそうです。
1988年佐藤知事が初当選時は、当時自民党福島県連が分裂騒ぎを起こし、分裂一派の片方から出馬した経緯があったため、低姿勢だったそうですが、2期、3期、4期と当選を重ねるにつけ、独裁色を強め、県庁内では、幹部職員は何も言えない雰囲気に包まれていたそうです。
プルサーマル問題も、県民のためというより、東電、国との条件闘争に過ぎない、という地元革新派の冷めた見方もありました。
収賄ゼロで逮捕、これは知事が40%出資している実弟佐藤祐二が社長を務めている郡山三東スーツという会社が、公共土木工事等々一連の疑惑案件の窓口役になっており、知事自体は一切表に出ない仕組みがあり、当時、建設業界では、県の仕事が欲しければ、祐二詣(もうで)というしきたりがあった、という話が地元では有名でした。
また、彼の女婿は民主党(当時)の玄葉光一郎で、2009年民主党政権交代がされ、原発事故が起きた頃から、まことしやかに、陰謀説が出てきました。
玄葉光一郎という代議士、そもそもは、地元の保守勢力に担がれ、田中角栄の流れをくむ渡部恒三派の利権議員であり、決して高邁な政治理念がある人物ではありません。
従いまして、福島県政汚職は、ドロドロした利権が絡みあった事件であり、原発反対派を潰す陰謀、というのは、まったく後付けである、と一般の県民は見ています。
尚、Wikipediaは、注意しないと危ないのは、自由に書き込めることから、意図を持った人間が書き込んだり、事実を記載していた箇所を意図的に別の人物が削除したりする場合があります。
どうかご注意ください。
Commented by 風間重吉 at 2020-05-18 02:04 x
すみません。
連続投稿お許しください。
今回、私が佐藤栄佐久氏に過剰に反応してしまった背景に、政治手法が強権的、反対派をことごとく潰して長期県政を牛耳る、安倍晋三、安倍一強の今と実に似ていると感じ、非常な危機感から非礼を顧みず投稿した次第です。
彼が県政の表舞台から去ったのちの知事は、内務型で、個性の乏しい感じがして歯痒く感じることもありますが、さりとて、ものが言えない暗黒の佐藤18年間の県政にだけは戻りたくない、というのが私の今現在の心境です。
本来の谷間の百合さんのブログ趣旨とズレてしまい申し訳ございません。どうか非礼をお許しください。

ハイオクとレギュラーガソリンの違い

まあ、要するに、一般路上を走るかぎりは、ハイオクとレギュラーガソリンの違いは値段以外はまったく無きに等しいということになるようだ。

(以下引用)

何かが違う!? ハイオクガソリンの銘柄でクルマの調子に違いは出るのか

日本ではオクタン価が96以上のガソリンをハイオクと呼ぶ

 経済産業省・資源エネルギー庁の調査によると、平成30年度末(2019年3月)の段階で、日本全国に給油所(ガソリンスタンド)が3万70店あるという。そのうち、石油元売り大手JXTGエネルギーが展開するエネオスやエネジェット、出光昭和シェルが展開する出光やシェル、コスモ石油が展開するコスモなどのブランドが大多数を占めているが、JAやcarenex(カーエネクス)、ホクレンなど、その他のブランドも存在している。

輸入車オーナーは、必ず同じブランドのガソリンスタンドでハイオクを給油するという人が多い© くるまのニュース 提供 輸入車オーナーは、必ず同じブランドのガソリンスタンドでハイオクを給油するという人が多い 輸入車オーナーは、必ず同じブランドのガソリンスタンドでハイオクを給油するという人が多い

 店頭ではレギュラーガソリンやハイオクガソリン、それに軽油や灯油などを販売しているが、ガソリンのレギュラーやハイオク(プレミアム)はどんな違いがあるのだろうか。またブランドによって中身の違いがあるのだろうか。

【画像】それでもこだわりたい! ハイオクガソリンを画像でチェック(11枚)

 まずは国内の石油元売りや販売会社で構成する石油連盟に聞いた。「現在、国内で販売しているガソリンはJIS規格によりレギュラーやハイオクでそれぞれオクタン価が定められています。レギュラーだとリサーチオクタン価(RON)89.0以上、ハイオクでは96.0以上となっています。なおハイオクガソリンは、ブランドによってオクタン価が若干異なっています」とコメント。

 オクタン価とはガソリンが燃えにくくなる指標で、この数値が高ければ高いほど、圧縮の途中で発火することがない=ノッキングしにくくなり、エンジンの圧縮比を高めることができ、点火時期も最適化が可能となる。

 スポーツカーや高性能のエンジンを搭載したモデルの多くは、ハイオクガソリンの給油が指定になっているが、それはノッキングに強い製品を使うことで、本来持つエンジン能力を発揮できるからだ。余談だが、ハイオク指定のクルマでもレギュラーガソリンを使用することができるモデルがある。ただし、通常の性能を発揮できないと車両取扱説明書にも記載があるので、ここは注意しておきたい。

 各ブランドのハイオクのオクタン価だが、公表している数値は以下のようになっている。

●エネオスハイオク(エネオス) オクタン価99.5以上

●スーパーゼアス(出光) オクタン価100

●V-power(シェル) オクタン価未公表

●スーパーマグナム(コスモ) オクタン価99.5以上

 大手元売り系ブランドのハイオクはこのとおりだ。オクタン価100を明言しているのは、出光ブランドのスーパーゼアスのみとなる。

ハイオクを入れてパワーが上がったように感じるのは、残念ながらプラシーボ効果

 大手元売り系ブランドには、以前はモービルやエッソ、JOMO、それにゼネラルなどのブランドもあったが、2016年に元売り会社の統合があったことで、いまはいずれもエネオスブランドへと生まれ変わっている。

日本で一番多いガソリンスタンドのブランドはエネオスだ。全国に1万3000店舗ほどあるという© くるまのニュース 提供 日本で一番多いガソリンスタンドのブランドはエネオスだ。全国に1万3000店舗ほどあるという 日本で一番多いガソリンスタンドのブランドはエネオスだ。全国に1万3000店舗ほどあるという

 出光昭和シェルは、出光興産と昭和シェルが合併した会社だが、そのうちシェルブランドのハイオクは「未公表」となっている。いずれはブランドが統一されることになると思われるが、以前、系列のガソリンスタンドで店長を務め、現在は販売管理部署に籍を置く人にハイオクについて話を聞いた。

 「ガソリンのレギュラーとハイオクの違いは、ハイオクにはオクタン価を上げるために添加剤や洗浄剤が含まれています。価格の違いも、その添加分が上乗せになっていると思っていいでしょう。

 愛車にハイオクを給油して、クルマのパワーが上がったように感じるのは、残念ながら価格によるプラシーボ効果だと思います。ただしまったく効果がないというわけではなく、ハイオクには洗浄剤などが含まれているので、出力の向上はなくてもエンジンにとってのメリットはあります。

 ウチのハイオクもお客さんの間で評判は良かったですよ。他の元売りさんのハイオクとどこが違うのか、と言われると、うーん、どうなんでしょう」と笑う。

 元店長は続けてコメントした。「ブランドマークが入っていない、無印のタンクローリーが出入りするガソリンスタンドは出所不明でガソリンの品質が低い、なんていう話もよく耳にしますが、国内で石油製品を出荷できる設備は限られてくるので、粗悪なガソリンが積まれている、というのは考えにくいです。

 何かを混ぜようにも、ガソリンよりも安い可燃物はそうそうないし、混ぜることでコストダウンを図ることもないでしょうね。

 ただ、ガソリンの質が低いとウワサされるガソリンスタンドは確かに存在します。古いガソリンスタンドでは、地下タンクの底に貯まった水が何らかの理由で混ざってしまうことがまれにあるようです」と話す。

 国内の元売り各社で販売されているハイオクは、JIS規格でオクタン価が厳密に定められているので、それぞれのガソリンの質には大きな差はないと思っていいだろう。「Aというブランドのハイオクを入れたら急にクルマが速くなった」「Bというブランドのハイオクを入れるとクルマの調子が良くなる」ということは、どうやらなさそうだ。

 ただ、それぞれが自社のハイオク商品にこだわりを見せているのも事実で、エンジン清浄剤の配合やサルファーフリー(硫黄分が10ppm以下の燃料)化などを謳っている。長い目で見たとき、もしかしたら違いが出てくる可能性もある。

 近年は元売り各社の合併が相次いだ結果、現在はエネオス(JXTGエネルギー)と出光昭和シェル、コスモ石油が市場を占めている状況になっている。自宅近くにあるガソリンスタンド、あるいは長年入れ続けているブランドなど、自分のカーライフに合わせて選ぶのがよいのではないだろうか。

下種総理と学者天皇

牛車が暴走する危険性については「平家物語」で初めて牛車に乗った木曽義仲の牛車が暴走して義仲が無様な姿をさらして笑い物になる描写がある。そういう牛車の危険性から、では天皇は牛車に乗ったか、という問題に結びつける想像は、自分自身が将来の天皇となる皇太子独特の発想だろう。
天皇教育の一環として、研究者としての時間を持つことは、物の考え方に合理性と実証性が生まれるだろうから、非常に有意義だろう。
なお、現天皇(今上天皇)は水問題にも詳しいようで、素晴らしい。学者的な、たとえば水棲生物の環境問題などだけでなく、できれば水道民営化への懸念のお言葉が欲しいところだ。
まあ、国民の知的平均より劣る総理大臣もいる国だが、一方でこういう「学者天皇」もいるのが面白い。

(以下「東京新聞」より転載)


陛下、研究20年集大成 即位前に「牛車」論文寄稿

皇太子時代の昨年7月、研究者の一人として講演する天皇陛下=東京大学伊藤国際学術研究センターで(陽明文庫HPより)

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 天皇陛下は、平安時代以降の貴族の乗り物「牛車(ぎっしゃ)」に関する論文を、即位前に出版された刊行物に寄稿されていた。学習院大学史料館客員研究員として二十年以上にわたる研究成果の一つで、研究を通じて交流のあった専門家の証言などから、一次史料に誠実に向き合う学者・天皇の素顔が浮かび上がってきた。 (編集委員・吉原康和)

 二〇一八年七月十五日、東京大学(東京都文京区)のホールに、皇太子時代の天皇陛下の姿があった。

 日本学術振興会の科学研究費による財団法人「陽明文庫」設立八十周年記念特別研究集会で、陛下は「陽明文庫に残された三点の牛車絵図」と題して約三十分間、講演した。

一次史料に向き合う天皇陛下が講演で取り上げた、代表的な牛車絵図の一つ=陽明文庫蔵

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 陛下は「天皇は牛車に乗ることはなかった」とし、その理由について、車を引く牛が暴走する光景が描かれている中世の絵巻物を紹介。「牛車は安全な乗り物ではなかった」と指摘した。この講演は学習院大学史料館客員研究員の木村真美子さんとの共同研究の集大成で、平成の最後に出版された『陽明文庫 近衛(このえ)家伝来の至宝』(吉川弘文館)に論文として収められている。

 宮内庁によると、陛下は講演の日の朝、側近を通じて出席者分の講演用レジュメを会場に届けた。側近は「この日の研究発表に限らず、陛下は前日ぎりぎりまで発表の準備をなされている」と話している。また、集会終了後の情報交換会にも出席。滞在時間は「異例中の異例」(側近)の八時間に及び、情報交換会では参加者約六十人の一人一人と和やかに交流した。

 集会で報告者の一人として参加した国立歴史民俗博物館准教授の小倉慈司(しげじ)氏(古代史)は「陛下の牛車絵図研究は数十点にも及ぶ写本調査の上に築かれたもので、そのなかには研究によって史料的価値が明らかとなり、国の重要文化財(重文)指定に結びついた史料がある。史料研究は地味ながら、さまざまな研究の基盤となるものであり、陛下の研究もまた、今後、長く評価、参照され続けることになるのではないか」と話している。

徳仁親王名の講演用レジュメなどの資料

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◆乗車体験「タイムスリップ」

 昨年末刊行された『御料車と華族の愛車』(霞会館、非売品)所収の論文「前近代の『御料車』」で陛下は牛車との出合いについて初めて言及。「車は、自分を短時間で遠いところへ連れて行ってくれる有り難い存在であった。一方で、子供時代の私は、街を自由に歩きたくても、車があるためにそれができないうらめしさを、少しばかり車に対して抱いていたことも確かである」と述べている。

 陛下は皇太子時代、研究のための体験として、宮内庁京都事務所に保管中の牛車に計三回乗車。二〇〇七年の初乗車では、学習院大学史料館の「ミュージアム・レター」(同年九月十五日)に「車輪の回転に伴い、キーキーという独特な摩擦音があたりに響く。平安の都は、日夜このような牛車の音に満ちていたのだろうか。ゆるやかな時の流れに身をゆだねながら、しばし、当時にタイムスリップしたような感覚にとらわれた」と体験記を寄せた。

天皇陛下が研究の一環として乗車体験された牛車=宮内庁京都事務所提供

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 水問題の専門家として知られる陛下が牛車研究に本格的に取り組むようになったのは、一九九六年に学習院大史料館に寄託され、車絵が大量に収められた西園寺(さいおんじ)家文書の調査を始めてからだ。側近を通じて愛知県西尾市岩瀬文庫に所蔵されていた江戸時代の「車之図」の複写史料を取り寄せるなど、牛車絵図の写本調査や乗車体験を行い、研究を深めてきた。

 学習院大学で共に中世史を専攻した学友の乃万暢敏(のまのぶとし)さん(60)は「陛下の研究姿勢は極めて緻密で実証主義に基づいている。学生時代に培ったフィールドワークを大切にされる研究姿勢も感じる」と語った。