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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

人種差別と「人種差別への過剰反応」

「BBCニュース(日本版)」から転載。
私は或る意味「白人差別主義者」と言えるかもしれない。つまり、非白人国家は白人国家と国交断絶したほうが幸福になれる、と思っているからだ。例外はロシアくらいで、ロシアはアジアの一部と言えるからである。そしてロシアは西欧社会の憎悪(スケープゴート的な憎悪である)の対象に常になってきた、いわば「我らの仲間」と歴史的に言えるからだ。日露戦争とかWWⅡは、あれは政府間の問題であり、国民同士が憎み合う必要は無い。
で、私は黒人差別の問題では黒人の側に立つ者だが、下の事件については、「これは黒人かどうかが問題になるような事件だろうか」という疑問がある。単に自分の不適切な行動に文句を言われた馬鹿女が、馬鹿な反撃をしようとして失敗した出来事であり、相手が黒人だから、という気持ちが内心にあったとしても、それで「罪が加算される」ようなものかな、と疑問に思うわけである。もちろん、この女性が警察に「通報」した時に、「犯人」が黒人であることを強調した事実はあるだろうが、それは「犯人」の最大の外見的特徴が「黒人である」ことだったからにすぎないように思うわけである。もちろん、潜在意識の面は何とも言えない。

(以下引用)

犬をつなぐよう黒人男性に言われた女性、通報して解雇 米NY

Christian Cooper filmed Amy Cooper after she refused to stop her dog running through woodland Image copyright Christian Cooper
Image caption クリスチャン氏は、犬にリードをつけるのを拒んだエイミー氏(写真の女性)とのやりとりを動画で撮影した

米ニューヨークのセントラルパークで25日、黒人男性から飼い犬にリードを付けるよう求められた白人女性が警察に通報した。女性は翌日、勤務先の投資会社から「人種差別」を理由に解雇された。

バードウォッチングをしていたクリスチャン・クーパー氏は25日、犬が野生生物を危険にさらす可能性があることを不安に思い、犬にリードを付けるよう女性に求めた。

クリスチャン氏と、犬を連れていたエイミー・クーパー氏(親族ではない)はこの時、セントラルパーク内の「ランブル」と呼ばれるバードウォッチャーに人気のエリアにいた。ここでは、犬には常にリードをつけるよう規制されている。

クリスチャン氏によると、エイミー氏の犬がランブル内の「樹木が植えてある場所を駆け回って」いることに気付いたことがきっかけだった。

「お嬢さん、ランブル内では常に犬をリードでつないでおかないといけませんよ。すぐそこにサインがあるでしょう」と伝えたが、拒否されたという。

そこで動画の撮影を始めると、エイミー氏は「アフリカ系アメリカ人の男が私の命を脅かしている」と警察に通報すると言ってきたという。

エイミー氏はその後実際に通報。警察官の出動を要請する前に、「男はアフリカ系アメリカ人」だと繰り返し訴えたという。

<関連記事>

クリスチャン氏が撮影した動画はソーシャルメディアに投稿され、25日中に拡散された。動画は数千万回視聴されたほか、米国内で警察官に殺害された黒人男性が多いことについて議論が巻き起こった。

(中略)

「黒人が思い込みによって射殺される時代」

クリスチャン氏はNBCニュースに対し、今年2月にジョギング中に白人の親子2人に射殺された黒人男性アフマド・アーベリー氏(当時25)の事件について言及した。

「私たちはアフマド・アーベリーの時代を生きている。黒人男性や黒人に対する思い込みが原因で黒人男性が射殺される時代を。私はそういったことに関わるつもりはない」

(英語記事 Woman sacked after calling police on black man

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香港問題の根源

「香港問題」を考える基本としての香港返還の際の「一国二制度」の合意内容などについてのウィキペディア記事の一部である。

(以下引用)

地理 - 政治

香港 ポータル
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香港主権移交(ほんこんしゅけんいこう)/香港返還(ホンコンへんかん)とは、1997年7月1日に、香港の主権がイギリスから中華人民共和国へ返還、再譲渡された出来事である。繁体字では「香港主權移交/香港回歸」、簡体字では「香港主权移交/香港回归」、英語では「Transfer of the sovereignty of Hong Kong」と表記される

背景[編集]

1842年南京条約(第1次アヘン戦争の講和条約)によって、香港島清朝からイギリスに割譲され、イギリスの永久領土となった。さらに、1860年北京条約(第2次アヘン戦争(アロー号戦争)の講和条約)によって、九龍半島の南端が割譲された。

その後、イギリス領となった2地域の緩衝地帯として新界が注目され、1898年展拓香港界址専条によって、99年間の租借が決まった。以後、3地域はイギリスの統治下に置かれることとなった。

1941年太平洋戦争が勃発し、イギリス植民地軍を放逐した日本軍香港を占領したが、1945年日本の降伏によりイギリスの植民地に復帰した。その後1950年にイギリスは前年建国された中華人民共和国を承認した。この後イギリスは中華民国ではなく中華人民共和国を返還、再譲渡先として扱うようになる。

1960年代には香港は水不足危機に陥り、中華人民共和国の東江から香港に送水するパイプライン(東深供水プロジェクト中国語版)も築かれた[1]

1970年代香港政庁住宅供給のため、租借地であり厳密には中国領である新界にも開発の手を伸ばしたが、1970年代後半になって香港の不動産業者が、1997年の租借期限以後の土地権利について不安を訴えるようになった。公有地の放出を重要な収入源としていた香港政庁は、不動産取引の停滞を防ぐ観点から、新界の統治権を確定する必要があると考えるに至った。

二国間交渉[編集]

1979年香港総督として初めて北京を訪問したクロフォード・マレー・マクレホースは、中華人民共和国側に香港の帰属をめぐる協議を提案した。しかし、中華人民共和国側は「いずれ香港を回収する」と表明するに留まり、具体的な協議を避けた。それでもイギリス側は「1997年問題」の重要性を説き続けた。

1982年9月には首相マーガレット・サッチャーが訪中し、ここに英中交渉が開始されることになった。サッチャーは同年6月にフォークランド紛争アルゼンチンに勝利して自信を深めていたが、鄧小平は「香港はフォークランドではないし、中国はアルゼンチンではない」と激しく応酬し[2]、「港人治港」の要求で妥協せず、イギリスが交渉で応じない場合は、武力行使や水の供給の停止などの実力行使もありうることを示唆した。当初イギリス側は租借期間が終了する新界のみの返還を検討していたものの、イギリスの永久領土である香港島や九龍半島の返還も求める猛烈な鄧小平に押されてサッチャーは折れた恰好となった。

1984年12月19日に、両国が署名した中英連合声明が発表され、イギリスは1997年7月1日に香港の主権を中華人民共和国に返還し、香港は中華人民共和国の特別行政区となることが明らかにされた。共産党政府は鄧小平が提示した一国二制度(一国両制)をもとに、社会主義政策を将来50年(2047年まで)にわたって香港で実施しないことを約束した。

この発表は、中国共産党一党独裁国家である中華人民共和国の支配を受けることを良しとしない香港住民を不安に陥れ、イギリス連邦内のカナダオーストラリアへの移民ブームが起こった。

PCR検査が不確実な理由

「ザウルスでござる」の過去記事の一部である。
成る程、PCR検査がなぜあれほど不確実なのか(前に陰性だったのが陽性になったりする。)、その理由がこれで説明できるようだ。
まあ、陰謀論として無視するのも結構である。


(以下引用)

PCR検査は1980年代に発明されたが、当の発明者である生化学者キャリー・マリスは、PCR検査はウィルスの定量検査には使えない、と明言している。原理的に不可能だと。

 

 

それでは、PCR検査は何を見ているのか? 何の有無を確認しているのか?

 

検出できるのは “タンパク質”、つまり、遺伝子のDNAとかRNA といった “遺伝物質” である。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、彼は 「ウィルスの遺伝子配列は検出できる」 と言っているが、そのためにはあらかじめ当のそのウィルスが分離されていて、そのウィルスの遺伝子配列がわかっていることが前提だ。「これと同じものを探しに行く」 ということだ。しかし、たとえ見つかっても、それはウィルスそのものの存在を証明することにはならない。

しかも、新型コロナウィルス(COVID-19)と呼ばれているものは、実際にはまだ分離に成功しておらず、そのため感染実験も行われていないので、本当に存在するのかどうかすら疑われている。→ コロナ騒動:日本の一感染症専門家の視点:「新型コロナウィルスは存在しない」

 

それでは、「陽性だ!」 と言って、見つかったものがウィルスではないとしたら、それは何なのか?何が存在したということなのか?

それはどうやら細胞が放出する “エクソソーム” という小胞と考えられる。コロナ騒動:新型コロナウィルスという病原体はそもそも実在するのか?

 

 

エクソソームは体外から侵入した病原体ではないし、病原体の感染によって増殖しているものでもない。

むしろ、毒素やストレスにさらされた生体の細胞が自己防衛のために放出するものである。

毒素を包んで細胞から排出する清掃人のような地味な仕事をしているものと考えられている。

 

 

 

PCR検査は、ウィルスではなく、この、細胞が放出しているエクソソームを検出して、病気の犯人に仕立てている可能性がある。

 

採取した検体中の遺伝物質を増幅する作業を重ねれば、わずかにでもあったエクソソームが増幅されてくる。そして、ほれ、「陽性だ!」 となるわけだ。増幅の回数を減らせば、ほれ、「陰性だ!」 となるかもしれない。

もともと持病がある人や高齢者といった免疫系がかなり弱体化している場合、当然エクソソームの分泌も多いので、陽性率は当然高くなる。がん、心臓疾患、肺炎ではエクソソームはいくらでも出てくる。

 

今年に限らず、いつだって死期の近い病人や高齢者の体内ではエクソソームが高濃度に放出されているのだが、今年はなぜか “PCR検査” というものによって、彼らの死因は自動的に 「新型コロナウィルス」 となる仕組みだ。

老人は「壊れ物注意」の存在

いや、これは笑い話ではなく、老人というのがいかに脆弱なものかを示す、教訓的な実話である。
大笑いをして腰を痛める、という、若者や健常者には想像もできないことが老人には起こり得るのである。咳でもクシャミでも同様である。階段でから足を踏む、という程度でも事故になる。転ぶなど大事故である。
しつこく言えば、息を吸う時にうっかり唾を気道に入れて呼吸困難になるということも老人にはよく起こる事故である。呼吸をすることすらも事故の元というわけだ。
まあ、「貴重品」ではないから、周囲もさほど注意はしないだけの話だwww

(以下引用)

しゅんみょ(ちゃんと手を洗う
@syunmyo
昔、幼い頃に、唐草模様の風呂敷をばあさんが押入れの上の方から出してるときに、「あ、泥棒の風呂敷!」って叫んだら、ばあさん笑いだしてそのまま腰痛めてたの思い出した。大変だった。



脳梗塞からの機能回復は可能か

大阪大学医学部のホームページから転載。
脳梗塞は、脳の細胞への血流が血栓で停止し、その先の脳細胞が壊死するわけだろうから、その脳細胞が司っていた身体機能は回復するはずがない、と私は思っており、私自身の脳梗塞の結果起こっている右腕や右足の軽い麻痺も、一生これと付き合っていくしかないと覚悟している。まあ、それほど長生きをする気はないし、身体の他の部分の機能も衰えていくのだから、脳梗塞後遺症だけを気にしても仕方がないわけだ。
だが、下の記事だと、回復する場合もある、ということで、それは、「新しい神経細胞が形成される」というようなものらしい。まあ、詳しく読んだわけではないが備忘的に保存する。ただ、医学を含め、基礎研究の世界は、定期的に「近いうちに凄い成果が出せそうだ」という宣伝をすることで、研究費用を捻出する世界でもあるから、話半分に読むべきだろう。

(以下引用)


2012年4月2日(月)

<リリース概要>

 大学院医学系研究科の山下 俊英教授と上野 将紀助教らは、脳障害後に運動機能が回復していくメカニズムを、マウスを用いた実験により明らかにしました。

 脳血管障害や脳外傷などにより脳が障害を受けると神経回路が破壊され、手足の麻痺などの重い神経症状がもたらされます。しかし、失われた機能は、時間を経るとともにある程度回復することがあります。この要因として、損傷を免れた神経回路が、失われた機能を代償するのではないかと推定されていましたが、その実体は不明でした。

 本研究グループは今回、マウスを用いて、広範な脳の損傷後においても新たな神経回路が形成されることにより、神経機能の自然回復がもたらされることを示し、そのメカニズムを明らかにしました。片側の大脳皮質運動野※1を損傷すると、運動をつかさどる皮質脊髄路(ひしつせきずいろ)※2が破壊され、反対側の半身(対側)の前後の足に重い運動障害が引き起こされますが、徐々に運動障害は回復します。その際、損傷されていない側の皮質脊髄路を調べてみたところ、その皮質脊髄路が脊髄内で新たな神経回路を形成して、運動機能を回復させることを発見しました(図1)。また、脊髄内で発現する神経栄養因子BDNF※3が、この新しい回路の形成を促していることが分かりました。

 今回の発見を基盤として、サルやヒトなどの霊長類においても同様のメカニズムが働き得ることが分かれば、新たな治療法の開発やリハビリテーションの科学的基盤の構築につながるものと期待されます。

 本研究成果は、2012年3月21日(英国時間)に英国科学雑誌「Brain」のオンライン速報版で公開されました。

 なお、本研究は、独立行政法人 科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)「脳神経回路の形成・動作原理の解明と制御技術の創出」研究領域(研究総括:小澤 瀞司)における研究課題「中枢神経障害後の神経回路再編成と機能回復のメカニズムの解明」(研究代表者:山下 俊英)の一環として行われたものです。

 

<研究の背景と経緯>

 脳血管障害や脳挫傷により脳が障害を受けると、神経回路が破壊され、認知・運動・感覚といった神経機能に重い障害がもたらされます。こうした障害に対して、有効な治療法はいまだ確立されていないのが現状です。脳や脊髄(せきずい)などの中枢神経は、一度破壊されると再生できないと長く信じられてきたために、中枢神経損傷後の自然経過での機能回復については注目されず、科学的に解明されてきませんでした。しかし実際には、リハビリテーションなどによる訓練を行うことで、失われた機能がある程度回復する場合があります。この現象を説明する仮説として「障害を免れた神経回路が、失われた機能を代償するのではないか」と考えられてきましたが、神経回路がどのように変化して機能を代償するのか、さらにそのメカニズムは何かということに関しては不明でした。脳にもとから備わっている自発的な回復のメカニズムが解明されれば、脳障害による後遺症に対する治療法の開発に大きく貢献することが期待できます。

 

<研究の内容>

 本研究グループはマウスを用いて、片側の大脳皮質運動野を広範に損傷させて、運動をつかさどる皮質脊髄路を片側だけ破壊しました。この実験モデルでは、損傷とは反対側の前後の足に重度の運動障害が起こります。通常、皮質脊髄路の軸索※4は、脳の下部で交差して、脊髄へと伸びます(図2:ヒトの場合。マウスも同様)。このために左側の脳が損傷を受けると、右側の足が麻痺します。しかし、損傷後数週間を経ると、運動機能が徐々に回復します。そこで、この自然回復がなぜ起きるのかを解析しました。

 この脳損傷モデルでは、損傷部とは反対側の大脳皮質運動野から伸びる皮質脊髄路が残存していることから、この皮質脊髄路の変化に着目しました。軸索全体を可視化できる化合物「順行性トレーサー※5」を用いてこの皮質脊髄路を可視化したところ、脳損傷後にはこの皮質脊髄路が、頸部脊髄(けいぶせきずい:頸髄)において多数の枝を伸ばしていました。これらの枝は、通常は脊髄の同じ側に向かって伸びていますが、脳損傷後には、一部が身体の中心線(正中)を超えて反対側へと伸長していました(図3)。反対側へと伸長した枝は、脊髄介在神経細胞※6と接続し、脊髄介在神経細胞は下位運動神経(図2)とつながることで、大脳皮質から筋肉にまでバトンタッチされる神経回路を形成することができました。実際に、損傷されていない側の大脳皮質運動野を電気刺激すると、麻痺した側の前足の筋運動が引き起こされました。また、この神経回路を切断すると回復した運動機能は再び失われました(図4)。この実験結果は、損傷を受けていない側の大脳皮質が、損傷された側の大脳皮質の機能を代償することで、麻痺した前足を動かすことができるようになったことを示しています。頸髄において新たに形成された神経回路が、運動機能の自然回復に寄与することが実証されました。

 本研究グループはさらに、このような新たな回路形成を引き起こす因子を同定することを目指しました。研究を進めた結果、脳由来神経栄養因子(BDNF)が頸髄の介在神経細胞に、その受容体であるTrkB(トラックビィ)が皮質脊髄路の枝にそれぞれ発現していることが分かりました。そこで、脳損傷後にBDNFあるいはTrkBの発現を抑制したところ、新たな回路形成は減少し、運動機能の回復も減弱しました。逆に、BDNFを過剰に発現させると回路形成が増加しました。これらの結果から、脳障害後の新たな回路形成には、BDNF-TrkBシグナルが必要であることが明らかになりました(図5)。

 

<今後の展開>

 今回の発見をもとに、より高等な神経回路を持つサル・ヒトにおいて、脳血管障害や脳外傷などによる神経症状を回復させるメカニズムを明らかにしていくことが期待されます(図6)。特に、霊長類では一部の皮質脊髄路は交差せず、そのまま同側を下っていくことが知られており、これが脳障害後の機能回復に効果的に寄与する可能性があります。研究の進展によって、脳が自力で回復していく仕組みを知ることができるのです。さらに、代償性の神経回路形成を促進する治療法の開発、リハビリテーションの科学的な基盤の構築に寄与することが期待されます。

 

<参考図>

20120402_1_fig1.png

図1 本研究の概要:脳損傷後、損傷を免れた皮質脊髄路の回路が再編成され、運動機能の自然回復がもたらされる(マウスを用いた実験)
(A)健常時:皮質脊髄路は反対側の手足の運動機能を制御する。
(B)脳損傷直後:皮質脊髄路が脱落し(赤点線)、前足の運動障害を引き起こす。
(C)脳損傷の数週間後:反対側の皮質脊髄路が新たな回路を形成することにより(青矢印)、運動機能の自然回復をもたらす。

20120402_1_fig2.png

図2 運動を制御する神経回路
1)皮質脊髄路:脳の一部である延髄において対側に交差する。
2)下位運動神経:皮質脊髄路からの信号を受け、筋肉に刺激を伝える。
3)骨格筋:神経からの刺激を受け、運動を実行する。

20120402_1_fig3.png

図3 脳損傷後に、損傷されていない側の皮質脊髄路が脊髄内で回路を作る
順行性トレーサー(BDAという物質)で片側のみ赤色に標識された皮質脊髄路の軸索の枝が、脳損傷後、正中を越えて対側(赤色で標識されていなかった側)に伸長し(白矢印)、脊髄介在神経細胞(緑色)と接続している(白矢印)。

20120402_1_fig4.png

図4 新たに形成された神経回路は、前足の運動機能を回復させる
運動機能の回復度合いを、はしごを歩かせる「はしごテスト」によって測った。はしごを踏み外す回数が少ないほど、回復していると見なされる。
A:新たに形成された神経回路を電気刺激すると、前足の筋運動を引き起こす。
B:この回路を切断すると回復した運動機能は再び悪化する。

20120402_1_fig5.png

図5 BDNF-TrkBシグナルが新たな神経回路を作る
介在神経細胞から分泌されるBDNF(図中左、丸ピンクで示している)は皮質脊髄路の軸索(図中左、青矢印で示している)の伸長を促し、神経回路の形成に寄与する。BDNFあるいはTrkBを阻害すると軸索の枝の形成が減少し(図中右上の写真)、運動機能の回復も悪くなる(図中右下のグラフ)。

20120402_1_fig6.png

図6 今後の展望:治療法の開発へ
サル・ヒトにおいて、同様のメカニズムが働いているかを調べ、新たな治療薬の開発やリハビリテーションの科学的な基盤の構築につなげる。