忍者ブログ

独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「戦争は文明を発展させる」論の批判

「まおゆう」だったと思うが、戦争、あるいは闘争が文明を発展させてきたという、ネトウヨ的な経済思想が話の柱になっていたと思う。まあ、第一話しか見ていないので、確かではない。私はネトウヨ、あるいはネトウヨ的性格の人間が嫌いなので、後は見ていないのである。
で、この「戦争が文明を発達させた」という思想は案外多くの人が同意しているので、平和主義者の私としては腹が立つわけだ。で、これを論破できないか、という意図で考察してみる。
あらゆる戦争道具・戦争機械が戦争を機に発明され工夫して向上し実際に使われるようになるのは明らかである。で、根本的問題は、これは「文明の発展」なのか、ということである。こうした戦争道具や戦争機械の利用によって戦力を増した国が戦争に勝ち、負けた国を支配する。これははたして文明の発達なのだろうか。もしそうなら、人類の文明はその精神性において、馬や豚よりも下のレベルなのではないか。戦争に勝った国は負けた国より文明が上だ、とするなら、文明の評価とは何と野蛮なものだろうか。
もちろん、戦争をきっかけに発明された物が平時の社会生活を向上させる、ということもあるにしても、それは別に人類には戦争が必要だという理由にはならないわけである。戦時に作れるものなら平時にでも作れるに決まっている。単に、戦争の時には膨大な国家予算が軍事費(研究費)に使われるだけの話だ。それを平時に使えば、もっと有意義な発明も出てくるだろう。何も、相手を殺し、破壊する道具や機械だけが有益なわけがない。
現実の問題点は、戦争は一部の人間の大儲けの最高の機会だ、ということである。だから戦争は地上から無くならないのである。戦争が文明を発展させる、というのはそういうサイコパスたちの自己弁護の詐欺論法にすぎない。
PR