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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

17世紀のイギリスの貨幣価値を現代日本の貨幣価値にしてみる

市民図書館から、いろいろな本を借りて読書を楽しんでいるが、その中には児童書(児童文学)とされている本もかなり含まれている。スチーブンソンの「誘拐されて(攫われたデービッド)」や「宝島」など、べつに子供だけが対象という小説ではないし、現代の大人が読んでも面白い。
この前借りてきたのが、ダニエル・デフォーの「ロビンソン・クルーソー」で、これなど当時の大人が熱狂して読んだベストセラーである。そして、大人が読んでこそ理解でき、面白い部分が多い作品だが、ここで私が書く珍説は、当時の貨幣価値を現代日本の貨幣価値に直してみるというものである。
「福音館古典童話シリーズ」には、実に親切な注釈が巻末にあるが、それを参考にしてみる。
それだと、
1ポンド=20シリング
1シリング=12ペンス
である。つまり、20進法と12進法が混在している。
そこで、非常に大胆に、当時の実際的貨幣価値の最低ラインが「2ペンス」だったと仮定する。これは、アガサ・クリスティの小説の人名に「トミー・タッペンス」というのがあるからだ。このタッペンス(2ペンス)が、現代の10円玉に相当する、という仮定である。1円玉や5円玉が現代では単独ではほとんど使用価値が無いことは誰でも実感しているだろう。
さて、2ペンス=10円と仮定すると、1シリングは60円、1ポンドは1200円となる。
これを、さらに大胆に、1ポンド=千円として、昔の英文学を読むと、なかなか妥当性を感じるのである。
たとえば、ロビンソンは二回目に遭難する前(1回目の遭難の後)に、ちょっとした農園事業で成功して、そのカネの一部で安い雑貨を買い、それをアフリカで高く売って金儲けをしようとするのだが、その資金が(資産全体の半分で)100ポンドなのである。これの利益が投資金額の4倍になったと書かれている。
これは、素寒貧から小さな農園経営を始めて資本に余裕が少しできた人間の投資額としては「10万円が40万円の利益を生んだ」という、実に現実味のある数字になる。(現代のようにインフレ=カネのバブル化が進み、貨幣価値があまりに低落した時代に直せば、昔の1ポンド=現代の1万円が適切かもしれない。それだと「100万円の投資が400万円の利益を生んだ」となる。)
まあ、何より、1ポンド=千円(あるいは21世紀なら1万円)というのが、非常に覚えやすくていいのではないか。

ちなみに17世紀はイギリスではピューリタン革命があり、ブルジョワ層の勃興期である。奴隷貿易の最盛期でもあるので、「ロビンソン・クルーソー」の中には平気で奴隷売買をする話が多い。これは「児童書」としてはいかがなものかwww 現代のポリコレ風潮の中で、いずれ禁書になる可能性が高いので、「ロビンソン・クルーソー」も読めなくなる時代が来るかもしれない。読むなら今のうちである。

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