夜中の「足の攣り」対策
(以下引用)
突然、ふくらはぎの筋肉がつり、ふくらはぎに激痛が走る「こむら返り」。痛くてつらいですよね。こむら返りが起きないようにするためには、どうしたらいい? 出沢明PEDクリニック院長の出沢明先生に、対処法を教えていただきます。今回は、就寝前にやっておきたい4つのケア。ふくらはぎもみや、足上げについても解説します。
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寝る前にやっておきたい4つのケア
睡眠中や明け方に筋肉のつりやこむら返りを起こしやすい人は、寝る前の4つのケアが効果的です。
①水分をとる
1年平均で、睡眠中には500~600ml程度の水分が失われている。寝る前と、夜中トイレに起きたときもコップ1杯の水を飲むと効果的
②ふくらはぎのマッサージをする
日中の疲れを癒やし、筋肉の疲労を軽減できる。手軽で気持ちよく、効果が高いので、試す価値あり。ストレッチと合わせて習慣化したい
③体を温める
入浴時は湯船にしっかりとつかる、冬は湯たんぽなどで寝具を温める、足先が冷えないよう靴下やレッグウォーマーを着用する、などの方法で、筋肉を冷やさない工夫を
④つま先を伸ばさない
掛け布団の重さで、つま先が伸びたまま押さえつけられないように注意する。サポーターなどを利用して、足首を曲げた状態で軽く固定するのもよい
(以下引用)
◆ 水分をとる
◆ 血行を改善する
◆ 筋肉に疲労をためない
◆ 筋肉を温める
ことでこむら返りを防ぎましょう
(以上引用)
こむら返りの予防に「ふくらはぎもみ」
血液の流れを促進し、筋肉の疲労を解消して、足のつりやこむら返りの予防・改善に役立つのが「ふくらはぎもみ」です。
コツは、ふくらはぎを「もむ」というより、やさしく「ほぐす」ことです。「軽く手でつかんでなでる」くらいの力加減でも、十分に効果はあります。
強くグイグイともみほぐすと、むしろ逆効果になりかねないので、注意をしてください。強くもむと、あとでもんだ部分が痛くなったり、熱をもってだるくなったりすることがあります。
これは、いわゆる「もみ返し」と呼ばれ、筋膜(筋肉を包む膜)や筋繊維に負担がかかり、炎症が起きている状態です。いったん軟らかくなったように感じても、あとになって筋肉が硬くなることもあります。まずはコップ1杯の水を飲み、足首をよく動かすなどのウォーミングアップをしてから、くれぐれもやさしくマッサージをするようにしてください。
マッサージ用のオイルやベビーパウダーを使うと、指先がすべりやすくなり、軽い力でもほぐしやすくなります。
入浴中に湯船の中で行ったり、前後に足湯をしたりするのも効果的です。
「ふくらはぎもみ」のやり方
①10回ほど足首の曲げ伸ばし運動を行い、ウォーミングアップをする
②片方のひざを立てて座り、両手を重ね合わせてふくらはぎの下のほうを軽くつかむ。
ふくらはぎを4本の指の中央でやさしくもみあげるように、足首→ふくらはぎ→ひざ裏をほぐす。反対側の足も同様に行う
POINT
*指を当てる部分を、中心、内側、外側とずらして、ふくらはぎ全体をやさしくもみあげる
就寝前の「足上げリラックスタイム」
足の疲れを特に感じる日や、むくみが強い日には、足枕を使ったリラックスタイムを設けてみてください。
枕やタオルケットを斜めに積み上げて、足の下に10~15㎝程度の高さの足枕を作り、あお向けに寝た状態で足全体を持ち上げます。すると、下半身に滞った血液やリンパ液が上半身へと循環しやすくなり、足の筋肉疲労やむくみの解消につながります。
リンパ液とは、血管からしみ出した血しょうやタンパク質などの成分がリンパ管に再吸収されたもので、体内の老廃物を回収する働きなどがあります。
足枕をする際のポイントは、高さを足先に向かって徐々に高くすることです。ふくらはぎの下や足首の下だけに枕を置くと、一部分にだけ力がかかり、むしろ血管や神経を圧迫してしまう恐れがあります。太ももの下からかかとまで、足全体を上げるようにしましょう。
夜寝る前などに、10~20分くらい行うと効果的です。ただし、そのまま眠ってしまうと寝返りが妨げられたり、姿勢がゆがんだりして、むしろ筋肉が緊張してしまう可能性もあります。足枕を外して寝るようにしましょう。
「足上げリラックスタイム」のやり方
高さ10~15cm
枕、クッション、バスタオル、タオルケット、毛布、布団などを利用して、斜面を作る
足先のほうが徐々に高くなるように
夜寝る前に10~20分足を上げるとよい
レッグウォーマーやカイロを使って足を温めながら上げるとさらに効果的
※この記事は『「足がよくつる」人のお助けBOOK』出沢 明著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。