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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

蘇我入鹿=林太郎

林太郎と言えば、誰でも森林太郎、つまり森鴎外を想起するだろうが、実は蘇我入鹿の別名でもあるらしい。そして、坂口安吾は、蘇我入鹿が天皇を僭称したのではなく、実際に皇位に就いたことがある、と推定している。「上宮聖徳法王帝説」の中の「近江天皇殺於林太郎□□」の欠字を「天皇」だと推定しているらしい。近江天皇とは天智天皇のことだろうか。
ただ、「天皇」という呼称がいつから始まるか、というのは日本書紀や古事記などの記述(つまり天武天皇以降の史書)に基づいており、それ以前には「大王」だったという説もある。つまり「林太郎天皇」ではなく「林太郎大王」だったのではないか。そして、大王の治世を歴史から消し去り、「天皇」の呼称を用いるとともに「万世一系」神話を創造した、とも思える。もっとも、下の記述だと「林」というのは臣下としての姓とされており、しかも太郎というのは「長男」の意味とも取れるから、「林太郎天皇」というのはかなり無理があるようだ。


(以下引用)



蘇我入鹿の別名太郎の読みが知りたい。
回答
(Answer)
次の資料に掲載されていました。

『日本史大事典 4 す~て』(平凡社 1993.8)
p.412
「名は鞍作(くらつくり)といい、蘇我林臣鞍作(そがの はやしのおみ くらつくり)
林太郎(はやし たいろう)、蘇我太郎(そがの たいろう)ともいわれた。」
の記述があります。

『蘇我蝦夷・入鹿 人物叢書 新装版』(門脇禎二/著 吉川弘文館 1985.7)
p.93- 大臣「蘇我太郎鞍作」の項目があり、p.94「蘇我太郎林臣鞍作というのがかれのフルネームであったことである。つまり、林臣鞍作ともいわれた。」の記述がありますが読みはふられておりません。
参考までに紹介します。

[事例作成日:2016年01月10日]
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