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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

死後硬直


「大摩邇」から転載。前半は省略。

(以下引用)

 社会死案件


(生々しいのが嫌いな人はここから先は読まないでください)

ここからは雑学です。

絶対的な大原則として"死亡の判断はしない事"と書きましたが、そうは言ってもですよ。

誰が見ても明らかに死んでいると分かる状態ってあるじゃないですか。

腐乱してたり、欠損していたり。

自治体によるのかもしれませんが、救急隊員は基本的に搬送依頼が来たら搬送をするという原則があります。

ですが、実際には搬送をせずに警察に引き継ぐ場合も多々あるそうです。

それが社会死の場合です(明らかに死んでいる場合をそう呼ぶそう)。

つまり救急車であっても、社会的に見て蘇生の見込みがゼロの場合は運ばないことがあるという事ですね。


ちなみに社会死には腐乱や欠損等のアカラサマなもの以外でも、死後硬直というものがあります。

死後硬直は突然起こる物ではありません。

人体の頭部から足先にかけてゆっくりとすすんで行きます。

私の記憶になりますが、頭部に最初に硬直が始まるのが死後1時間程経ってからです。

そして足先まで硬直するまでに凡そ12時間。

そして全身ががっちり硬くなるまで24時間。

これは環境によって差が出るらしいのですが、現場の方はこれを1つの目安にしているみたいです。

だからといって極端な考え方はしません。

一般的に人間は心肺停止後10分したら蘇生の見込みは限りなくゼロになるので、例えば顎あたりに死後硬直があったら、社会死になるかというとそんなことはなくて、

現場の救急隊員の判断になるのでしょうが、基本的には多少硬直があっても処置して病院に搬送すると思います。

でも全身足先まで硬直していたら、社会死案件になる場合もある、みたいな話です。

 部屋で知人が死んでいた場合


ここでやっと、冒頭の話になるのですが、もし仮に知人を迎えに行った際に死んでいたら。

まず大原則である"死亡の判断はしない事"が働きます。

呼びかけで意識の確認→救急車を呼び呼吸の確認→心肺蘇生

まずはこれに尽きます。

ですが現実には、先ほどお伝えした社会死というものがあります。

そうした明らかな社会死案件については、今度は管轄が警察になるから厄介です。

何が厄介かって、現場保存が望ましいから。

適切な対応に矛盾が生じますよね。

こればかりは、居合わせた個人の判断になるのだろうと思います。

ちなみに聞いた話によると、こうした場面でよく見るのが、遺体を直してあげることらしいです。

例えば、どこかで人が自然死していたとして、それを見た人はよかれと思って、足を伸ばして、手を胸に置いて、目蓋を閉じてあげる場合。

私も同じ立場だったらやります。

もちろんこれは、家族や親しい人がやる分には問題は無いのですよ。

一番問題なのが、縁もゆかりもない人が、とりあえず遺体だけ直してあげて、その場を立ち去ってしまった場合、他殺事件としてスタートしてしまいます。

これ、どういうことかと言いますと、人は常に色々な体勢をとりますよね。

手を組んで足をピンと伸ばして死ぬ人などこの世にいないので、警察は「現場に誰かが居た」と判断して、その人物を追う事になります。

よかれと思ってやってあげたのに、殺人容疑をかけられるとか最悪ですよねw

まぁよほどの他人じゃないと、その場を立ち去るなんてことはしないとは思いますが、色々な背景からその現場に居たことを知られたくないケースも考えられ、現実にそういうことが起こるのだそう。

これは一例になりますが、明らかな社会死案件では、現場を立ち去らないことが大切なのかもしれません。

まぁこのような常識も、その時代の治安により変化していくと思いますけどね。

 まとめ

 
こんな感じで予備知識を書いてみましたが、結局のところ社会死云々も自分で判断する必要はなく、とにかく119番すればOKなのです。

だって死後硬直の話ものせましたが、それを知っていたからと言って、例えば老人がよくなる拘縮も、介護経験の無い人が触ったら死後硬直だと勘違いするかもしれません。

これは個人のブログなので、知的好奇心をくすぐる為に書かせてもらっただけで、
 
ここで書いたこと、そして書いていない事を全て包括的に考えて、適切な判断を全ての人がくだせるわけではありませんから、

世間で心肺蘇生を教えられる頃には「とにかく119番!とにかく心肺蘇生!」という一言二言にまとめられているわけですね。
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