①中年期から正常血圧(正常→正常) 833人
②中年期は正常血圧→高年期は高血圧(正常→高血圧) 1559人
③中年期から高血圧(高血圧→高血圧) 1030人
④中年期は正常血圧→高年期は低血圧(正常→低血圧) 927人
⑤中年期は高血圧→高年期は低血圧(高血圧→低血圧) 389人
■薬の過剰投与が影響か
5回目の血圧測定時と2016~17年の2回、認知機能検査を行ったところ、4761人のうち516人が認知症を発症。5グループごとに100人当たりの認知症発症率を計算すると、①1・31人②1・99人③2・83人④2・07人⑤4・26人で、③の高血圧→高血圧より、⑤の高血圧→低血圧の方が認知症になりやすかったのだ。
高血圧の効用
要するに、高齢になるほど高血圧になるのは「自然の摂理」であり、高齢者にはそれが必要という自然の計らいなのだから、それを下げる必要性が本当にあるのか、ということだ。
そういう意味では全年齢で同じ血圧帯を正常と見做すというのは愚かしいと思う。
昔のように「年齢+100」(「年齢+90」だったか)というのが健康血圧の正しい基準だろう。私はさらに、「体格による適正血圧」もある、と思っている。
もちろん、高血圧だと脳溢血や脳梗塞の可能性が高くなるのだろうが、「高血圧の効用」というのもあるのではないか、ということだ。私が前に書いた、「高血圧者には癌が少ない」という仮説などがそれだ。下の記事のように、「高血圧者には(降圧剤を飲まないかぎり)認知症が少ない」という仮説も可能かもしれない。