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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

弱キャラと強キャラ

こういう年寄りくさいブログを見る若者がいるかどうか分からないが、若者へのアドバイスとして別ブログに書いた文章を転載しておく。

(以下引用)

あなたがもし若者、特に高校生くらいで、自分の性格や生き方に疑問や不満を抱いていて、そしてNETFLIXに加盟しているなら、ぜひ「弱キャラ友崎くん」を見ることをお勧めする。あなたの人生を大きく上方に変える力を持つ、「教育的アニメ」である。ただの青春アニメではない。この作品の作者は実に人間性と社会とを良く知っている。ただ、主人公の友崎は、もともと潜在的に強キャラになる素質を持っており、そういう素質を持たない人間には、このアニメの中での教えが実現可能かどうかは分からないが、しかし、人間や社会を知るだけでも、見る価値は大いにある。
たとえば、背筋を伸ばし、首筋を立てるだけでも他人に与える印象が大きく変わること、人見知りを治すトレーニングとして(男生徒の場合)毎日3人の女生徒に何か自分から声を掛けることなど、非常に実用的で効果が大きい知恵がたくさん描かれている。
そして、「自分が守る誠実な生き方」というのが、しばしば「何もやらないことの言い訳」であることが厳しく指摘されている。つまり、臆病さが人生をいかに毀損するか、という真実が描かれた優れた作品である。強キャラが、その生き方をするためにいかに努力しているか、ということも描かれる。これはキャラの問題だけではなく、スポーツや学業の優秀者でも同様だろう。
自分では何も努力をしないで、「親ガチャ」で人生は決まっている、などと考えている人間は若い間にこういうアニメを見て、人生の真実のひとつを知るべきだろう。
昔、デール・カーネギーやナポレオン・ヒルという連中の書いた「人生に勝つ方法」をマニュアル化した本がベストセラーになったが、このアニメの教えは、それらの本が言っていることよりハイレベルである。青春ドラマという見せかけに騙されて甘い話だと誤解しないほうがいい。
ちなみに、「陰キャラ=弱キャラ」「陽キャラ=強キャラ」になることは多いが、ここでは単なる陽とか陰のレベルでの話ではない。
ただし、私は、この作品での「メンター(指導者)」役の女生徒(完璧人間)の「勝利至上主義」思想をまったく肯定しないが、「努力しない人間」(私もそれである)への軽蔑は肯定するというか、甘受するしかない。努力する人生とは人生の時間の9割の苦痛と1割の天上的な歓喜の人生だろう。努力しない人生は人生の時間の6割は安楽で、4割は不安と退屈だろう。まあ、少なくとも、「人づきあい」もトレーニングだ、というのは面白く有益な思想だと思う。
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