肉類の重金属含有率
前記記事はあくまで私の妄想というか仮説であり、学術的には肉類での重金属含有率は問題にするほどではない、とされているようだ。
以下、某研究所の報告より転載。
(以下引用)
実 験 結 果 お よ び 考 察 1. 魚 介 類 今 回調 査 を行 った 魚 介 類110試 料 の結 果 をTable 1に 示 す. カ ドミ ウム につ い てみ る と頭 足 類 の タ コ,イ カ,甲 か く類 の エ ビが 魚 類 に 比 べ て高 く,平 均 値 で それ ぞれ0.28 ppm,0.18ppm,0.07ppmで あ っ た.特 に タ コの1例 に0.72ppm,イ カ の1例 に0.58ppmと 高 い値 が検 出 され た.石 崎6)ら も魚 類 に比 べ て頭 足 類 に カ ド ミウム の 高 い こ とを 認 め てい る.ま た 魚 類 につ い て は91例 中0.02 ppm以 下 が 全 体 の83.5%を 占 め た こ と と,最 高値 が イ ワ シ の0.04ppmを 考 え合 わせ る と問題 と な る値 で は な か った. 亜 鉛 につ い て も カ ド ミウ ム と 同様 頭 足 類 の タ コ,イ カ,甲 か く類 のエ ビに 多 くそ れ ぞ れ15.60~40.76ppm, 12.00~26.72ppm,12.50~17.12ppmの 範 囲 で あ っ た.魚 類 は イ ワ シ の3例,イ サ キ,キ ス,カ ワハ ギ の各 1例 が10~16ppmの 範 囲 で あ り10ppm以 下 は全 体 の 93.4%を 占 め た. マ ンガ ンは 前 報7)で 報 告 した よ うに植 物 性 食 品 に比 べ 動 物 性 食 品 に は少 な くTable 1か ら も1.00ppmを 越 え た も のは,全 体 の1.8%の2例(タ コ,ハ モ)で あ っ た.な お0.5ppm以 下 は94.5%で あ った.中 川8)に よれ ば エ ビ の亜 鉛 含 量 は9.4~11.3ppm(3例)と 高 いが, 著 者 ら の分 析 に お い て は0.20~0.74ppm(4例)と 低 く相 違 が み られ た.こ れ は漁 獲 地 域 や種 類 の違 い が原 因 と思 わ れ る. 銅 につ い てみ る と魚 類 は1.00ppm以 下 が 多 く91例 中 83例 の91.2%で あ り平 均 値 は0.48ppmで あ った.一 方 タ コ,イ カ,エ ビな ど頭 足 類,甲 か く類 は 平 均 値 で そ れ ぞ れ4.46ppm,4.26ppm,3.20ppmと 魚 類 に 比 べ て 高 か った.し か し これ らは ヘ モ シア ニ ンを血 液 とす る生 物 で あ る た め生 理 上 の違 い で 汚染 とは考 え られ な い. 鉛 は 魚類,頭 足 類,甲 か く類 と も全 般 的 に低 く0.50 ppm以 下 が 多 く全 体 の96.4%を 占め た.0.50ppmを 越 えた もの は ア ジ の1例 に0.53ppm,タ イ シ ョ ウエ ビの 1例 に1.06ppm,サ ンマの1例 に1.06ppm,イ トヨ リの1例 に0.75ppmが 検 出 され た の み で あ る. ヒ素 は イ カ,カ レイ,タ イ シ ョエ ビに や や高 い値 が み られ,そ れ ぞれ1.50~15.00ppm,2.20~17.50ppm, 3.10~17.50ppmの 範 囲 で あ った.ま た タ ラの1例 に 13.00ppm,ハ モ の1例 に18.75ppmが み られ た.他 は ほぼ5.00ppm以 下が多い.食 品中 の ヒ素の 含有量に ついては,す でに 明らかな よ うに海産物,特 に コンブ, ワカメ,ヒ ジキな どに多い ことを考え合わせ ると,毒 性 発現機構に関 しては量的な問題 よ りも化学形態が重要な 課題 とな ってい る. 水銀につい ては一般的に カツオ,マ グロ,ブ リな どの 海洋魚 は,ア ジ,イ ワシ,サ バ などの近海魚に比べて高 い といわれ てい る9)が,今 回 の調査では試料数が少なか ったため もあ り差 は認め られなか った.今 回 の調査で最 も高か ったのは タラ(ギ ンダラ)の0.69ppmで あ り,こ れ は総水銀 の暫定的規 制値1)0.4ppmを 越えてい るが, 深 海性 魚介 類(メ ヌケ類,キ ンメダイ,ギ ンダラ,ベ ニ ズ ワイガニ,エ ッチ ュウバ イガイお よびサ メ類)に 属す るため規制値 の適用 は除外 されてい る.一 般的は0.01~ 0.20ppmの 範 囲が 多 く全 体 の90.9%を 占めた. 2. 獣 鳥鯨 肉類 Table 2に 獣 鳥鯨 肉類6種26試 料の分析結果を示す. 牛 肉,鶏 肉,豚,鯨 肉のカ ドミウムは一般的 に低 く0.01 ppm前 後で牛肝,鶏 肝 はやや高か った.亜 鉛につい て は鯨 肉が最 も低 く11.50~23.00ppmで あ り,牛 肉が最 も高 く49.20~85.00ppmの 範囲で あった.一 般的 には 肝 の方に重金属 の多い のが普通であ るが,牛 肉において は亜鉛で この傾向がみ られず石崎6)ら の報告 と同様 であ った.マ ンガ ン,銅,鉛 は カ ドミウム と同様牛 肉,鶏 肉 に比 べて牛肝,鶏 肝 の方 に高 く含 有 されていた.ヒ 素は 魚介類 に比べ て一般的 に低 く牛 肝の1.45ppmが 最高で あ った.牛 肉においては肝の方にやや高い傾向が認め ら れたが,鶏 肉については鶏肝 とほぼ同 じ含量であ った. 水 銀については 鯨 肉の1例 に0.12ppmが 検出 された他 は0.01~0.05ppmの 範囲であ った. 以上の各種魚介類な らびに 獣鳥鯨 肉類 に既 報2),3)の報 告を合わせ,重 金属 の含量範囲,平 均値,試 料数を まと め一般的な値 と した ものがTable 3で ある.魚 介類 など においては漁獲地域,体 形,試 料数な どに よ りやや問題 点 も残 るが,食 品中の重金属の平均的含量は一応 推察で きるのではないか と思われ る. 終 りに本調査 に当た り試料 の入手 につい て御協力いた だいた大阪府衛生部食品衛生課 の方 々に深謝致 します.
以下、某研究所の報告より転載。
(以下引用)
実 験 結 果 お よ び 考 察 1. 魚 介 類 今 回調 査 を行 った 魚 介 類110試 料 の結 果 をTable 1に 示 す. カ ドミ ウム につ い てみ る と頭 足 類 の タ コ,イ カ,甲 か く類 の エ ビが 魚 類 に 比 べ て高 く,平 均 値 で それ ぞれ0.28 ppm,0.18ppm,0.07ppmで あ っ た.特 に タ コの1例 に0.72ppm,イ カ の1例 に0.58ppmと 高 い値 が検 出 され た.石 崎6)ら も魚 類 に比 べ て頭 足 類 に カ ド ミウム の 高 い こ とを 認 め てい る.ま た 魚 類 につ い て は91例 中0.02 ppm以 下 が 全 体 の83.5%を 占 め た こ と と,最 高値 が イ ワ シ の0.04ppmを 考 え合 わせ る と問題 と な る値 で は な か った. 亜 鉛 につ い て も カ ド ミウ ム と 同様 頭 足 類 の タ コ,イ カ,甲 か く類 のエ ビに 多 くそ れ ぞ れ15.60~40.76ppm, 12.00~26.72ppm,12.50~17.12ppmの 範 囲 で あ っ た.魚 類 は イ ワ シ の3例,イ サ キ,キ ス,カ ワハ ギ の各 1例 が10~16ppmの 範 囲 で あ り10ppm以 下 は全 体 の 93.4%を 占 め た. マ ンガ ンは 前 報7)で 報 告 した よ うに植 物 性 食 品 に比 べ 動 物 性 食 品 に は少 な くTable 1か ら も1.00ppmを 越 え た も のは,全 体 の1.8%の2例(タ コ,ハ モ)で あ っ た.な お0.5ppm以 下 は94.5%で あ った.中 川8)に よれ ば エ ビ の亜 鉛 含 量 は9.4~11.3ppm(3例)と 高 いが, 著 者 ら の分 析 に お い て は0.20~0.74ppm(4例)と 低 く相 違 が み られ た.こ れ は漁 獲 地 域 や種 類 の違 い が原 因 と思 わ れ る. 銅 につ い てみ る と魚 類 は1.00ppm以 下 が 多 く91例 中 83例 の91.2%で あ り平 均 値 は0.48ppmで あ った.一 方 タ コ,イ カ,エ ビな ど頭 足 類,甲 か く類 は 平 均 値 で そ れ ぞ れ4.46ppm,4.26ppm,3.20ppmと 魚 類 に 比 べ て 高 か った.し か し これ らは ヘ モ シア ニ ンを血 液 とす る生 物 で あ る た め生 理 上 の違 い で 汚染 とは考 え られ な い. 鉛 は 魚類,頭 足 類,甲 か く類 と も全 般 的 に低 く0.50 ppm以 下 が 多 く全 体 の96.4%を 占め た.0.50ppmを 越 えた もの は ア ジ の1例 に0.53ppm,タ イ シ ョ ウエ ビの 1例 に1.06ppm,サ ンマの1例 に1.06ppm,イ トヨ リの1例 に0.75ppmが 検 出 され た の み で あ る. ヒ素 は イ カ,カ レイ,タ イ シ ョエ ビに や や高 い値 が み られ,そ れ ぞれ1.50~15.00ppm,2.20~17.50ppm, 3.10~17.50ppmの 範 囲 で あ った.ま た タ ラの1例 に 13.00ppm,ハ モ の1例 に18.75ppmが み られ た.他 は ほぼ5.00ppm以 下が多い.食 品中 の ヒ素の 含有量に ついては,す でに 明らかな よ うに海産物,特 に コンブ, ワカメ,ヒ ジキな どに多い ことを考え合わせ ると,毒 性 発現機構に関 しては量的な問題 よ りも化学形態が重要な 課題 とな ってい る. 水銀につい ては一般的に カツオ,マ グロ,ブ リな どの 海洋魚 は,ア ジ,イ ワシ,サ バ などの近海魚に比べて高 い といわれ てい る9)が,今 回 の調査では試料数が少なか ったため もあ り差 は認め られなか った.今 回 の調査で最 も高か ったのは タラ(ギ ンダラ)の0.69ppmで あ り,こ れ は総水銀 の暫定的規 制値1)0.4ppmを 越えてい るが, 深 海性 魚介 類(メ ヌケ類,キ ンメダイ,ギ ンダラ,ベ ニ ズ ワイガニ,エ ッチ ュウバ イガイお よびサ メ類)に 属す るため規制値 の適用 は除外 されてい る.一 般的は0.01~ 0.20ppmの 範 囲が 多 く全 体 の90.9%を 占めた. 2. 獣 鳥鯨 肉類 Table 2に 獣 鳥鯨 肉類6種26試 料の分析結果を示す. 牛 肉,鶏 肉,豚,鯨 肉のカ ドミウムは一般的 に低 く0.01 ppm前 後で牛肝,鶏 肝 はやや高か った.亜 鉛につい て は鯨 肉が最 も低 く11.50~23.00ppmで あ り,牛 肉が最 も高 く49.20~85.00ppmの 範囲で あった.一 般的 には 肝 の方に重金属 の多い のが普通であ るが,牛 肉において は亜鉛で この傾向がみ られず石崎6)ら の報告 と同様 であ った.マ ンガ ン,銅,鉛 は カ ドミウム と同様牛 肉,鶏 肉 に比 べて牛肝,鶏 肝 の方 に高 く含 有 されていた.ヒ 素は 魚介類 に比べ て一般的 に低 く牛 肝の1.45ppmが 最高で あ った.牛 肉においては肝の方にやや高い傾向が認め ら れたが,鶏 肉については鶏肝 とほぼ同 じ含量であ った. 水 銀については 鯨 肉の1例 に0.12ppmが 検出 された他 は0.01~0.05ppmの 範囲であ った. 以上の各種魚介類な らびに 獣鳥鯨 肉類 に既 報2),3)の報 告を合わせ,重 金属 の含量範囲,平 均値,試 料数を まと め一般的な値 と した ものがTable 3で ある.魚 介類 など においては漁獲地域,体 形,試 料数な どに よ りやや問題 点 も残 るが,食 品中の重金属の平均的含量は一応 推察で きるのではないか と思われ る. 終 りに本調査 に当た り試料 の入手 につい て御協力いた だいた大阪府衛生部食品衛生課 の方 々に深謝致 します.
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