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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「グレートリセット」の意味(目的)

「櫻井ジャーナル」記事だが、「グレートリセット」の意味(目的)がよく分かる。

 
(以下引用)

 アメリカでは1971年8月にドルと金との交換が停止され、ドルが金と公定価格で交換できるとう前提で成り立っていたブレトン・ウッズ体制は崩壊して世界の主要国は1973年から変動相場制へ移行。ドルは金に束縛されることなく発行できるようになるが、金という裏付けをなくしたことから何も対策を講じずに発行を続ければハイパーインフレになり、基軸通貨としての地位から陥落する可能性が出てきた。

 そこでアメリカの支配層は流通するドルを現実世界から吸い上げる仕組みを作る。ペトロダラーと投機市場だ。

 ペトロダラーとは石油取引を利用したドルの循環システム。アメリカの支配層はサウジアラビアなど産油国に対し、石油取引の決済をドルに限定させた。エネルギー資源を必要とする国がかき集めたドルは産油国に集まり、それをアメリカへ還流させるのである。

 ドル決済を強制させる代償としてアメリカが示した条件は国の防衛のほか、支配者たちの地位や収入の保証。産油国は集まったドルでアメリカの財務省証券や高額兵器を購入することで還流させ、オフショア市場へ沈め、投機市場へ流し込む。

 投機市場も資金を吸収するシステムとして機能する。ドルが実際の世界に滞留すればインフレになるが、投機市場へ吸い上げればバブルになり、バブルは帳簿上の資産を増やす。投機市場へ資金が流れ込み始めると相場が上昇するからだ。

 しかし、このシステムはすでに揺らいでいる。ロシアやベネズエラなどアメリカの命令に従わないエネルギー産出国が増え、サウジアラビアをはじめとする「親米」だったはずの産油国もアメリカ離れを始めている。

 理屈の上では投機市場を無限に膨らませることは可能だが、すでにコントロールが難しい段階に達しているようだ。2008年のリーマン・ブラザーズ倒産は象徴的な出来事だった。その後、巨大金融機関に対する超法規的な支援が始まる。現在、アメリカの連邦準備制度理事会はそうした金融機関、その背後にいる富豪たちを救済するため、財務省証券などを買い取っているようだ。日本でも庶民の資金で債権や株式を買ってきた。

 ドルを基軸通貨にし、その基軸通貨を発行する特権で世界を支配してきたアメリカだが、そのシステムが揺らいでいる。ロシアや中国に対してその特権を使った大々的な攻撃を始めたが、これはドルへの信頼度を低め、アメリカの支配力を低下させている。

 欧米の支配層もこうしたことを熟知、WEF(世界経済フォーラム)の創設者であるクラウス・シュワブは2020年6月、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を利用して資本主義システムを大々的に「リセット」するべきだと主張した。欧米支配層の忠実な僕である岸田文雄首相は「新しい資本主義」なる旗を掲げている。

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