サイコパスやソシオパスの「パス」は英語ではどういう意味の「語素」なのか気になって調べてみたが、手近な辞書にも説明はない。最初は「パーソナリティ」の短縮形かと思ったが、字が「path」であり、「小径」などの意味しかない。
犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは以下のように定義している。
オックスフォード大学の心理学専門家ケヴィン・ダットンによると、サイコパスの主な特徴は、極端な冷酷さ・無慈悲・エゴイズム・感情の欠如・結果至上主義、である[1]。現状では、チェックリストのみが診断基準であるので医学的にサイコパスと同じ状態であっても反社会性がなければサイコパスとはならない。反社会性などの診断基準を満たす者は幼少期からの素行問題など行動面の異常を示すことが多い[2]。
日本国の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律・第5条に、「この法律で『精神障害者』とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう」と定義され、精神障害者に該当しつつ、保護の対象者と成る事を法的に認めているが、必ずしも全てが該当するとも言えず、時代相応の医学(科学)的な診断結果に基づいて判断される。
サイコパスの主な特徴は、極端な冷酷さ・無慈悲・エゴイズム・感情の欠如・結果至上主義、であり、サイコパスの人間の大部分は殺人を犯す凶悪犯ではなく、身近にひそむ異常人格者であるとされている。
しかし中程度以下のサイコパスであれば、社会的成功を収めることも多いとされている。サイコパスはその定義上、悪人とされる[3]。そして彼らが悪事に手を染める理由にはありとあらゆるものがあるとイェール大学の心理学専門家ポール・ブルームは断定している[3]。
類似概念[編集]
類似する用語として、社会病質(、英: sociopathy、ソシオパシー)がある。行動遺伝学者デヴィッド・リッケン (David T. Lykken) は反社会的人格をソシオパス的人格、サイコパス的人格、性格神経症の三つに大別し、ソシオパス的人格は、親の育て方などによる後天的なもの、サイコパス的人格は元来の性格、気質などの先天的なものとして位置付けている[4]。しかし一般には、ソシオパスとサイコパスはほぼ同義なものとして扱われることが多い[* 1]。研究では、原因は遺伝的要因と非遺伝的要因が挙げられている。
注意点として、たとえばアスペルガー症候群が自閉的精神病質(ただしこの時代の自閉autismは統合失調の無為自閉と関連)と呼ばれていたように、「精神病質(サイコパシー)」という言葉はかつては(主にヨーロッパにおいて)精神医学用語の1つとして、比較的広い意味で用いられていた。現在ではそうした用法は廃れているが、今日の用法と混同しないよう注意が必要である。またサイコパスは俗にサイコと略されることがあるが、この言葉には「精神病的(英: psychotic、サイコチック)」という意味も含まれることもあるので「サイコパス的(英: psychopathic、サイコパシック)」とは必ずしも同義ではない。