スウェーデンの電気バイクメーカーCAKEが、南部アフリカ野生動物大学(Southern African Wildlife College)と太陽電池メーカーGoal Zeroとの協力で絶滅の危機に瀕する野生動物を狩る密猟者を捕まえるための電機バイクKalk APを開発しました。
密猟者が侵入する野生生物保護区はその多くが広大で平坦な場所であることが多く、自動車やトラックが走行しれば土埃が舞い上がり、さらにエンジン音も遠くまで聞こえやすいため、レンジャーが密猟者の活動を発見するよりも、逆に密猟者らにパトロール活動が察知されやすい環境になっています。
しかし電動バイクならば、騒音や土埃などをほとんど出すことなく目的地に到達することが可能で、相手に察知されることも少なくなります。Kalk APは、荒れた土地での走行が可能でしかも長く使えるよう、可能な限りシンプル勝つ頑丈なフレーム構造を採用し、サスペンションにはスプリングを使用しないエアショックを採用してメンテナンス性を高めています。
さらに最大出力11kWのモーターにより、最高速度は約90km/hに達する俊足さを備えます。交換可能な容量2.6kWhのバッテリーはフル充電で3時間の走行が可能。モード切替でトルクが必要な地形への対応や、長距離移動のための省電力走行などに対応します。また、電力インフラの整っていない場所でも使えるよう、太陽電池での充電に対応します。
Cakeは、初期生産の50台のKalk APを南部アフリカ野生動物大学へのチャリティプログラムとして販売しています。そのため2万5000ドル(約264万円)と値は張るものの、Kalk AP1台購入につき同じバイク1台と太陽電池および充電器のセットが大学側にも寄付され、アフリカでの密猟防止活動に役立てられるとのこと。
仮にもし、密猟者がこのバイクを購入してしまったら…と考えると、かえってレンジャーの活動が難しくなりそうな気がしないでもありません。しかし1台を購入すれば同じ戦力が密猟防止側にも提供されるのなら、おそらく密猟者側はこれを購入する気にはならないでしょう。
Source:DesighnBoom
via:BGR