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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

弓の弦音は「つるおと」か「つるね」か

私は「弦音」を「つるね」と読ませる弓道界の風習が嫌いなのだが、もちろん弓道でも本来の読み方どおり「つるおと」でも良い、とはされているはずである。「つるね」はいわば専門語、ジャーゴン(業界用語)の類で、素人を上から目線で見下ろすための言葉だろう。
下のコメントにもあるが「ね」は風流な印象を与えるための読み方であり、「琴の空音」の「空音」は「そらね」と読まないとふさわしくない。しかし、弓は武家のものであり、闘争の道具である。「ね」という読み方はまったくふさわしくない。

なお、京都アニメーションがアニメ化した小説か漫画に「ツルネ」という高校弓道部の話があるが、これも素直に「弦の音」としたほうがはるかに余情、いや詩情がある題名だっただろう。初見の人に首をひねらせて好奇心から手に取らせようという電通(宣伝屋)的な下種な心理が「ツルネ」という題名にある。漫画タイトルやアニメタイトルには一般にその手の「意味不明タイトル」は多い。


(以下引用)

5:だめ学生(もう院生) ◆zPJ1SiMQさん ほんとだ…広辞苑、大辞林には「つるね」載ってませんね。
弓の世界でも「つるね、つるおと、つる拍子」などと言うようですが、一般にはつるねなのですね。
「ね」は叙情・音楽的な音を表す言葉ですので、明治大正あたりの風流な弓引きが言い始めたのでしょうか?

他に思いあたる言葉はないのですが、
「弦音にほとりと落ちる椿かな」という漱石の句を思い出しました。もちろん「つるおと」です。漱石も弓を引いていたそうです。
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