忍者ブログ

独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

ぬいぐるみ失踪事件

面白い。私はこういう「日常の謎」系ミステリーが大好きである。
ここにはおそらく容疑者が二人しかおらず、そのうち探偵を除けば容疑者は一人に絞られるのだが、おそらく探偵(母親)は最初から容疑者(娘)を除外していたのだと思う。つまり、親の愛情や子供への信頼、そして「自分のミスではないか」という自分自身への疑いなどが、事件解決を困難化させていたのだろう。
ここにはもうひとつ、「悪意からではない犯罪(謎)」という問題がある。子供はおそらく「商品としてのぬいぐるみ」の概念が乏しく、ぬいぐるみはただの愛玩対象だったのだろう。「商品」の中から一個を取ることがどれほどの問題を引き起こすのか分からないわけだ。
こうした、「無邪気な動機」が重大な犯罪と結びつくという点では(ネタばれになるが)推理小説史上最高の傑作と呼ばれる「Yの悲劇」と下の小事件は通底しているわけだ。






明日納品するたくさんのぬいぐるみのうちの1体がなくなっていて、夜なので静かに発狂しながら小一時間探してたら娘の宝箱に入ってた







PR