夏目漱石が「猫」の中で、イギリスの小説の筋を紹介していて、「月賦販売を購入した人が、支払い義務期限が過ぎても、それに気づかず支払いを続ける可能性を利用した詐欺」の話なのだが、これは現代ではおそらく蔓延している商法だと思う。
放送法では、テレビを持っている人に対して、NHKとの受信契約を義務付けており、同法に基づく規約で受信料の支払いが義務付けられています。そのため、例えば1人暮らしを始めた人が自宅にテレビを設置した場合、NHKと受信契約を結ばなければなりません。ただ、ネット上では、「NHKと受信契約を結んでいた親族が亡くなった後も、親族の口座から受信料が引き落とされ続けている」という情報がたびたび寄せられており、遺族が対応に苦労したケースもあるようです。 【未契約だとどうなる?】NHKが受信契約を求める方法を見る NHKと受信契約を結んでいる人が亡くなった後、遺族などから解約の申し出があった場合、どのように対応しているのでしょうか。また、「テレビが故障した」「テレビを見なくなった」ことなどを理由にテレビを処分した場合、受信契約をやめることは可能なのでしょうか。受信料を支払わない人への対応などについて、NHK広報局に聞きました。
契約者の死亡日にさかのぼって返金
Q.NHKと受信契約を結んでいる人が亡くなった後、遺族などから解約の申し出があった場合、どのように対応しているのでしょうか。 担当者「例えば、1人暮らしのご契約者さま本人がお亡くなりになった後、親族に該当する人などが速やかにNHKに解約の連絡をするのが難しく、後日、契約者さまがお亡くなりになった日にさかのぼって解約を希望する旨を連絡していただくケースがあります。 受信契約は、届け出があった日をもって解約となるのが基本ですが、先ほどのケースでは、お亡くなりになった日と、その日以降、ご契約者さまがお住まいだった住居で受信機の設置(受信機を使用できる状態にすること)がないことを確認した上で、お亡くなりになった日にさかのぼって解約と返金をしております」 Q.「テレビが故障した」「テレビを見なくなった」ことなどを理由にテレビを処分した場合、受信契約を解約することは可能なのでしょうか。解約に必要な手続きについて、教えてください。 担当者「テレビの故障などを理由に、テレビを処分後、他にNHKの放送が受信可能な設備をお持ちでない場合は、受信契約の解約の届け出をお願いしています。受信契約の解約にあたっては、所定の届け出書などの提出が必要です。 受信契約の解約手続きに関するお問い合わせは、全国共通の問い合わせ窓口『NHKふれあいセンター』のほか、払込用紙などに記載している最寄りの放送局・営業センターで受け付けています。また、NHKのホームページ『受信料の窓口』でも手続き方法を案内しています」 Q.では、テレビは持っていないが、ワンセグやフルセグの付いた携帯電話やカーナビを持っている場合、NHKの受信料を払わなければならないのでしょうか。 担当者「NHKの放送が受信可能な携帯電話(スマートフォンなど)やカーナビ、パソコンについても、放送法64条によって規定されている『協会の放送を受信することのできる受信設備』に該当するため、受信契約の対象となります」 Q.最近では地上波が映らないチューナーレステレビを購入する人も増えているようです。チューナーレステレビの場合、NHKの受信料は支払う必要がないのでしょうか。 担当者「NHKの放送を受信する機能がないディスプレーやモニター類のほか、いわゆるチューナーレステレビは、受信契約の対象外となります」 Q.テレビを持っているのに受信料を支払わない人がいる場合、どのように対応しているのでしょうか。 担当者「公共放送の使命を財政面で支える受信料制度は、視聴者の皆さまに公平にご負担していただくことによって成り立っており、受信料の公平負担に努めることはNHKの責務です。 受信料をお支払いいただけない人に対しても、公共放送の意義や受信料制度について誠心誠意丁寧に説明し、ご理解いただけるよう努めています。それでもなおご理解いただけない場合は、最後の方法として、民事手続きによる支払い督促や民事訴訟を活用するなどして、受信料の公平負担につながるよう、最大限の努力をしています」