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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

単位の話

これは日本の最大の「常識ではない常識」ではないかと思うのだが、誰もが中学で習っていながら理系進学者以外誰もが誤解している可能性が高いやつである。

「グラム、キログラムは重さの単位ではない」

という奴。私も一応、この前古本屋で買った「中学理科用語集」で確認した。
理系の人なら当然知っているように、「グラム、キログラム」は「質量の単位」であって「重さの単位」ではない。なぜなら、重さはその物体が受ける引力で決まるので、その物体をどこで測るかで変わる。その物体に固有のものではないのである。物体に固有の「質量」の単位がグラム・キログラムなのだが、地球上ではだいたいどこで測っても重さが同じなので、質量単位を重さの単位みたいに扱っているわけだ。
そもそも「質量」とは何かという定義すら、たいていの人は分かっていないと思う。これは文字通り「質×量」と思っていいのではないか。綿1㎤と鉄1㎤では量は同じでも質と量の積は違うわけだ。単に「綿」と「鉄」なら質そのものが違う。また、同質のものなら量によって重さは違うわけだ。

ついでに、小学生のために「量や長さの単位の階層」の覚え方を書いておく。これは私が子供のころに亡父から習ったものだ。

「キロキロとヘクト(ヘクと)デカけた(出かけた)メートルが、デシ(弟子)に負われてセンチミリミリ」
まあ、七五調にするために「キロキロ」とか「ミリミリ」と重言にしていたりするが、語調が良いので覚えやすい。
言うまでもなく、「メートル」(あるいはリットル)を基準にして

×10=デカ
×100=ヘクト
×1000=キロ

10分の1=デシ
100分の1=センチ
1000分の1=ミリ

である。(「デシメートル」は使わないが、「デシリットル」は使う。「センチリットル」は使わないが「ミリリットル」は使う。長さの単位と違って量の単位は飛び幅がある。)



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