自殺手段
SF作家山本弘の文章だが、備忘録のような記事で、もちろん事実だろう。
少し前に、ある短編集で桐生操の「ネロ」を読んだが、(これ以外には読んだ作品は無い作家である。)その中に、古代ローマの自殺手段として「失血死」が多用されたらしい記述がある。しかも、それが、あまり成功率が高くないらしいのである。特に老人は血のめぐりが悪いのか、あまり成功しなかったようだ。そこで、スチームで窒息死するという、かなり苦しそうな手段に切り替えたりしたようだ。スチームというのは、「ローマ風呂」がスチーム式だったのだろう。
自殺後の死体の姿は醜悪(脱糞、失禁が普通のようだ。顔も凄い表情になるらしい。)だが、「成功率」の高いのは首吊りのようである。まあ、病院で毒薬か麻薬を処方して安楽死させていいという法律ができるまで、「これが最高」という自殺手段は無さそうだ。
(以下引用)
少し前に、ある短編集で桐生操の「ネロ」を読んだが、(これ以外には読んだ作品は無い作家である。)その中に、古代ローマの自殺手段として「失血死」が多用されたらしい記述がある。しかも、それが、あまり成功率が高くないらしいのである。特に老人は血のめぐりが悪いのか、あまり成功しなかったようだ。そこで、スチームで窒息死するという、かなり苦しそうな手段に切り替えたりしたようだ。スチームというのは、「ローマ風呂」がスチーム式だったのだろう。
自殺後の死体の姿は醜悪(脱糞、失禁が普通のようだ。顔も凄い表情になるらしい。)だが、「成功率」の高いのは首吊りのようである。まあ、病院で毒薬か麻薬を処方して安楽死させていいという法律ができるまで、「これが最高」という自殺手段は無さそうだ。
(以下引用)
この文章の少し前、自殺をほのめかす文章を書いて、ツイッターに騒ぎを巻き起こした。
正直に書いておくが、自殺を図ろうとしたのは事実である。決して衝動的な自殺ではなく、一年近く前から計画していたことでも。自殺のやり方は深夜の出血多量による失血死。眠っている間に安らかに死ねる……と思っていた。
自殺の方法はいろいろ考えた。前に書いた『詩羽のいる街』のように、マヌケな死に方や他人に迷惑をかける死に方を選んで、笑いものになるのだけは避けたい。
かなり悩んだのは、仕事場に使っているマンションから飛び降りるという方法である。しかし、これは実行不可能だと分かった。というのも、僕の健康状態が急速に悪化していたからだ。
脳梗塞で4箇月ほど入院した直後はまだましだった。歩いて家の周囲を何周も回ったりもした。それがしだいに歩ける距離が短くなってきた。
今は、家の周囲を一周すらもできない。これでどうやって仕事場のマンションににまでいくつもりなのか。
結局、僕は飛び降り自殺をあきらめ、自宅での失血死を選んだわけである。
ところがこれが想像以上に難しかった。第一の問題が、切れ味のいい刃物が見つからなかったことだ。やむなく、ノコギリを使ったのだが、まったく血管に達しない。痛い思いをしただけだった(笑)。
情けなかった。今や僕には自殺さえできないのか。
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