生卵を冷凍すると
「生卵」や「ゆで卵」は冷凍NG!
「卵は冷凍に向かない」とよくいわれますが、それには理由がありました。
ひとつには、殻に入っている状態が保存には最も適しており、殻を割って中身を取り出すと菌などのリスクにさらされるので、好ましくないといわれています。
そして、もうひとつ、冷凍すると状態が大きく変化し、美味しくなくなってしまうのです。以下の写真をごらんください。
生卵を冷凍すると…
家庭用冷蔵庫の冷凍室(約-18℃)で72時間凍らせた卵を室温(24℃)で1.5時間自然解凍すると、もとに戻ったように見えます。
しかし、卵黄がねっとりと固まってしまい、菜箸を使ってどんなにかき混ぜても、卵黄と卵白が混ざりません。卵黄だけをスプーンにとってみると、このような状態です。
焼いて熱を加えてもこの通りで、これでは使い道がありません。
これは、家庭用冷蔵庫の冷凍室の温度(-20℃前後)で生卵を凍らせたとき、卵黄に含まれる水分が大きな氷結晶になり、たんぱく質はかたまりとして押し固められ、ゲル化します。解凍後も固まったまま維持されるのです。
- 参考:菊池榮一 編著、動物性タンパク質食品、朝倉書店、1994
ゆで卵を冷凍すると…
ゆで卵を家庭用冷蔵庫の冷凍室で72時間凍らせた後に、解凍してみると、変化がよくわかります。
「ゆで卵」は冷凍すると水分が抜け、白身部分がスカスカ・パサパサになって、食感も変わってしまい、全くおいしくありません。
卵を冷凍するならかき混ぜて加熱してから
家庭で卵を保存するならば、冷蔵庫で殻付きのまま冷蔵保存するのが一番ですが、加熱料理したものならば、冷凍保存もできます。新鮮な卵を、しっかり火を通して「錦糸卵」や「炒り卵」にしておけば、料理に栄養と彩りを添えたいときに、さっとすぐに使えます。
「錦糸卵」にして冷凍保存
●作り方と保存方法 卵3個をよく溶きほぐし、お好みで塩少々を加え、よく混ぜる。油を薄くひいて熱したフライパンに1枚分の卵液(直径26cmのフライパンなら、おたまに軽く1杯。卵1個分くらい)を入れ、フライパンを回しながら薄く広げる。両面を焼き、取り出す。冷めてから細切りにして、ジッパー付き保存バッグに平らに広げて入れて冷凍。
●保存の目安 冷凍で1か月
●おすすめの利用法 電子レンジで解凍し、散らし寿司や冷やし中華の具などに
「炒り卵」にして冷凍保存
●作り方と保存方法 卵3個を溶きほぐし、お好みで塩少々を加えてよく混ぜる。油を熱したフライパンに全量を流し、菜箸でかき混ぜながら焼く。火が通ったらフライパンから取り出してよく冷まし、ジッパー付き保存バッグに平らに広げて入れて冷凍保存。
●保存の目安 冷凍で1か月
●おすすめの利用法 電子レンジで解凍し、炒めもの、混ぜごはん、ポテトサラダの具などに
卵の保存方法、いかがでしたか?