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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

警察の「民事不介入」について

「民事不介入の原則」には、実は確実な法的根拠は無いらしい。警察法の何かで、警察の仕事を規定した文言が根拠とされているらしいが、それを民事介入の法的根拠とするのは「拡大解釈」だ、としている法律関係者もいるようだ。そして現実には、警察が面倒な仕事をサボるための口実として「民事不介入の原則」を言い立てている面もある。
たとえば、自分が借りている駐車場に無断駐車した車があった場合、これを警察に通報して処置して貰える可能性は低いと思う。つまり、物の専有や所有の権利義務関係は民事だ、ということだろう。では、その車が明らかにヤクザの車だった場合、それを「私人間の話し合い」で解決できるだろうか。(そもそもヤクザや暴力団が大手を振って存在していること自体が不思議な話だが、それは別問題としておく。)そういう場合、どのような解決法があるのか、私には想像もつかない。そういう時に一般市民の正当な権利を守ってくれない警察に何の存在意義があるのだろうか。なお、警察は犯罪を未然に防ぐためには動かない、というのもおかしな話で、私が殺された後に警察が犯人を逮捕したところで、死んだ私にとっては何の意味もないことである。



「民事不介入」の原則とは ?

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     「民事不介入」というフレーズは、皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。

    民事不介入」とは、「何かトラブルが生じたとしても「警察は、犯罪とは関係のない個人間のトラブル(=民事事件)には立ち入りません」というものです。

     例えば、「あの人は貸したお金を返してくれない。お金はないのだから返せないも仕方ないなどと開き直っている。何とかして欲しい」と警察署に駆け込んだとしても警察ではまったく相手にしてくれません。警察の仕事は、「刑事事件」の捜査をすることであって、「民事事件」にはノータッチということです。同じ「民事事件」と「刑事事件」では、「事件」という言葉で表現するとしても全く別のものです。

     ただ、「刑事」事件と「民事」事件とは性質が異なると言っても、「刑事事件」と「民事事件」とは重なり合っている場合が多いともいえます。

     例えば、AさんがBさんに100万円を貸したがBさんがいつまで経っても返してくれない。業を煮やしたAさんは、Bさんの家に行って「この前課した100万円を返してくれ」と言ったところ、「金がないのだから返せない。無い袖は振れない」と開き直った態度をとった。そのような開き直ってBさんの態度を見てAさんが怒って「金返さないとぶっ殺すぞ!」と言って数発Bさんに殴ったとします。

     このようなとき、「借りたお金を返せ・返さない」という問題は、お金の貸し借りの問題という「民事事件」ですが、暴力や脅しを用いてお金を返してもらうとすることは「恐喝罪」という明らかな犯罪行為です。刑法各論における学説にいろいろな見解があるものの、

    相手方に対して正当な債権がある場合でも「暴力・脅しを用いた債権回収」は、「恐喝罪」に該当するというのが一般的な考え方です。家の中に乗り込めば「住居侵入罪」にも該当する犯罪行為です。

     このような場合にも「警察」が「お金の貸し借りのトラブルだから、警察は関与しないよ。民事不介入だからね」と言ったとしたら、その「警察」は、「民事不介入」の意味がわかっていないということになります。上記のようなケースは、「民事事件」でもあり「刑事事件」でもありますから、警察が上記のようなケースに対応をしないのはおかしいわけです。たまに「民事不介入」を口実に警察がきちんと対応をしてくれない場合も見受けられますから、きちんと「民事不介入」の意味を理解をしておく必要があります。




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