忍者ブログ

独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

欲望のあいまいさ

別ブログに書いた文章の一部だが、「現代倫理学概論」にふさわしい内容だと思うので転記しておく。


(以下、自己引用)

江戸小話に、大きな商家の箱入り娘が恋煩いしたらしいということで、その相手が誰か調べるように言われた番頭(か乳母)が、相手は誰か娘に聞くと、しばらくモジモジした後で、「誰でもいいの」と答えたという笑い話があるが、案外、人生の実相、あるいは恋愛心理の実相を突いているかもしれない。
要するに、誰かを見て(知って)突然恋をするのではなく、「恋への憧れ」が先にあって、それに良さそうな誰かを見て「この人だ!」と思うのではないか。
欲望そのものがあいまいだという考えもでき、ロリコンが一般化しなかった時代には、幼女に性的欲望を抱く人間はほとんどいなかったのではないか。つまり、「我々は欲望を学ぶ」のである。
PR