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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

仏教各宗派における「霊魂の有無」「来世(極楽・地獄)の有無」

●主要7宗派の出版物に見られる霊魂観と死後の世界
※微妙な言説があるので、誤解を避けるため詳細は本文参照のこと。
※■は宗祖、◆は本尊、霊魂観の印は、○は霊魂に肯定的、×は否定的、△はその他
宗祖と本尊 霊魂観(上段)と「死後の世界」(下段)
高野山真言宗
■弘法大師空海(774~835年)
◆大日如来(総本尊)
弥勒菩薩の都率浄土
※霊が浄土へ行くまで49日の中陰(中有)を認める。
天台宗
■伝教大師最澄(767~822年)
◆久遠実成無作(※1)の本仏
阿弥陀如来の極楽浄土
※死者が浄土へ行くまでの49日の中陰を認める。
浄土宗
■法然(1133~1212年)
◆阿弥陀仏(阿弥陀如来)
△教義では否定するが、習俗としての霊魂の存在には寛容
阿弥陀如来の極楽浄土
※ただし、極楽浄土で菩薩として修行を積み、さとりを得て仏となり、人々を救うためまたこの世に還ってくる(還相回向)。
※ただちに極楽浄土に往生するので、中有はない。
浄土真宗本願寺派
■親鸞(1173~1263年)※2
◆阿弥陀如来
×
阿弥陀如来の極楽浄土
※ただし、極楽浄土に往生してさとりを開いて仏となったものは、再び迷いの世界に還ってきて、他の衆生を救うはたらきにでる(還相回向)
※ただちに極楽浄土に往生して仏になるので、中有はない。
真宗大谷派
■親鸞(1173~1262年)※2
◆阿弥陀如来
 
×
仏の国、さとりの世界、阿弥陀如来の極楽浄土(※)
※浄土とは、死後の世界としての『あの世』でもなく、理想郷でもなく、人間を見失ったものに人間を回復させる仏の世界。
※ただちに仏の国に入るので、中有はない。
曹洞宗
■道元(1200~1253年)
◆釈迦牟尼仏
△ 宗旨では否定するが、習俗としての霊魂の存在を尊重
※研究会では霊は仮に「追憶としての死者の人格」と言えるという見解が出され、教義的には「命の根源」とも言えるされた。
さとりの世界(※)
※2015年8月追記参照
※研究会で「仏国土」「悟りの世界」などが示されたが、研究会内でも合意はなかった(2003年)。その後、2007年刊の複数の書籍で「さとりの世界」と記述。
※宗祖・道元は中有を認めているとの研究報告はある。
日蓮宗
■日蓮(1222~1282年)
◆久遠実成本師釈迦牟尼仏
○ 
釈迦のいる霊山浄土(※)
※ただし、死んでも仏に成れず、地獄の苦しみを味わうものもいる。
※本質的には、現世でも死後も変わることなく仏の世界に存在している。
※1久遠実成無作(くおんじつじょうむさ)の本仏=釈迦牟尼仏のこと
※2浄土真宗本願寺派と真宗大谷派の宗祖・親鸞は同一人物であるが、各公式サイトで没年が異なる。
浄土真宗本願寺派(本願寺)の公式サイトhttp://www.hongwanji.or.jp/mioshie/shinran.html
弘長(こうちょう)2年11月28日(新暦1263年1月16日)
真宗大谷派(東本願寺)の公式サイトhttp://www.higashihonganji.or.jp/about/history/

 
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