殺人者(犯罪者)と「ユーモア感覚の欠如」
「殺人者っておかしなことを言ったりなんてしないでしょ ちがう?」
「ちがわない」 (ローレンス・ブロック「泥棒は図書室で推理する」より)
戦争で人を殺すことがありふれていた時代ならともかく、現代においては、殺人という極端な行動を取る人間の特徴は、ユーモア感覚の欠如ではないか、という気がする。どの殺人者の顔写真を見ても、ユーモアの感覚が無さそうだ。(「バットマン」のジョーカーなど、フィクションの人物は話が別である。ジョーカーの「ユーモア」にしても、当人が面白がっているだけで、他者への嘲笑という単なるサディズムである。)
ユーモア感覚というのは「正常と異常の区別が明確についている」ことが大前提だろう。だからこそ、異常な物事を笑えるのである。特に、正常の仮面を被った異常こそが、ユーモアの攻撃対象になる。厳しい論理性(正否の区別)があるからこそ、ユーモアもあるのだ。
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