華麗なティーセットです。ケーキ皿まで付いたトリオで、コレクションとしては申し分なし。バックマークは「パゴダ印」で、1920年頃の日本製なんだが、詳細は不明。パゴダ印の磁器は、割と普遍的に市場に出ます。バックマークがNipponなので、1921年より前なのは間違いない。デザイン的にも、割と古い感じですね。 |
レトロなデザインはなぜレトロに感じるのか
漫画家やイラストレイターや画家の方は、意図的にレトロな表現をしたいと思うこともあるだろうから、こういう画像は有益ではないか。
私のような素人が見ると、確かに古さ(と言うより大正から昭和初期の時代性)を感じるデザインなのだが、どこがどうしてそう感じさせるのか、言葉では表現できない。それがちゃんと分析できて言葉で表現できる人を私は尊敬するが、あまり見たことはない。(漫画表現に関しては実作者による分析や説明はけっこうあるが、美術ではそれを理屈で教えることが少ないように思う。)
ロココ調とか言うのがレトロ性のひとつのパターンかな、とは思うが、そのロココ調というのも「装飾的な」「現実(生活)の匂いの希薄な」くらいのイメージしか私には無い。
下の絵皿やティーカップで言えば、金色と白色の使い方がポイントかな、と思う。外周を暗い青色(紺色)にしているのが、その金色と白色を引き立てている。金色も白色も自然界ではあまり見る機会が無い色だから、その色を使うと見る人は「夢心地」がするのではないか。(雪が降るとたいていの人は非日常の気分になるだろう。)もちろん、薔薇の花の配列などは非現実的であり装飾的だ。
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