睡眠中のこむら返りへの処方
睡眠関連下肢こむらがえりの症状と対策
睡眠中に起きるこむら返りとは
ベッドで寝ているときに、無意識に強い脚の筋肉収縮が起きることで硬くなります。そして、同時に強い痛みが生じる睡眠障害です。有痛性筋痙攣と呼ばれています。通常、症状が起きた筋肉をストレッチすると、筋肉は弛緩して痛みが緩和します。
正式名称は、睡眠関連下肢こむらがえりです。睡眠関連運動障害に分類されている病気です。
原因について
こむら返り起きる最も多い理由として最も多いものは、筋肉の使い過ぎです。昼間に過剰な運動をすると、夜間帯に痛みを伴う筋痙攣を引き起こすことがあります。
マグネシウム、カリウム、カルシウムなどの電解質は筋肉の収縮に関わっています。脱水、発汗に伴うミネラルの消失によって電解質が低下することも、こむら返りの発生機序の一つとなっています。その他、脊髄損傷、筋肉の血行障害、妊娠、薬剤の副作用、透析なども関与することがあります。
こむら返りが起きやすい人は、高齢者、肥満者、運動選手、妊婦などです。
出典:
夏の季節では、熱中症の症状として、筋肉のこむら返りが生じることがあります。さらに、中高年の男性がゴルフに行ってコースを回った日の夜間帯に、足をつるということが多くなります。
症状について
睡眠関連下肢こむら返りは、ふくらはぎ、足の筋肉が急に収縮して数秒から数分間くらい続きます。疼痛と不快な感じが残ります。夜にベッドの上で眠っているときだけではなく、目が覚めているときにも発症します。
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夜中に太もも、ふくらはぎに生じた激痛は、翌日の朝に痛みが残る場合が少なくありません。頻繁に足がつることはありませんか。繰り返す筋肉の痙攣に伴う後遺症として歩けないという経験をもつ人もいます。
睡眠中にこむら返りが起きると、痛みによって途中で目が覚める症状が出現します。実際に目が覚めていなくても脳波上の覚醒が生じるので、睡眠の質が低下します。中途覚醒が主体の不眠症を呈します。
中途覚醒を引き起こす種々の原因について。
毎晩、繰り返す下肢のこむら返りがあると、痛みのために寝れない状況が続き、寝不足になります。疲労を訴える場合もあります。すなわち、睡眠関連下肢こむら返りは、下肢の疼痛と不眠が特徴です。
は、殆どの場合、疼痛を感じることがないこと、そして、筋肉の硬直がないことで、睡眠関連下肢こむらがえりと鑑別することができます。さらに、むずむず脚症候群では、足を動かしたい症状が、睡眠関連下肢こむらがえりと比較して強いです。
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診断について
基本的には、医師による問診が主体です。こむら返りの回数と重症度、これまでの経過について聞き取りをします。睡眠中にこむら返りを繰り返す場合は、原因について調べることがあります。血液検査、尿検査などで、電解質、腎臓と肝臓の機能、甲状腺の数値などを確認します。
こむら返りの治療法
脚の筋肉が硬直して痛みを伴っている状態の治し方として、足のつま先を頭側に反らせて、ふくらはぎの筋肉を伸展させる方法があります。ふくらはぎの筋肉が硬くなっているときは、温めましょう。疼痛の対症療法として、湿布を貼ります。脱水になっているときは、水分補給が重要です。
症状がひどいとき、寝ているときに頻繁に起きるとき、そして、筋肉の痛みが続くときは、病院で治療を受けることが重要です。整形外科の医師に、対処法について相談することを勧めます。
漢方薬の芍薬甘草湯は、急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛に対して、保険適応があります。速効性があるので、ベッドサイドに飲み水とともに芍薬甘草湯を置いておくことを勧めます。足が痛いときの応急処置として使うことができます。
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その他の治療方法として、筋弛緩薬、抗てんかん薬を処方することもあります。市販薬の中には、芍薬甘草湯を錠剤にしたタイプもあります。
予防法について
日中に激しい運動をするとき、ストレッチを含めた準備運動を行うことが、睡眠時の下肢こむらがえりの発症を抑えるのに重要です。脱水を避けるため、水分とミネラル(特にマグネシウム)の補給を十分にしてください。