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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

癌と脳卒中とどちらがいいか

前にも載せたかもしれないが、「プレジデントオンライン」記事の一部である。
私の父方の家系は高血圧家系で、ほとんどが若いころから、あるいは中年以降はたいてい高血圧であり、脳梗塞や脳溢血で倒れたり死んだりした人間も多い。ところが、ひとりも癌になった人間はいないのである。つまり、高血圧と癌は両立しないのではないか(降圧剤使用者は別)、というのが私の説である。血圧が高いと、癌細胞が一か所に滞留して根を張るのが難しい、というのがその仮説の一部だが、いずれにしても癌患者で高血圧でもある人間は案外少ないのではないか、と予測している。
では、その仮説が正しいなら、A:癌で死ぬ B:高血圧(脳卒中など)で死ぬのとどちらを選ぶか、という問題になる。
私は、癌治療もいやだし、癌によるQOLの低下もいやだから、即死できるなら脳卒中による死を選びたいが、脳梗塞の半身不随で長々と生きる可能性も高いわけで、やはり交通事故などによる即死が一番いいかな、と思う。







「(降圧剤で)がんになりやすくなる」

脳出血が減ったのは、人々の栄養状態がよくなったからだ。細胞を丈夫にするコレステロールの摂取量が増え、血管が破れにくくなっている。それなのに「血圧が高いと脳卒中になる」という思い込みだけは昔のまま。

「脳梗塞とは、血の塊が脳の血管に詰まる病気です。血の塊を吹き飛ばすには、血圧を高くして血が勢いよく流れたほうがいいはずです」(松本医師)

しかし薬で血圧を下げているので、かえって脳梗塞を患う人が増えているのだ。浜医師も次のように警告する。

「体は酸素と栄養素を血液から得ていますが、それを取り込むためには一定の血圧が必要です。それなのに降圧剤で血圧を下げすぎてしまうと、それが取り込めなくなる」

さらに怖いのが、薬そのものがもたらす副作用だ。降圧剤には種類がいくつかあり、現在の主流は前出のARBやカルシウム拮抗薬だ。これらの薬剤には炎症を抑える作用がある。

「免疫反応は、病原体や体内にできた異物から体を守るための防御システム。炎症は、免疫反応の重要な要素で、体にできた傷を治す働きです。ARBやカルシウム拮抗薬は炎症を抑制するので、これを飲むと炎症が目立たなくなり、一時的に健康になったかのようにみえる。しかし傷を治すための反応が起きないということは、傷を放置しているということですから、いろいろと不都合なことが起きます」(浜医師)

その1つが「がん」である。

「がんとはいわば体内にできる異物。免疫が正常に働いていれば、仮にがん細胞が生まれても小さいうちに排除できる。しかしARBやカルシウム拮抗薬を飲んでいると免疫が抑制されてしまうので、がんになりやすい」(浜医師)

感染症が全身に広がって死に至る「敗血症」も、免疫不全によって起こる。さらには高齢者が血圧を薬で無理やり下げた場合、脳に栄養や酸素が行きわたらず、認知症になりやすいという説もあるのだ。

浜 六郎(はま・ろくろう)
医師、医薬ビジランスセンター理事長
1945年生まれ。大阪大学医学部卒。大阪府衛生部を経て阪南中央病院に勤務。97年医薬ビジランスセンター設立。2000年NPO法人認証。著書に『高血圧は薬で下げるな!』など多数。
 

松本光正(まつもと・みつまさ)
医師、サン松本クリニック院長
1943年生まれ。北海道大学医学部卒。医療生協さいたま浦和民主診療所勤務、同所長などを経て現職。著書に『高血圧はほっとくのが一番』『検診・手術・抗がん剤の前に読む「癌」の本』など。



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