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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

「親しみは軽侮を生む」

Familiality breeds contempt

の訳だが、あまり適訳を思いつかない。「吾輩は猫である」の中で迷亭が「狎客は軽んじられるものだ」と嘆くのだが、この諺はかなり応用範囲が広く、ネタ元の英書では、「スパイダーマンが、ビルの上を歩くのに慣れたために、或る日足を滑らして落ちる」という例を挙げている。つまり、「慣れること」の心理的陥穽全般に妥当するわけだ。
もちろん、familialityを普通に「親しみ」としてこの諺を理解してもいい。
すると「親しみは軽侮を生む」となる。迷亭の嘆きはそれである。
似た諺に「従僕に英雄無し」がある。従僕はその主人を日常的に見て、そのあらゆる欠点や愚行を知っているから、彼を尊敬しなくなるわけだ。逆に言えば「距離があるほど尊敬は大きくなる」である。

Respect is greater from a distance
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