英単語暗記法
PR
青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳
シェア
ツイート
はてブ
874
知恵コレ
2011/1/609:39:27
2011/1/616:35:36
◆紙の辞書の優位性ですね?cluster… さん、あなたはまさにピンポイントで要点を突いた質問をなさっている。単語を「覚える」ためには紙の辞書の方が良いかどうか、とおっしゃっていますからね。単語を「覚える」目的では、紙の辞書の優位性はゆるぎません。
◆「単語を覚える」という事に関しては、大きな誤解が2つあります。1つは、単語を覚えるとは「hate=憎む」のように、「英単語=日本語」という、1対1の対応を暗記することだと思っているという事。もう1つは、単語を覚えるとは英単語を「頭にインプットすること」だと思っているという事です。
◆誤解の1つめについては、次のような単語暗記をやろうとすればすぐにわかります。
appreciate=①評価する、②感謝する、③鑑賞する
state=①国家、②州、③状態、④動詞「述べる」
◆上記は、すべて覚えなければならない意味。これを上記のように①から④まで並べらたものを2000も3000も暗記できる人は1人もいません。(私もできない。)では、これを覚えている人は、どうやって覚えたのか。
◆それは、辞書で何かの単語を引いたら、
●辞書を引いたら見出し語(たとえば state)にボールペンで赤線を引く。
●意味(たとえば「状態」)にはボールペンでミドリ線を引く。
という動作を「必ず」やる、という鉄のルールを実行するのです。鉄のルールですから、「George=ジョージ」のような固有名詞でも、「必ず」やります。
◆すると、勉強は以下のように進みます。
1.学校の教科書で state が「状態」の意味で出てきた。state に赤線、「状態」にミドリ線が引かれた。この時点で頭の中に
●state=状態、述べる
という記憶ができた。
2.3ヵ月後、学校の教科書で state が「述べる」の意味で出てきた。「述べる」にミドリ線を引く。すでにミドリ線が引いてある「状態」と合わせて、
●state=状態、述べる
と記憶し直す。
3.同じ動作を3年間、繰り返す。
◆3つも4つも意味がある英単語(これが英単語の大半)を覚えるには、このようにして教科書に出てきた順に意味を覚えていくのです。通常、電子辞書には線が引けませんからこの方法自体が取れません。また、たとえ線が引ける機種だとしても大きな手間がかかります。
◆しかも、紙の辞書ならミドリ線の引いてある意味が「ついでに」目に入りますが、電子辞書ではスクロールしないとミドリ線が目に入りませんから「意識的な努力」が必要になってしまいます。「意識的な努力」ができないのが人間の習性なのですよ。
◆次に、「単語を覚える」ことに関する2つめの誤解、「単語学習=頭にインプット」という勘違いについて。受験生の皆さんは、「単語を頭に詰め込む」ということに関してはかなり努力しています。ところが「いったん忘れてしまった単語を思い出す」ための「システム」を持っていないのです。
◆いいですか?cluster… さん、あなたが過去に覚えたけれども「忘れてしまった単語」は何ですか?そういう英単語を5個ほど、言ってみて下さい。…ね?言えないでしょ?言えるはずがないんです。言えるのなら「忘れていない」のですから。
◆そして、
●自分が「忘れてしまった英単語」のリストが目の前に用意されていなければ「忘れてしまった英単語」の復習はできない。
これが英語学習の厳然たる事実です。そしてそんなリストを作れる人は誰もいません。しかるに、あなたの辞書で引いた見出し語(state等)のすべてに赤線が引いてあればどうでしょう?受験生が誰も持っていないそのリストが、あなたにだけは用意されているのです!
◆リストは次のように用います。
●辞書で何か単語を引いたら、「必ず」開いた右ページと左ページに目を通し、すでに赤線が引いてある単語を忘れていないかチェックする。そして意味が言えなかったりスペリングがうろ覚えだった単語は4~5回スペリング練習して覚え直す。
…この動作を鉄のルールとして実行し続けるのです。
◆この動作は電子辞書ではまったく不可能です。よく「電子辞書でも上下の単語を表示させることができる」と反論する人がいますが、それでは日本語の意味までは見られませんし、さらに発音記号や例文まで見るにはもっと大きな「意識的な努力」が必要になりますから誰もそんなことはしません。
◆なお、紙の辞書を速く引くには「技術」が必要です。こうやります。↓
http://blog.livedoor.jp/koikeco/
11月3日のブログ「辞書は5秒で引け!」をご覧下さい。これを見た受験生の方から「この方法をやってみると、本当に4回で単語を見つけられました!!(中略)こんなにすばらしい情報をありがとうございました。」という感謝の言葉を頂いています。
◆以上、旺文社『必修 英文法問題精講』著者の小池浩でした。
http://www9.plala.or.jp/eigowine/