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独楽帳

青天を行く白雲のごとき浮遊思考の落書き帳

なぜ我々は物事を「自分に都合よく」解釈してしまうのか

町山智浩の(かどうか知らないが)ラジオ番組での発言だと思うが、

「レストランで『シェフのお勧め』は頼むな。たいていは冷蔵庫の在庫一掃だ

という言葉がツィッターに書かれていて、目から鱗、であった。言われてみれば当然の話に思える。

我々普通の人間は、「シェフのお勧め」と聞くと、シェフが心を籠めて作った自信作だから客に勧めているのだろう、と勝手に(善意で)思い込むが、その「お勧め」が客にとってのお勧めだとは一言も言っていないわけで、シェフにとってのお勧めであっておかしくないわけだ。
そう考えると、世の中に詐欺師があれほど多く、簡単に人を騙しているのも当然だな、と思う。
我々が、「シェフのお勧め」を「善意に」解釈するのも、裏を返せば、それが自分にとって都合がいい話だからである。そうであってほしいという願望が、それを「善意に」解釈させるのである。
人間は自己愛の動物だから、その自己愛を上手く利用されると脆い、ということである。




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