女性の性的商品化と性的消費

森見登美彦の小説が原作らしい「ペンギン何とか」というアニメを「女性の性的消費だ」と批判する女性のツィートに対するコメントが面白いので載せておく。
女性が女性性を商品化するのは大昔からのことであり、売春は人類最古の商売と言われている。売春を売笑とも言うが、売笑ビジネスの男版がジゴロやホストやジャニーズや男娼である。「売笑」というのは、異性（場合によっては同性）に「媚びを売る」ことで生計を立てることだ。
女性の場合は女性ができる仕事が少なかった時代が長かっただけに同情できるが、男の売笑は私はあまり同情できない。私だけでなく、昔から漫画やアニメではオカマやホモが嘲笑の対象になっていたのは、必ずしもマチズモ（男性原理主義）だけのためではないだろう。何か、男が売笑的な存在になることに、言い知れぬ不快感を生理的に覚えるわけである。それを許容すると自分の中の男性性が揺らぐのではないかという恐怖感のためかもしれない。
ついでに言うと、筋トレなどをする男は、女性にモテる（つまり売笑）よりも自分自身の筋肉を見て陶酔するナルシストである。女性は「強い男」は好きだが、単なる「筋肉ダルマ」は好きではない。そのナルシシズム（言い換えれば、女に興味の無い男であること）を見抜いているからだ。
一般女性が美人や可愛い子を嫌うのは、言うまでもなく「商売敵」であるからだ。女性は幼いころから「商品としての女性」を意識しているから、商売敵に敏感なのである。女性がホモやオカマに寛容なのは彼らが「商売敵」ではないからだ。ビジネスターゲットの範囲が違う（女性は、「女を好きな男」がターゲットであるし、ホモやオカマは「男を好きな男」がターゲットである。）し、たとえターゲットが重なっても「たいした敵ではない」と見下しているからである。