物をまとめ、縛るテクニック
春の息吹が感じられる季節。生活環境の変化に合わせ、身の回りの整理整頓に手を付ける人も多いのではないだろうか。警視庁災害対策課はX(旧ツイッター)で、新聞紙や段ボール、電源コードなどを簡単にまとめる方法を紹介。あわせて、地震などの発生時、すぐに使う軍手などのグッズをヘルメット内に収納することで、慌てず確実に持ち出せるアイデアも公開している。
ひもにひと工夫して、出し入れ自在に
古紙回収に出す新聞紙や雑誌、段ボール。縛ろうとしても、ひもがゆるくなってしまったり、縛った後に追加したいものが「発見」されたりした経験は誰にでもあるだろう。
Xで動画を使って解決策を紹介しているのは、同課の田中千瑛(ちあき)巡査部長(36)と中園晴菜主事(30)。中園さんは「職場で新聞紙を縛って回収に出す際、上司から教えてもらった」という。
ひもを用意したら、片方の先端を結び、小さな輪っかを作っておく。左右に伸ばしたひもの上に段ボールを置き、ひもの両端を段ボールの上で合わせ、輪っかに反対側の先端を通す。さらに一度ひもを輪っかに巻き付けるように通せば完了だ。
新聞紙や雑誌をまとめる場合は、輪っかを下向きにして、ひもを数字の「4」の形に置くとよい。新聞などの束を置いたら、左上からひもをかけ、右側のひもを左上のひもに引っかけてから輪っかに2回通す。中園さんは、「結び目を持って引っ張ることで、締めたりゆるめたりできて、出し入れも簡単」と話す。
電源コードは「8」の字に
《携帯電話等の電源コードを収納する時に絡まることがありませんか?そのような場合は、8の字になるように束ねておくと、伸ばしたときに絡みにくくなります》
こう投稿したのは、田中さんだ。電源コードはまとめて縛る際に強く圧力をかけると故障の原因になる恐れもあるので注意が必要だ。
手のひらを上に向けて広げ、「8」の字を描くようにして、コードを端から親指と小指にかけていく。両端の余りは、「8」の輪っか部分にねじるようにして通す。
かつて警察官が携帯していた細い縄を同じようにまとめていたと聞き、コードに活用できると考えたという。「両端を引っ張れば、絡まらずにほどくこともできる」(田中さん)
ヘルメットにINして備え持ち出しやすく
ヘルメットや軍手など身を守るのに必要なものが、災害発生時にすぐ取り出せるようにできているだろうか。
同課の木村聡警部補(47)は、「必要なものはヘルメットの中に入れてしまっておけばよい」とひらめき、Xに投稿した。食べ物などを入れる小さいポリ袋にライトやマスク、軍手、居場所を知らせる笛などを入れ、ヘルメットの内側に入れる。伸び縮みするリードでヘルメットとつないでおくと、慌てて落とすこともない。
災害用にヘルメットを常備する家庭は増えているが、「軍手などは非常用の持ち出し袋に入れている人が多く、いざというときに取り出すのに苦労するのではないか」と気づき、考案した。
木村さんは「ただ、重すぎるとリードが切れてしまい逆に危ないので、入れすぎには注意して」と呼びかけている。
(橋本昌宗)